夏に咲く太陽の花!向日葵(ヒマワリ)の育て方【栽培方法、花言葉、名所紹介】

暑い夏の日差しを受けて、元気に咲く向日葵(ヒマワリ)。
黄色い鮮やかな花色と、すっくと立ったその立ち姿が周囲を明るい雰囲気にしてくれます。
今回は、生命力あふれる向日葵について、花言葉や全国各地の名所から、植え方など栽培方法まで、詳しくご紹介します。

向日葵(ヒマワリ)の基本情報

学名Helianthus annuus
英名Sunflower
その他別名ヒマワリ
科名キク科
属名ヒマワリ属
原産地北アメリカ

向日葵の特徴

英名で「Sunflower(太陽の花)」」と名前がついている通り、向日葵(ヒマワリ)はサンサンと照る太陽を好む植物です。
真夏に咲き誇り、すっくと立つその姿は実にエネルギッシュ。

生命力に満ち溢れていて、観る者を元気づけます。そんな向日葵の花言葉は、「憧れ」「あなただけを見つめる」です。
太陽を見つめるように咲く花の姿がそのまま現されています。

向日葵と言えば黄色い花のイメージが一般的ですが、品種改良により近年は花の色や大きさもバラエティー豊かになってきています。
花の色別にも花言葉があるのでご紹介しましょう。

まず、代表的な黄色の向日葵の花言葉は「願望」「未来をみつめて」。
少し珍しい紫色(赤色)の向日葵の花言葉は「悲哀」です。黄色とは異なり、少し悲しい花言葉です。
白色の向日葵の花言葉は「ほどよき恋愛」。
この他、花の大きさ別にも花言葉があり、大輪の向日葵は「偽りの愛」「にせ金持ち」、小輪の向日葵は「高貴」「愛慕」となっています。

向日葵と言えば、広い畑に見事に咲いた無数の向日葵をイメージする方も多いのではないでしょうか。
全国各地には、開花期の夏に向日葵を見どころにした名所が沢山ありますので、有名なものをいくつかご紹介します。
向日葵の元気パワーをもらいに、出かけてみたいですね。

北竜町 ひまわりの里(北海道)

約150万本の向日葵が植えられています。
約30年前から町全体でひまわりの栽培に取り組んでおり、広大な敷地に無数のひまわりが咲く景色は圧巻です。

三ノ倉高原ひまわり畑(福島)「さわやか高原ひまわりフェスタ」

スキー場のゲレンデを利用した向日葵畑です。
約250万本の向日葵が植えられており、期間中にはウォークラリーやひまわり畑の巨大迷路などがイベントが開催されます。

座間市ひまわり畑(神奈川県)「ひまわりまつり」

関東で有数の向日葵の名所です。
55万本の向日葵が市内2カ所に分けて植えてあります。

あけのひまわりフェスティバル(茨城県)

4haを超える畑に約100万本の向日葵が咲き誇ります。

佐用町 南光ひまわり畑(兵庫)「佐用町南光ひまわり祭り」

無農薬・無添加のひまわり油が特産の佐用町にある向日葵畑。
町内6地区に時期をずらして約130万本の向日葵が咲きます。

若狭の恵 ひまわり畑(福井県)

5haの広大な畑に約100万本もの向日葵が咲き誇ります。

君田のひまわり畑(広島)

広島県三次市内の藤兼地区と石原地区の計6haに約100万本の向日葵が咲きます。

向日葵の種類

向日葵には花の色や大きさ、咲き方が異なる、様々な品種があります。
代表的なものをいくつかご紹介します。

ゴッホのひまわり

画家ゴッホが描いた向日葵をイメージした品種です。
一重咲、半八重咲き、八重咲きと様々な咲き方をする特徴があります。
花粉が出ず、花もちが良いので切り花に向いています。

テディベア

八重咲きの品種です。
ぬいぐるみのように、丸みを帯びもこもこした花が特徴です。
草丈は80㎝ほどと小型のタイプです。

サンリッチシリーズ

花粉がなく、花もちも良いので、切り花に向きます。
花の形や色が美しいシリーズです。

ロシア

ロシアの国花として広く栽培されている向日葵です。
草丈2mほどの大型のタイプ(高性種)です。
花びらは先端が明るい黄色で、花の直径は30㎝ほどにもなります。

タイタン

大型の品種で、花の直径は40㎝を超えるものもあります。
種が大きく、食用の向日葵として知られています。

プラドレッド

黒っぽい赤色の花びらが特徴の向日葵です。
花径は15cmほど、枝分かれして沢山の花がつきます。

向日葵(ヒマワリ)の栽培・育て方

向日葵は、真夏の太陽が大好きな植物です。
日当たりと水はけの良い場所で育てます。
初心者が種から育てるのも比較的簡単です。
様々な品種があるので、好みのタイプを選んで育ててみましょう。

向日葵(ヒマワリ)の育て方情報

分類・形態草花・一年草
草丈・樹高30~300㎝
開花の時期7月~9月
花色黄・オレンジ・茶・複色
耐寒性弱い
耐暑性強い
特性・用途鉢植え・花壇
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け4月下旬~6月
植え替え4月下旬~6月
肥料4月下旬~8月
開花7月~9月
収穫10月頃(種)

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりと水はけが良く、風通しの良い場所が適しています。
多くの植物が真夏の強い直射日光を苦手としますが、向日葵は夏でも日差しを好む丈夫さをもっています。

ベランダで栽培する際は、エアコンの室外機の風が直接あたらない場所を選びましょう。

水やり

種まきから発芽するまでと、発芽してから本葉が育つまでの成長初期の時期は、根を張らせるためにしっかりと水やりします。土の表面が乾いたら、たっぷりと与えましょう。

開花期の真夏は乾きやすいので、鉢植えの場合、朝と夕方の涼しい時間帯に2回与えるのが基本です。

地植えの場合は、基本的に水やりは必要ありませんが、晴天が続くような場合は、様子を見て水やりします。
背が高くなる品種の向日葵は葉がしおれやすいため、注意して水やりしましょう。

肥料

植え付けの際に元肥を施します。
緩効性肥料を与えると良いでしょう。

追肥は、鉢植えの場合、花が咲くまでの間、2週間に1回のペースで化成肥料を与えます。
下葉が黄色く枯れてきたら肥料切れのサインです。
地植えの場合は、1ヵ月に1回、化成肥料を追肥します。

用土

あまり土を選びませんが、水はけと通気性が良く、適度に保水性のある土が良いでしょう。

鉢植えの場合、市販の草花用培養土で問題なく育ちます。
さらに培養土7:腐葉土2:牛ふん堆肥1の割合で配合するとより良い土になります。

地植えの場合、植える場所をよく耕します。
根が長く伸びるので、40㎝程度の深さまで耕しておきます。
さらに牛ふん堆肥や腐葉土をすき込んで有機質に富んだ土壌を作ると最適でしょう。

温度

発芽温度は20~25℃です。
夏の高温に良く耐え、真夏に花を咲かせます。
寒さには弱く、秋には枯れてしまいます。

向日葵を育てるときのポイント

選び方

向日葵は種から育てる方法と苗を購入して植える方法があります。

苗は初夏から8月頃まで園芸店などで売られています。
本葉が5~6枚程度までの、あまり大きすぎない苗を選ぶと良いでしょう。葉の色つやがよく、花の蕾が付いているもの、株元がぐらぐらしていないものを選びます。
葉や茎に病害虫の跡がないかどうかもしっかり確認しましょう。

向日葵は品種によって草丈や花の付き方が異なります。
中には2mを超えるほど背が高くなるものや、一つの株が枝分かれしてこんもりと沢山の花をつける品種もあります。
植えつけスペースに余裕があるかどうか、よく考えて種類を選びましょう。

種まき

向日葵を種から育てるのは初心者でも比較的簡単です。
種まきなら、あまり流通していない、少し珍しい品種などにも挑戦することができます。
発芽温度は20~25℃程度です。戸外でまく場合は、暖かくなった4月下旬~6月が適しています。

種を土に直まきする場合、その品種が成長してどの程度の大きさに育つかを考えて株間を決めます。
一般的な品種ならば15~20㎝、草丈が高くなる品種(高性種)の場合は50~60㎝は間隔が必要です。

株間を決めたら、深さ1~2㎝の穴を掘り、そこに種を2~3粒まきます。
まいた後は、土で覆い、たっぷりと水やりしましょう。

種まきから10~15日ほどで発芽します。
発芽したら、一番元気な株を1本だけ残して、残りの芽はつんで間引きます。

直まきではなく、ポットに種をまいて育ててもかまいません。
直まきと同じ要領で種をまき、発芽後に本葉5枚程度まで育ったら、花壇や鉢に植えつけます。

植えつけ

向日葵は直根性で、移植を嫌います。
後から植え替えすると根が傷んで枯れてしまうことがあるので、最初によく考えてから植えつけしましょう。

種まきして育てた苗もしくは購入してきた苗、いずれの場合も植え付ける時期は、4月下旬~6月中旬が適しています。

植え付け場所にポットの大きさ程度の穴を掘り、苗をそっと植えつけます。
根鉢を崩さないように丁寧に作業します。
隙間をなくすように土を入れたら、最後にたっぷりと水やりしましょう。
根がしっかりと定着するまで、水やりを続けます。

向日葵は、品種によっては草丈がとても高くなります。
40㎝を超えてきたら、倒れないように支柱を立てて支えましょう。

剪定

一本の茎にひとつの花を咲かせる一本立ちタイプの向日葵は、摘心しません。
自然のまま育てます。

ひとつの株が枝分かれして沢山の花をつけるタイプの向日葵の場合は、摘心を行って花数を増やすことができます。
本葉が5~6枚のころに、摘心を行うと良いでしょう。
ただし、この場合ひとつひとつの花は小さくなってしまいます。
大きな

花を咲かせたい場合は、摘心を行わず、脇芽を摘み取って花数と大きさを調整します。

分岐性の向日葵は、花が咲き終わったら花がら摘みをしましょう。

ふやし方

向日葵は種で増やすことができます。
花が咲き終わったら、そのままにしておきましょう。
花首が下を向き、花の中心部に種ができます。
黒く固くなるまで待って、花首ごと切ります。
陰干しした後、完全に乾燥したら、採種します。
大きく硬くふくらんでいる種を選んで袋や容器に入れ、冷暗所で保存しておけば、翌年また苗を育てることができます。

収穫

花が咲き終わった後、放置して1ヵ月~40日程度で種が出来上がります。
上記「ふやし方」の要領で種を収穫しましょう。

気を付けるべき病気・害虫

病気

べと病に注意しましょう。
べと病は、雨が続いて湿度が高くなると発生しやすくなります。
葉に淡黄色の斑点ができ、やがて黄褐色になり生育が悪くなります。

害虫

ハダニ、オンシツコナジラミに気を付けましょう。

殺虫剤・殺菌剤

べと病の予防策として、前年発病したところでは栽培しない、株元をマルチングし、泥はねを防ぐ、などの方法があります。

害虫は、高温で乾燥する時期に発生することがあります。
葉の裏側にシャワーで水をかけると予防になります。
いずれも見つけたら速やかに市販の薬剤を散布して駆除しましょう。