ホーリーバジル(トゥルシー)の初心者向けの育て方や栽培のコツ

ホーリーバジルとは別名トゥルシーと呼ばれ、薬草や食用として古くから知られるハーブです。

ガパオライスのガパオはホーリーバジル(トゥルシー)のことをさし、アジア料理でも良く使われています。
そんなホーリーバジル(トゥルシー)ですが、丈夫で地植えでも簡単に育てられるハーブとして初心者の方にもおすすめです。

今回はホーリーバジル(トゥルシー)の歴史から、育て方や栽培まで紹介します。

ホーリーバジル(トゥルシー)の基本情報

学名Ocimum tenuiflorum・Ocimum sanctum
英名Holy basil・Tulsi
その他別名トゥルシー・ガパオ・メボウキ
科名シソ科
属名メボウキ属
原産地インド・ネパール・オーストラリア

ホーリーバジル(トゥルシー)の特徴

ホーリーバジル(トゥルシー)は、バジルと同じメボウキ属に分類されるハーブです。
草丈は長いもので60㎝まで成長し、独特の匂いと風味をもつことが特徴です。

ホーリーバジル(トゥルシー)の歴史

ホーリーバジル(トゥルシー)の歴史は、数千年前よりインドでは癒しを与えるハーブとして親しまれていました。
日本には16世紀頃より伝わり水に浸したバジルの種を利用し目に入った異物を取り除くという週刊から日本では「メボウキ」とも呼ばれたと言われています。

インドのヒンドゥー教で、ホーリーバジル(トゥルシー)は神に捧げる植物として寺院や自宅周辺に植えられていることから、「神聖」という花言葉が付けられました。

ホーリーバジル(トゥルシー)の食べ方

ホーリーバジル(トゥルシー)を食用として使用する際は、固い茎の部分を取り除き茎と葉だけを使います。
ガパオライスのなどタイ料理に使われているため、エスニックなイメージが強いですが、西洋料理にもバジルと同じように使用することができます。

ホーリーバジル(トゥルシー)は加熱しても香りが飛びにくく、鶏肉や豚肉と一緒に炒めることで肉の臭みが抑えられさっぱりとした味わいの料理になります。
またホージーバジルティーなどは美容にも効果があると言われています。

ホーリーバジル(トゥルシー)の種類

ラーマトゥルシー

気温の高いインドでは多年草として扱われていますが、日本では一年草に分類されます。
葉の色は淡い緑色となります。

バナトゥルシー

「野生のバジル」という意味をもつバナトゥルシーは香りが強いことが特徴です。

クリシュナトゥルシー

シャーマトゥルシューとも呼ばれ「黒いホーリーバジル」の意味を持ち、ラーマトゥルシーの変種です。
葉や茎が黒や赤紫いことが特徴です。

オオヤトゥルシー

葉の裏に紫斑点模様がり香りの強さは一番で、寒さにも強いという特性を持っています。
味も日本人が好む味になっています。

ホーリーバジル(トゥルシー)の栽培・育て方

ホーリーバジル(トゥルシー)は寒さに弱いため温度管理は必要ですが、丈夫な性質のため地植えにも向いており初心者の方でも育てやすいハーブです。

摘みたてのハーブは新鮮で香り豊かなことが特徴です。
ぜひ自分で育てて摘みたてのハーブを味わってみませんか?

ホーリーバジル(トゥルシー)の育て方情報

分類・形態ハーブ・一年草
草丈・樹高~60㎝
開花の時期6月~8月
花色白・紫
耐寒性弱い
耐暑性やや強い
特性・用途食用・観賞用
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け4月~6月
植え替え4月~6月
剪定5月~6月
肥料6月~9月
開花6月~8月
収穫6月~8月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりがよく風通しのいい場所に置きましょう。

水やり

水を好む性質があるため、鉢植え地植えともに土が完全に乾く前に水やりを行いましょう。
特に乾燥しやすい時期は朝と夕の2回水やりをしてください。

肥料

基本的に肥料は必要ありません。
ただし葉の色がくすんできたら油かすなどの窒素成分の多い肥料を一回与えるか、液体肥料を適時あげましょう。

用土

水はけのよい中性~弱アルカリ性の土を好みますが基本的にあまり土壌を選ばず育ちます。
市販の土であれば「ハーブの培養土」か「野菜の土」を準備しましょう。

また土を自分で配合する場合は鉢植えの場合は赤玉土7、腐葉土3の割合で完熟堆肥を混ぜんこんだものを準備しましょう。
地植えの場合は植え付ける二週間前に耕し、苦土石灰を混ぜ土を酸性度を調整しておきましょう。

温度

暑さに強いため夏は特に対策は必要ありませんが、冬は基本の日当たりのいい場所暖かい場所に置きましょう。

ホーリーバジル(トゥルシー)を育てるときのポイント

選び方

苗は茎が太く、葉の色が濃い元気な苗を選びましょう。

また節と節の間が詰まっているものが好ましく、節が徒長していないかということも確認してください。
ホーリーバジル(トゥルシー)は品種によって花の色や大きさ、香りなども変わるのでお好みの品種を探してみましょう。

種まき

室内であれば3~4月、屋外であれば4~6月が種まきに適した時期です。
種まきの前日に水につけておきます。

その時に種の周囲にゼリー状の膜ができますが保水のためのバジルの性質なので問題ありません。
育苗ポットに赤玉土を入れて指一節ほどの穴をあけます。種をスプーンですくい3~4粒その穴に入れて軽く土を被せます。

優しく水をあげて、本葉が2~3枚ほどになったら、生育のいいものを一つだけ残し残りは間引きましょう。
本葉が4~6枚ほどになったら植え替えましょう。

植え付け・植え替え

4~6月頃の気温が15~20℃程度になった頃が植え付けに適しています。
鉢植えの場合は10号の鉢に一株、プランターの場合は3株を目安に植えましょう。

根についた土を崩さないようにそのまま植え付け、水をたっぷり上げた後は日当たりの良い場所で管理することが大切です。

地植えの場合は株同士の間隔を20~30㎝空けて植えましょう。

地植えにして一年草として育てる場合は冬場には枯れてしまうため特に植え替えは必要ありません。
鉢やプランターなどで冬場は室内で育てる場合は、初夏の温かくなってきた時期に一回り大きな鉢に植え替えましょう。

増やし方

挿し木と種で増やすことができます。
花が咲いてそのまま放置しておくと種ができるので、茎が全体的に茶色くなった頃を目安に収穫しましょう。

収穫の方法は茎ごと剪定し、新聞紙などの上で種を振り落しましょう。

挿し木の場合は7月中旬~9月頃に行います。
元気な茎を先端から5~10㎝程度のところで切り落とし、バーミキュライトや赤玉土に茎を挿します。
10日前後で初根するので、根が十分の伸びてきたら鉢や地面に植え替えましょう。

気を付けるべき病気・害虫

害虫

アブラムシ

茎葉に寄生します。

ハモグリバエ

幼虫が葉に寄生し食べます。
大量に寄生すると葉を食べつくされるので見つけ次第その葉は切り落とし処分しましょう。

ヨウトウムシ

葉が丸まったり茎が折れた時はヨウトウムシがいないか確認しましょう。
日中は地中に潜んでいるため、土を掘り起こして確認します。

見つけ次第ピンセットなどで取り除きましょう。

殺虫剤・殺菌剤

食用として使用する場合は、効果が穏やかな野菜用の殺虫剤などを使用しましょう。