冬のガーデニングに欠かせないビオラ。
小さく可憐な花を冬の間、絶え間なく咲かせるビオラは秋から春にかけてお庭を鮮やかに彩ってくれます。
ヨーロッパ原産のビオラは、近年では品種改良によって多種多様な花が生み出されています。
毎年、新しい品種が色々な会社から発表されているビオラは選ぶだけでもとても楽しくなる植物です。
今回はそんなビオラの特徴や育て方をご紹介します。
ビオラの基本情報
学名 | Viola |
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英名 | Viola |
その他別名 | 三色スミレ・すみれ |
科名 | スミレ科 |
属名 | スミレ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
ビオラの特徴
パンジーとビオラの違い
同じスミレ科スミレ属に分類されるパンジーとよく似た見た目のビオラ。
花の形はほとんど違いがないのですが、花の大きさに違いがあります。
小輪の花をつけるものをビオラ、中輪から大輪の花を咲かせるものをパンジーと見分けることができます。
育て方は変わらないので、どのような雰囲気にしたいかによって選ぶと良いでしょう。
パンジーは大きな花が豪華な印象を与えます。
ビオラは小さな花をたくさん咲かせることが出来るので、見ごたえがあり寄せ植えなどにも適しています。
品種改良によって、現在ではパンジーとビオラの中間のような大きさの花も出回るようになってきたため、年々、パンジーとビオラの区分があいまいになってきています。
ビオラの花言葉
花言葉の「私のことを想ってください」「少女の恋」はビオラの小さく可憐な花姿から、少女がうつむいてる様子が連想されたためにつけられました。
ビオラを使ったガーデニング
ビオラは花壇の女王とも呼ばれ、秋から冬にかけてのガーデニングに人気の植物です。
単純に花壇に植えられることも多いですが、寄せ植えとして使われるのに重宝しているビオラ。
ビオラは草丈が小さくたくさんの花を咲かせるので、寄せ植えする時は背が高く同じ時期に花を咲かせ続けるようなガーデンシクラメンやエリカ、マーガレットなどの植物を選ぶといいでしょう。
また、大きな鉢やプランターであれば、春まで開花しているビオラに合わせて隙間にチューリップやクロッカスなどの球根を埋めておくのもおもしろいと思います。
寄せ植えの一番の魅力であり、ポイントであるのが花がたくさん咲いたときの様子を想像して植物を選んでいくことです。
花の色を同じ色の系統で合わせていくと洗練されたイメージの寄せ植えが完成します。
ビオラは花の色の数が多いので、寄せ植えに合わせる植物のバリエーションを選びがいがある植物です。
ビオラの種類
ビオラは毎年、種苗会社などから新しい品種が発表されているバリエーションの多い植物です。
たくさんの品種の中から一部をご紹介します。
バニーイヤーズ(バニーガール)
花の上部のふたつの花弁がとんがっていることで、まるでウサギのように見える可愛らしい品種です。
極小輪ビオラ フィーリー
通常のビオラよりもひとまわり小さい品種です。
小さな花がたくさん咲くので、少ない株数でも見ごたえがあります。
サントリー ミルフル
サントリーが発売しているミルフルは、ビオラでありながら少し大きめの花と細かくフリルがついた花弁が魅力の品種です。
ビビ
ナチュラルな花色や上品な花色など珍しい色が特徴の品種です。
耐寒性が強く、育てやすいので初心者にもおすすめです。
ビオラの栽培・育て方
ビオラは日当たりと風通しの良い場所に植え付けるとたくさん花を咲かせてくれます。
また、咲き終わった花がらを摘んで、徒長した茎を切り戻すことで長く楽しめるので特に成長が旺盛になる春先にかけては手をかけてあげましょう。
ビオラの育て方情報
分類・形態 | 一年草・草花 |
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草丈・樹高 | 10cm~30cm |
開花の時期 | 10月~5月 |
花色 | 紫・ピンク・黄色・赤・茶色・黒・白・オレンジ・青 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 寄せ植え・花壇・公園・エディンブルフラワー・開花時期が長い |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 10月~11月 |
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肥料 | 11月~4月 |
開花 | 10月~5月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
花数を増やすために日当たりの良い場所で管理します。
風通しが悪いと病害虫の被害にあうことが多いので、気を付けましょう。
水やり
ビオラは冬に花を咲かせることが多い植物ですので、水やりは朝に行いましょう。
鉢の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
夕方の水やりは、寒さで根を傷ませてしまうので避けましょう。
庭植えの場合は植え付けた後、数日は水やりを行いますがその後はほとんど必要としません。
肥料
植え付けるときに元肥として、緩効性の化学肥料を与えましょう。
2か月ほどで効果が切れますが、ビオラは開花期間が長いので追肥として液体肥料を与えましょう。
寒冷地の場合は、冬場は休眠状態になるので追肥は必要ありません。
用土
市販の草花用土やパンジー・ビオラ専用土を使用しましょう。
庭植えにする場合は、水はけをよくするために腐葉土などを混ぜ込んで土の状態をよくしておきましょう。
ビオラを育てるときのポイント
選び方
ポット苗の状態で、秋口から販売されていることが多いビオラ。
茎が伸びすぎていない、葉が緑色に茂っているものを選びましょう。
徒長しすぎている苗は日光不足の可能性がありますので、避けましょう。
10月から販売が始まりますが、あまり早く買いすぎると気温が暖かく徒長しやすい苗になってしまうので、11月に入ってから購入したほうがしっかりとした苗になります。
花がら摘み・切り戻し
たくさんの花を咲かせるためには花がら摘みが重要です。
花が咲き終わって閉じているものがあったら忘れずに摘んでおくことで、次の花が咲きやすくなります。
また、春先になると徒長してくる茎が増えてくるので、一度、半分くらいまでの草丈に切り戻しをするとまた成長を盛り返して来ます。
切り戻ししてから2週間ほどで、花が咲き始めます。
植え付け・植え替え
ビオラは庭植えでも鉢植えでも育てることができます。
庭植えにする場合は、事前に石灰などを撒いて土壌の酸性を緩和してから霜が降りる前に植え付けましょう。
一年草なので、植え替えの必要はありません。
ふやし方
ビオラは種で増やすことができます。
花が終わった後の花がらを摘まずにそのままにしておくと、種が熟し始めます。
茶色くなったところで、はじけ飛ぶ前に房ごと種を採取し風通しの良い冷暗所に保存しておきましょう。
9月に育苗トレーやプランターに種まき用土を入れ、保存していた種を薄く土を掛けるようにして撒いていきます。
種は水につけて沈んだものを選ぶようにすると発芽率が良くなります。
芽が出るまで半日かげの場所で霧吹きで水を吹き付けながら管理します。
芽が出たら日向に場所を移し、苗がある程度の大きさになったら、庭植えしましょう。
9月に種まきをすれば、12月には花が咲きます。
気を付けるべき病気・害虫
病気
灰色かび病・斑点病は風通しを良くして、過湿を防ぐことでかかりにくくなります。
害虫
暖かくなるとアブラムシがつきやすくなるので、風通しを良くして防ぎましょう。
殺虫剤・殺菌剤
アブラムシにはスミチオン乳剤かベニカ系のスプレー剤を散布します。