梅雨時期から夏にかけて、まっすぐに伸びた茎から色鮮やかな花をたくさん咲かせるタチアオイ。
タチアオイが一面に咲く様子はとても愛らしくまさに夏の始まりを感じさせるお花です。
寒さにも強く育てやすい種類でもあります。
今回はそんなタチアオイの育て方や管理方法をご紹介します。
タチアオイの基本情報
学名 | Althaea rosea |
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英名 | Holly hock |
科名 | アオイ科 |
属名 | ビロードアオイ属 |
原産地 | アジア |
タチアオイの特徴
タチアオイと言えば、夏の花のイメージがありますが実は梅雨頃から咲き始め夏中に花の時期は終わってしまいます。
まっすぐに育つ様子から「タチアオイ」という和名が付けられました。
また英名ではホーリーホック(Hollyhock)と呼ばれ、十字軍によってシリアから運ばれてきたことから聖地の花と言われています。
日本には薬草として中国より持ち込まれ、現在も「蜀葵」と呼ばれており、西洋でも最古のハーブの一つとして利用されいたという記録もあります。
根付きやすく管理がしやすいので園芸種としても人気があり、背丈もあることからボーダーガーデンとしてイギリスなどでよく使われています。
タチアオイの種類
園芸用として人気の高いタチアオイですが、種類も豊富に存在します。
クロタチアオイ
タチアオイの中でもめずらしい、ビロード光沢のある黒色の一重の花です。
光によって紫がかって見える深みのある色は、目を引く存在であり花壇のアクセントにもなります。
マジョレット・グループ
草丈が60~70㎝の矮性品種であり寄せ植えに人気の種類です。
花は八重咲きで色合いはパステルカラーです。
開花時期は少し遅い7月~9月となっています。
サマーカーニバル・グループ
草丈が150㎝ほどの大きさになり花径12㎝の八重咲きの大輪花を咲か焦る一年草タイプの種類です。
花つきがよく、豪華な印象が特徴です。
タチアオイの栽培・育て方
タチアオイは寒さ暑さに強いため育てやすく、あまり手がかからないことから初心者におすすめの種類です。
多湿になると根腐れをおこしやすいので、置き場所や株の間隔などを考慮し特に梅雨時期に注意が必要となります。
タチアオイの育て方情報
分類・形態 | 草花・多年草・二年草・一年草 |
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草丈・樹高 | 60~200㎝ |
開花の時期 | 6月上旬~8月中旬 |
花色 | 白・赤・ピンク・オレンジ・黄・黒・紫・複色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花期が長い |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 3月~4月・9月~11月 |
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植え替え | 3月~4月・9月~11月 |
剪定 | 6月~8月 |
肥料 | 3月~5月 |
開花 | 6月~8月 |
収穫 | 6月~8月 |
栽培に必要な準備・環境
タチアオイは日当たりと風通しがいい場所で育てることが大切です。
日当たり・置き場所
一年中日当たりがよく、風通しのいい場所で育てましょう。
成長すると背丈がとても大きくなるので、地植えの場合は成長することを考慮して場所を選定しましょう。
水やり
湿度が高いと根腐れを起こすので、基本的に乾燥気味で管理します。土が乾いた時点でたっぷりを水をあげましょう。
肥料
あまり肥料を与えすぎると株が弱くなってしまうので、植え付け時に緩効性化成肥料か液体肥料をやや少なめにあげましょう。
花に元気があり生育に問題がなければ追肥をしなくてもよいですが、株が元気がない時は3月中旬から下旬に液体肥料を2週間に1回あげましょう。
また4月に緩効性化成肥料を1回置き肥しましょう。
用土
水はけのよい土を好みますので、赤玉土7、腐葉土3の割合で作ります。
また市販の「花の培養土」でも問題ありません。
タチアオイを育てるときのポイント
選び方
植え替えが基本出来ない種類であり苗はあまり流通していません。
そのため基本種から購入して育てます。
種まき
春に種をまく一年草、秋の種をまく一年草・二年草があります。
春まきの場合は3月~4月にまき夏に花を咲かせます。秋まきは9
月頃に花が咲き、二年草の場合は種をまいた次の夏に花が咲きます。
タチアオイは基本株の劣化が早いため毎年種をまく必要があります。
タチアオイの種は水をはじきやすい性質があるため、種まきをする前日に一晩種を水につけておきます。
またタチアオイは湿潤環境を嫌い、梅雨時期に根腐れを起こす可能性があるため株の間隔を十分にとって種をまきましょう。
剪定
株が込み合うと害虫が発生しやすくなるため、咲き終わった花や葉っぱなどはこまめにつみとりましょう。
増やし方
植え替えを嫌うため、増やし方は種をまくことが一般的となります。
もし植え替える際は、発芽が観られ、葉っぱが2~3枚に育った時に行いましょう。
それ以上大きくなると根付きにくくなります。
気を付けるべき病気・害虫
病気
水はけが悪い場合に、斑点秒や炭そ病などが発生しやすくなります。
水はけのよい土と肥料をあげ過ぎない様に注意しましょう。
害虫
ハマキムシ
葉をつづり合わせた中に生息し、葉や芽を食べてしまいます。
ワタノメイガ
葉をまいてその中に生息し葉を食べてしまいます。
殺虫剤・殺菌剤
ハマキムシにはオルトラン殺虫剤が有効です。