カンナの種類と育て方|ポイントは冬場の温度管理と花がら摘み

カンナは真夏に色鮮やかな大輪の花を咲かせる、熱帯アメリカ原産の植物です。
熱帯原産のため暑さに強く、猛暑の中でも元気に花を咲かせてくれます。
丈夫で育てやすく初心者にもおすすめの植物です。
花や葉の色がバリエーション豊富なので、好みのものを探すのもとても楽しいですよ。
カンナを育ててお庭をエキゾチックに彩ってみませんか。

カンナの基本情報

学名Canna
英名Canna
その他別名壇特(ダントク)
科名カンナ科
属名カンナ属
原産地熱帯アメリカ

カンナの特徴

カンナはコロンブスがアメリカ大陸を発見した際にヨーロッパに持ち帰った植物のひとつとして有名です。
日本へは江戸時代に入ってきました。

現在出回っている品種は欧米で作り出された園芸品種で、ハナカンナと呼ばれます。
学名の「Canna」はラテン語のが語源で「葦(あし)」という意味です。
カンナの茎は中心に空洞があり、それが葦に似ていることに由来しています。
暑さに負けず花をつける姿から「情熱」「快活」、幻想的な見た目から「妄想」の花言葉がついたとされています。

仏教とも関わりがあり、ブッダの血から咲いた花がカンナであるという伝説が残っています。

カンナの種類

カンナには非常に多くの品種があります。
人気のシリーズをご紹介します。

トロピカルシリーズ

種から育てるタイプです。
草丈が40cmほどとカンナの中では小さく、花期が長いのが特徴です。

ブロンズスカーレット

赤銅色の葉が幻想的な品種です。
鮮やかな赤い花を咲かせます。

コーラル

コーラルピンクの花と濃い緑の葉の対比が美しい品種です。
よく枝分かれし、花をたくさん付けます。

サウスパシフィックシリーズ

種から育てる実生タイプです。
花立が多く花は大輪で、豪華な印象です。

スカーレット

鮮やかな緋色の花が印象的な品種です。
開花時は50cmほどの草丈ですが、花が咲いて以降も伸び秋には100cmほどになります。

ローズ

丸みを帯びたピンクの花弁がかわいらしい印象です。

ビューシリーズ

黄色の葉に縦に緑の縞が入る品種です。
花の色によって「ビューイエロー」「ビューオレンジ」などの品種名で流通しています。

カンナの栽培・育て方

カンナは熱帯の植物なので耐暑性は強く、耐寒性が少々弱い植物です。
日本の冬では球根の堀り上げやマルチングなどの寒さ対策が必要になります。
日当たりと水はけがよく、肥沃な場所を好みます。
寒さに弱い以外は丈夫で、育てやすい植物です。

カンナの育て方情報

分類・形態草花・球根・多年草
草丈・樹高40cm~160cm
開花の時期6月~10月
花色赤・白・黄・ピンク・オレンジ・複色
耐寒性やや弱い
耐暑性強い
特性・用途落葉性多年草・初心者でも育てやすい・鉢植え・花壇
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け4月~5月
植え替え4月~5月
肥料6月~9月
開花6月~10月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりの悪い場所だと花つきが悪くなります。
日当たりのよい場所で育てましょう。
夏場の直射日光も問題ありません。

水やり

鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷり水やりをしましょう。
球根カンナの場合は過湿によって球根が傷んでしまうことがあるので注意が必要です。
実生カンナの場合は水が多めでも問題ありません。
夏場は鉢を水に浸けて管理する腰水ができ、水やりの手間が少なくなります。
地植えの場合はよほど乾燥しない限り水やりは必要ありません。

肥料

肥沃な土を好みます。
植え付け時に緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきましょう。
発芽後も月に1回、化成肥料を株から少し離したところにまきます。
肥料の窒素分が多いと葉ばかり成長してしまうので、リン酸分の多い肥料が適します。

用土

通気性がよく、水はけと保水性が適度に両立できる土がよいです。
市販の草花培養土で育てられます。

温度

生育温度は20℃~30℃と高めで、5℃で休眠、0℃で枯れてしまいます。
冬場の管理に注意しましょう。

カンナを育てるときのポイント

種まき

発芽適温が20℃~30℃と高いので、暖かくなってから種まきします。
カンナの種は外皮がとても硬いのでカッターなどで軽く傷をつけ、一晩水に浸けてから蒔きましょう。
育苗箱やビニールポットに一粒ずつ蒔き完全に土をかぶせます。
通常10日前後で発芽するので、本葉が2~3枚になったら鉢や庭に植え付けましょう。

植え付け

球根は4月~5月ごろに植え付けをしましょう。
鉢植えの場合は生長が旺盛なので8号以上の大き目の鉢に植え付けます。
芽が上を向くように気を付け、10cmほど覆土します。

花がら摘み

咲き終わった花茎は根元から切り落としましょう。
そのままにしておくと種に養分を取られ球根が弱ってしまいます。

ふやし方

種まきか分球で増やせます。
種を取りたい場合は秋が近づいたら花がらを処理せずそのまま残しておきましょう。

カンナの球根は生姜のような形をしています。
分球の場合は4~5月、球根をくびれているところで分割してそれぞれに植え付けましょう。

冬越し

カンナは気温が0℃を下回ると枯れてしまいます。
鉢植えは室内など零下にならない場所に移動しましょう。
地植えは暖地でも盛り土、マルチングなどをおこない寒さ対策をします。
寒冷地では球根を掘り上げ、気温5℃前後の場所で保管しましょう。

気を付けるべき病気・害虫

病害虫による被害ははほとんどありませんが、まれにアブラムシやヨトウムシがつくことがあります。

殺虫剤・殺菌剤

クロチアニジン・アセフェートを使用するのがおすすめです。