
早春に、青紫色の小さい壺型の花をいっぱいつけるムスカリ。
英名はグレープ・ヒヤシンス、和名はブドウ風信子で、ブドウに似た花姿がかわいらしいお花です。
どの植物にも合わせやすい色合いで、草丈が低いので、寄せ植えに加えたりお庭のグラウンドカバーにしたり、水耕栽培も可能で、使い勝手の良さも人気の一つです。
病害虫にも強く、初心者でも育てやすいのもうれしいポイント。今回はそんなムスカリの特徴や栽培方法を詳しくご紹介します。
ムスカリの基本情報
学名 | Muscari |
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英名 | Grape Hyacinth |
その他別名 | 葡萄風信子(ブドウフウシンシ)、グレープヒアシンス |
科名 | キジカクシ科 |
属名 | ムスカリ属 |
原産地 | 地中海沿岸、南西アジア |
ムスカリの特徴
ムスカリは、地中海沿岸や南西アジア原産の球根植物です。
開花時期は3月~5月で、秋に球根を植えます。草丈は10~30cmと小ぶりで、群生させると紫色の絨毯のように見栄えがします。
花色は、ブルー、パープル系が主流ですが、最近では、ピンク、白、黄色などの色のムスカリも見られます。ムスカリは丈夫で、耐寒性に優れており、手がかからない植物です。
ムスカリは、寄せ植えにも最適で、ビオラ、ヒヤシンス、チューリップなどと一緒に、ぜひ寄せ植えアレンジを楽しんでみましょう。
華やかで花色が豊富な草花をメインにして、ムスカリで株元を引き締める感じです。
寄せ植えにムスカリのような背の低い引き締め色を加えると、おしゃれさが増して素敵な寄せ植えになります。
ムスカリの種類
ムスカリ属には50種ほど存在します。その中でも代表的な種類をご紹介します。
アルメニアカム
代表的な品種で、きれいなブルーの花をつけます。葉も花も大きめで、白い花や八重咲き品種もあります。
アウケリ
小ぶりのムスカリ。「マウントフッド」のような改良品種もあります。
ネグレクタム
小ぶりのムスカリ。派手さはありませんが、まとまりよく寄せ植えができるので人気があります。
ムスカリの栽培・育て方
ムスカリは、一般的に球根から育てます。
日当たりがよく、水はけのよい場所で育てれば、植えっぱなしで毎年花が咲きます。
水耕栽培も可能で、日当たりの良い室内でも育てることができるので、手軽に挑戦ができますね。
水で栽培するには、コップや小さな器に水を張り、ムスカリの球根が完全に浸かってしまわないように置きます。
根が出るまでは日陰で管理し、根が出てきたら日向に置きます。水は毎日替えましょう。
ムスカリの育て方情報
分類・形態 | 球根/山野草/多年草 |
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草丈・樹高 | 10~30cm |
開花の時期 | 3月~5月 |
花色 | 青、紫、白、黄、ピンク |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い(夏は休眠期) |
特性・用途 | 水耕栽培、耐寒性が強い、初心者でも育てやすい、グラウンドカバー |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 10月~12月 |
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植え替え | 10月~12月 |
肥料 | 4月~5月、10月~12月 |
開花 | 3月~5月 |
収穫 | なし |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
ムスカリは日当たりがよく、水はけの良い場所で育てます。
夏には休眠するので、落葉樹の下も適しています。
植えっぱなしでも毎年咲いてくれます。
水やり
地植えの場合は、定植時にたっぷりと水やりをし、それ以降は降雨でほとんど十分です。
ただ、土がひどく乾燥している場合は適宜水やりを行ってください。
鉢植えの場合は、土の表面が白っぽく乾いたら、鉢底から水が流れるくらい、たっぷりと水やりします。
水のやりすぎは、球根を腐らせる原因となるので注意しましょう。
用土
一般の草花用培養土か、赤玉土と腐葉土の配合土で問題ありません。
ムスカリは弱アルカリ性の土を好むので、できれば用土に苦土石灰を適量混ぜるとさらに良いでしょう。
肥料
植え付け時に、緩効性肥料を混ぜ込んでおきましょう。そのあとは、3月中に緩効性肥料を追肥します。
ムスカリを育てるときのポイント
選び方
ムスカリは、球根もしくは芽出し球根として出回ります。
球根は、カビが生えていないか、虫がついていないかをチェックしましょう。
球根の場合は、ずっしり重く、傷やデコボコが少ないものを選び、柔らかすぎるものは避けましょう。
植え付け・植え替え
植え付け、植え替えはともに10月から12月に行います。
球根2個分の間隔をあけて、植えつけていきます。
群生させたい場合は、あまり間隔をあけずに植えましょう。
ムスカリは特に植え替える必要はありません。
植えっぱなしでも毎年花を咲かせてくれます。
ただ、花付きが悪くなったり窮屈になってきたら、3年ごとに植え替えをしてあげると良いでしょう。
球根を堀りあげるのに適した時期は、6月~7月ごろです。
球根を掘りあげたら日陰で乾かします。そのあと、手で分球して植え替えます。
剪定・切り戻し・収穫
花がら摘みといって、花後に、花がついていた茎のつけ根から切り取る作業を行います。ただし、葉は、完全に枯れるまでは切らないようにしましょう。
ふやし方
ムスカリは、主に分球によってふやすことができます。
気を付けるべき病気・害虫
ムスカリは、病害虫による被害がほとんどありません。
殺虫剤・殺菌剤
なし