甘い香りの小花が楽しめる!アベリアの育て方、剪定、栽培

甘い香りの小花を沢山咲かせるアベリア。

暑さや寒さに強く、とても丈夫なので初心者でも育てやすい花木です。

今回は、庭木にぴったりのアベリアについて、植え方や剪定の仕方、増やし方など栽培方法を詳しくご紹介します。

アベリアの基本情報

学名Abelia × grandiflora
英名Glossy Abelia
その他別名ハナツクバネウツギ(花衝羽根空木)・ツクバネウツギ・ハナゾノウクバネウツギ
科名スイカズラ科
属名ツクバネウツギ属
原産地園芸品種

アベリアの特徴

5月~10月の長い期間、甘い香りがある小さな花を次々と咲かせるアベリア。

半常緑性の低木で、植えつけた後は放任しておいても良く育つ丈夫な植物です。
その強健な性質から、しばしば公園や道路沿いの植栽としても利用されます。

一般に「アベリア」と呼ばれるアベリア・グランディフローラは葉が緑色ですが、昨今は葉に斑が入った園芸品種が沢山生まれています。

葉に白色や黄色の斑が入った品種は明るい印象で美しく、カラーリーフが楽しめる庭木として人気です。

寒冷地では冬に落葉してしまいますが、暖地では常緑のまま葉をつけていますから、地域によっては生垣や目隠し用の植栽として利用することもできます。

アベリアは暑さや寒さに強く、目立った病害虫もありません。
生育旺盛でこまめな剪定が欠かせませんが、強い刈り込みにも耐えられる丈夫さがあるので、初心者でも失敗なく育てられるでしょう。

アベリアの種類

アベリアには、花や葉の特徴が異なる品種がいくつかあります。代表的なものをご紹介しましょう。

グランディフローラ

一般的にアベリアと呼ばれるのはこの品種です。

中国原産のシナツクバネウツギとユニフローラの交雑で生まれました。
葉は緑色、花は白~淡ピンク色です。開花期間が長く、丈夫で育てやすいのが魅力です。

カレイドスコープ

季節により葉の色が美しく変化するので、カラーリーフとして人気があります。
春はブライトイエロー、夏はゴールデンイエロー、寒い時期にはブライトオレンジ、と目まぐるしく変化する様子から「万華鏡」と呼ばれています。

エドワードゴーチャ

花が濃いピンク色の品種です。
葉は一般的なアベリア、グランディフローラよりも小さめで、全体にコンパクトな品種です。

コンフェティ

クリームホワイトの斑が葉に入る品種です。
冬には斑の色が紅葉して、濃いピンク色に変わります。
耐寒性がやや弱く、寒さが厳しいと落葉します。

フランシスメイソン

光沢をもつ葉に黄色の斑が入る品種です。
葉の色が明るく、鮮やかです。

アベリアの栽培・育て方

強健な植物で、植えつけ後は放任しておいてもよく育ちます。

暑さ・寒さに強く、目立った病害虫もありません。
放っておくとどんどん枝が伸びるので、こまめに剪定して樹形を保ちましょう。

アベリアの育て方情報

分類・形態庭木・花木・カラーリーフ・低木
草丈・樹高1~1.5m
開花の時期5月中旬~10月
花色白・ピンク
耐寒性強い
耐暑性強い
特性・用途常緑性・庭木
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け3月~6月・9月中旬~11月
植え替え3月~6月・9月中旬~11月
剪定4月~8月
肥料2月~3月・9月
開花5月~10月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。

半日陰でも育ちますが、日が当たらないと、花つきが悪くなります。
強い寒風が当たる場所は、葉が傷んでしまうので避けましょう。

水やり

鉢植の場合、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るほどたっぷりと水やりします。

地植えの場合、根付いた後は基本的に水やりの必要はありません。
自然に降る雨だけで大丈夫です。
ただし、乾燥がひどい時には様子を見て水やりします。

肥料

植えつけの際に元肥を施します。
植え付けの用土に緩効性の有機質肥料を混ぜておきます。

その後、鉢植えの場合は、3月に寒肥として緩効性の固形肥料を施します。
開花中盤の9月にも同じものを追肥します。
地植えの場合は、ほとんど追肥が必要ありません。

用土

水はけが良く、保水性があり、腐植質に富んだ土が適しています。

鉢植の場合は、市販の培養土で問題なく育ちます。
配合する場合は、赤玉土細粒5:鹿沼土細粒2:腐葉土3の割合で混ぜ合わせると良いでしょう。

地植えの場合は、植えつける場所をよく耕し、腐葉土と堆肥をすき込んでおきます。

温度

耐寒性と耐暑性に優れているので、冬越し、夏越しに特別な対策は必要ありません。

アベリアを育てるときのポイント

選び方

苗木を購入する際は、葉の色つやが良く、元気なものを選びます。
病害虫の跡があるものは避けましょう。

植えつけ

真冬と真夏以外、いつでも植えつけ可能ですが、春の4月頃、または秋の9月下旬~10月頃が適しています。

鉢植えの場合、すぐに大きくなって植え替えが必要になるので、苗木よりも一回り~二回り大きめの鉢を用意します。

鉢底にネットと鉢底石を敷いたら、用土を入れましょう。

苗木の根鉢を三分の一程度崩して用土の上に置き、高さと向きを決めます。

ウォータースペースを考慮し、鉢の縁から3㎝ほど余裕をとって、隙間なく用土を入れ込みます。
最後に、たっぷりと水やりしましょう。

地植えの場合、苗木の根鉢が余裕をもって入る穴を掘ります。
掘り出した土に腐葉土や堆肥など元肥をよく混ぜ合わせ、半分ほど穴の底に埋め戻します。

苗木の根鉢を軽くほぐして、穴の中に入れたら、高さと向きを決めます。

株元と地面の高さが同じになるように調整しましょう。
根と土の間に隙間がなくなるようにしっかりと残りの土を入れ込み、最後に、たっぷりと水やりをします。

植え替え

鉢植えで育てていると、鉢の中に根が回り、いっぱいになってきます。
ひと回り大きな鉢に、新しい土を用意して植え替えましょう。植え替えの適期と手順は、植えつけと同様です。

地植えの場合も、必要があれば移植することができます。

剪定

アベリアの剪定の適期は、新芽が伸びる前の2月~3月です。

それ以外の時期も、生育旺盛でどんどん枝が伸びてくるので、必要な時に適宜剪定を行います。
アベリアは強い刈り込みにも耐える丈夫さをもっています。

高さを抑えたり、不要な枝を間引くなど、全体のバランスを見ながらこまめに剪定し、風通しや日当たりを良くしましょう。

ふやし方

挿し木で増やすことができます。
挿し木の適期は6月~7月、または9月です。

新しく伸びた元気の良い枝先を10㎝程切り取り、挿し穂にします。
カットした挿し穂はすぐに水に浸して1~2時間吸水させます。

上の葉を4~5枚残して下の葉は取り除き、切り口は斜めに切っておくと良いでしょう。

発根促進剤を薄くつけ、水で湿らせた挿し木用土に挿します。
最後にたっぷりと水やりし、直射日光の当たらない場所で乾かさないようにして発根まで管理します。

気を付けるべき病気・害虫

アベリアには目立った病害虫がありません。
強健で、とても育てやすい植物です。

殺虫剤・殺菌剤

特にありません。