黄金の鈴のようなレンギョウ(連翹)の咲く季節・種類と育て方

英名では「ゴールデンベル」と呼ばれるレンギョウ。

その名の通り、黄金の鈴のような黄色の花を枝いっぱいに咲かせます。
桜と同じ時期に花が咲き、春の学校の校庭や公園を華やかにしている植栽の一つです。

華やかな枝ものとして、生け花やアレンジメントにもよく用いられます。
原産は中国で、日本のみならず、欧米やアジアで広く愛されています。

今回はそんなレンギョウの特徴と栽培方法をご紹介します。

レンギョウの基本情報

学名Forsythia suspensa
英名Golden bells
その他別名連翹空木(レンギョウウツギ)・イタチハゼ(古名)
科名モクセイ科
属名レンギョウ属
原産地中国

レンギョウの特徴

「レンギョウ」とは、モクセイ科レンギョウ属に属する植物の呼ぶ総称です。

学名は、「Forsythia suspensa」といい、イギリスの王立植物園で監督官を務めたスコットランド出身の園芸家である William A. Forsyth(フォーサイス)氏にちなんでつけられました。
suspensaは「枝が垂れる」という意味を持ちます。

レンギョウは雌雄が異なる株の落葉低木で、樹高は1.5~3mほど高くなります。
生長する際に多くの枝を付け、学名にあるように、花の重みで枝が垂れて地面に付くものがあります。

そしてそこから根を下ろし、新しい株を増やします。
通常、枝の中が空洞になっているのも特徴です。

レンギョウの種類

レンギョウは種類が多くなく、世界中で10数種類しかありません。
中国が原産で、朝鮮半島を経て古くに日本に渡来しました。

日本原産のヤマトレンギョウやショウドシマレンギョウがありますが、現在はあまり栽培されておらず絶滅危惧種に指定されています。
現在広まっているのは、中国からの品種かヨーロッパで品種改良された園芸品種になります。

以下に代表的な品種をご紹介します。

一般的なレンギョウ(シダレレンギョウ)

中国原産のレンギョウで、枝が長く弓なりに生長し、先端が地面までしだれるタイプで、園芸店ではシダレレンギョウと呼ばれています。
これに対して直立タイプのレンギョウは、キダチレンギョウと呼ばれます。
花が先に咲いて葉が後から出てくる点と、中が空洞である点も大きな特徴です。

シナレンギョウ(キダチレンギョウ)

中国原産のレンギョウで、枝がまっすぐ伸びる(直立)タイプ。

キダチレンギョウとも呼ばれています。
一般的なレンギョウは花後に葉が出ますが、こちらは花と同じ時期に葉が展開します。
また、中が空洞ではない点も特徴です。
栽培がしやすい品種のため、公園や庭木によく使われています。

チョウセンレンギョウ

朝鮮半島原産のレンギョウで、花が咲いてから葉が出るタイプ、かつ垂れるタイプです。

インテルメディア

ドイツで品種改良されたもので、レンギョウとシナレンギョウの交配種です。
大ぶりの花を咲かせます。
日本の花店などで販売されている切り花の多くはこの品種です。

レンギョウの栽培・育て方

それほど土壌も選ばず、耐寒性や耐暑性もある丈夫なレンギョウは、庭木でも鉢植えにしても育てやすい初心者向きの植物といえます。
日当たりが良く風通しの良い場所に植え、毎年でなくても、3年から5年に一度くらい切り戻しをすると元気に育ってくれます。

レンギョウの育て方情報

分類・形態庭木・花木・低木
草丈・樹高1.5~3m
開花の時期3~4月
花色黄色
耐寒性普通
耐暑性普通
特性・用途生け垣向き・盆栽・切り花・落葉性・病害虫に強い・繁殖力が強い
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け12月~3月
植え替え12月~3月
剪定12月~3月初旬
肥料1月~2月・5月
開花3月中旬~4月中旬

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりの良い場所を好みますが、西日の当たる場所は避けましょう。

水やり

地植えの場合、特に水やりは必要ありません。
鉢植えの場合は、表面が乾いたら水を与え、特に夏場は、朝と夕方、十分に水やりを行います。

用土

適度に湿度のある肥沃な土壌を好みます。
赤玉土と腐葉土をベースに黒土を混ぜると最適です。
市販の培養土でも問題ありません。

レンギョウを育てるときのポイント

レンギョウの選び方

レンギョウは苗を購入して育てます。
枝が太めで、しっかりしているものを選びましょう。

植え付け・植え替え

植え付け・植え替えの時期はともに12月~3月です。

庭植えの場合は、最初に土を混合し用意しておき、苗よりも一回り大きな穴を掘って、苗を植え付け、土をかぶせます。
そのあと、たっぷり水やりをします。

鉢植えの場合は、鉢に鉢底石を敷いて、1/3まで土を入れます。
そこに苗を置き、まわりに土を入れていきます。
そしてたっぷり水を与えてください。

鉢植えの場合、根詰まりを防止するため、2~3年に一度、レンギョウの生長に合わせて一回り大きな鉢に植え替えをしましょう。

剪定・切り戻し・収穫

12月から3月に、徒長した枝や混みあったり絡みあったりしている枝を剪定します。
花後の、5月にも軽い剪定を行って、少し風通しを良くしておきましょう。

ふやし方

レンギョウは挿し木でふやすことができます。
2月~4月ごろ、前年枝を10cm~15cmくらいの長さを切り取り、赤玉土などに挿します。
日当たりの良い場所に置き、頻繁に水やりを行いましょう。

気を付けるべき病気・害虫

レンギョウは、病害虫に強い丈夫な植物ですが、梅雨時にうどんこ病にかかることがあります。
また、春から夏の間にカイガラムシがつくことがあります。

殺虫剤・殺菌剤

病気を防ぐため、5月の剪定時に、混みあった部分を切り取って風通しをよくしましょう。
もし病気を発見したら、その枝は切り取ってしまいましょう。

カイガラムシは、発見し次第、古い歯ブラシ等でこそげ落とします。