ドウダンツツジは、春には美しい新緑と白いかわいらしい花をつけ、秋には真っ赤な紅葉を楽しむことができる人気の庭木です。
高さが1~2mほどにしか生長しない点や暑さや寒さにも強いこと、そして病害虫からの被害が少ないこともあり、初心者でも育てやすい低木の一つです。
お庭にあると季節を感じられますし、春や秋に枝を切り取って生け花や花瓶に挿したりしても素敵です。
生垣や公園樹にもよく用いられています。
今回は、昔から人気のあるドウダンツツジの特徴や育て方をご紹介します。
ドウダンツツジの基本情報
学名 | Enkianthus perulatus |
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英名 | Japanese enkianthus |
その他別名 | 灯台躑躅(ドウダンツツジ)・満天星躑躅(ドウダンツツジ) |
科名 | ツツジ科 |
属名 | ドウダンツツジ属 |
原産地 | 日本 |
ドウダンツツジの特徴
ドウダンツツジは、落葉性の低木で、日本原産の植物です。
本州、四国、九州などの温暖な地域に特に自生しています。
花期は、春頃で、新緑が出てから約1週間して、下向きに開く白い花をつけます。
釣り鐘のような、壺のような形状の小さな花で、スズランの花にも似ています。
ドウダンツツジの和名の漢字は2通りあります。
本来は、灯台躑躅と書きます。
枝分かれする様が、電気のなかった時代に明かりに用いられた結び灯台の脚部と形が似ているということから「トウダイ」ツツジとなり、そこから転じて「ドウダンツツジ」と呼ばれるようになったようです。
その後、ドウダンツツジが小さく白い花をたくさんつける様が満点の星空のようだ、ということから、満点星躑躅と書いてドウダンツツジと読ませるようにもなりました。
ドウダンツツジの種類
ドウダンツツジにはさまざまな種類があります。
ドウダンツツジ
通常のドウダンツツジで、春に白い小花を咲かせます。
サラサドウダン
通常のドウダンツツジとは少し花の形が異なり、膨らみが少なく花の先のほうに、薄い紅色の筋が縦に入っている品種です。
ベニサラサドウダン
サラサドウダンの一種で、紅色の花を咲かせます。
ベニドウダンツツジ
朱色を帯びた紅色の花を咲かせる品種です。
ホンコンドウダン
ドウダンツツジは落葉性ですが、ホンコンドウダンツツジは中国原産の常緑性の低木です。
花はドウダンツツジより大き目で、赤みを帯びた花がとてもきれいです。
ドウダンツツジの栽培・育て方
基本的に、日当たりの良い場所に植えると枝ぶりが良くなり花もたくさんつけてくれます。
耐寒性、耐暑性ともに高く手間のかからない植物です。
ただ、夏の間の強い西日は避けた方が良いので鉢植えの場合は、明るい半日陰に置いてあげると良いでしょう。
またツツジ科全般の特徴として、根が浅く乾燥に弱いため、乾燥が続く時期は葉に水を与えてあげると良いでしょう。
ドウダンツツジの育て方情報
分類・形態 | 落葉低木・庭木・広葉樹 |
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草丈・樹高 | 1~2m |
開花の時期 | 4月~5月 |
花色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 生垣向き・初心者でも育てやすい |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 3月~4月・11月~1月初旬 |
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植え替え | 3月~4月・11月~1月初旬 |
剪定 | 5月~6月・11月~12月 |
肥料 | 2月~3月・5月下旬 |
開花 | 4月~5月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
基本的に日光を好むので、日当たりの良い場所に植える、もしくは鉢植えを置きます。
鉢植えの場合、夏の西日が当たらないよう、明るい半日陰に移動しましょう。
水やり
鉢植えで育てる場合は、土の表面を触って乾いていたら、たっぷりと水やりをします。
花芽ができる夏の時期に乾燥してしまうと、翌年の花付きに影響してしまいますので夏の時期だけは水切れに十分注意してください。
適宜、乾いていたら水をあげ、ときに、葉の表と裏に水をかけてあげると良いでしょう。
冬場は、すこし乾燥しているくらいでちょうどよいです。
地植えの場合は、自然に任せておいて大丈夫ですが、夏場の乾燥した時期は朝または夕方に水を与えてください。
用土
水はけがよく肥沃な土地を好みます。
市販の草花用培養土でも十分育ちます。
肥料
2月~3月に寒肥、花後にお礼肥えとして肥料を施します。
寒肥は有機質の肥料、油かすや骨粉などを与え、お礼肥えには緩効性化成肥料を与えます。
ドウダンツツジを育てるときのポイント
選び方
ドウダンツツジを選ぶ際には、枝がなるべく太めで真っすぐなものを選びます。
葉は、一枚一枚がなるべき大きいもの、色も濃く元気なものを選ぶと良いでしょう。
植え付け・植え替え
植え付け、植え替えともに、3月から4月、落葉期に行います。
鉢植えは2年ごとに植え替えを行うことをお勧めします。
剪定・切り戻し・収穫
花後の5~6月に、剪定を行います。
初夏から夏に、翌年の春に咲く花芽をつけるので今年の花が枯れたらすぐに剪定をすると翌年も花付きが期待できます。
込み合った枝、間延びした枝、枯れてしまった枝などを切って、風通しをよくしてあげます。
ふやし方
ドウダンツツジは、挿し木でふやします。
春に芽が出た新しい枝のうち、比較的太めなものを選び、ハサミで根元で切って挿し穂にします。
気を付けるべき病気・害虫
ドウダンツツジは丈夫で、病害虫の被害も特にありません。
空気の乾燥が続く場合、ハダニの被害に注意が必要です。
殺虫剤・殺菌剤
ハダニは乾燥に強く、水に弱いので葉の表裏に水をスプレーする(葉水)と良いでしょう。
または、市販の殺ダニスプレーも効果的です。