明るい日陰で育てよう!ライラックの育て方・剪定方法【鉢植え・地植えのコツ】

春になると、紫やピンクのかわいい花を咲かせるライラック。

耐寒性が優れているライラックは、特に冷涼地での代表的な庭木として植栽されています。

中でも、北海道で古くから親しまれており、「さっぽろライラックまつり」が開催されることでも有名で、札幌市のシンボルツリーに指定されています。

また、ライラックの花は優しい甘い芳香があり、香料や香水に使われています。今回はそんなライラックの特徴や栽培方法を詳しくご紹介します。

ライラックの基本情報

学名Syringa vulgaris
英名Lilac
その他別名リラ(フランス語)、紫丁香花(ムラサキハシドイ)
科名 モクセイ科
属名ハシドイ属
原産地ヨーロッパ南東部

ライラックの特徴

ライラックは、ヨーロッパ原産の、モクセイ科ハシドイ属の落葉樹です。

フランス語ではリラ、和名はムラサキハシドイ(紫丁香花)といいます。

樹高は、小さいもので1m、大きいもので6mに育つことがあります。

花色は、紫色、白、赤、青、ピンクなどがあります。

花期は4~5月で、一度咲くと長く楽しめるので、人気のある庭木の一つです。

花の形に特徴があり、枝先に小さい花をいくつも付け、房のようになっています。

その花には芳香があり、通常は観賞用ですが、実は花を食べることもできます。

花形がかわいらしいので、ドリンクやフルーツサラダにトッピングしても素敵ですね。

ライラックの種類

ライラックにはさまざまな品種が存在します。その中でも代表的な種類をご紹介します。

ハシドイ

日本原産のライラック。開花時期は遅く、6月~7月。白色~クリーム色の花を咲かせます。

ヒメライラック


樹高は1mほどで、育てやすく、庭木として人気の品種です。

ペルシャライラック

開花時期は4月~6月。花色は、紫色、ピンク色、白色があります。

マダムレモイネ

フランスで品種改良され、背丈が4m近くに大きく生長する品種です。八重咲の白い花を咲かせます。

アルバ

早咲きの品種で、白い花を咲かせます。

ルブラ

赤紫色の花をつけます。

ライラックの栽培・育て方

ライラックは、涼しい気候を好むため、日本では東北、北海道、本州では高原地が適しています。

それ以外の地域では、夏の暑さに弱いライラックは育てるのが難しくなります。

その場合は、鉢植えで育て、夏場は西日を避け、明るい日陰に移動させるなどの工夫が必要です。

ライラックの育て方情報

分類・形態落葉低木/庭木/高木
草丈・樹高1.5~6m
開花の時期4月~5月
花色白、赤、紫、青
耐寒性強い
耐暑性やや弱い
特性・用途落葉性、開花期が長い、耐寒性が強い
栽培難易度やや難しい

栽培スケジュール

植え付け11月~3月
植え替え11月~3月
剪定11月~3月
肥料3月、6月
開花4月~5月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・夏の置き場所は明るい日陰に

ライラックの置き場所

ライラックは、日当たりの良い場所で育てます。

十分に日光が当たらない場合、花付きが悪くなってしまいます。

耐寒性が強いので、冬越しの心配はいりません。

西日を嫌うので、なるべく午後は日陰になる場所で育てましょう。

また、夏場は直射日光を避け、明るい日陰に移動させる必要があります。

水やり

地植えの場合は、定植時にたっぷりと水やりをし、それ以降は降雨でほとんど十分です。

ただ、夏場や土がひどく乾燥している場合は適宜水やりを行ってください。

鉢植えの場合は、土の表面が白っぽく乾いたら水やりします。

用土

ライラックは、それほど土を選びません。水はけがよければ大丈夫です。赤玉土と腐葉土を混ぜた土、もしくは市販の草花用培養土で問題ありません。

肥料

肥料をそれほど必要としませんが、3月に一度、花後の6月に一度、緩行性化成肥料を与えます。

ライラックを育てるときのポイント

選び方

ライラックの選び方

ライラックの苗を選ぶときは、幹がどっしりしていて、葉がすべてきれいな緑色をしているものを選びましょう。

ライラックの植え付け・植え替え

植え付け、植え替えはともに11月~3月に行います。

暖かい地域の場合は西日が当たらない、少し日陰になる場所に植えるといいでしょう。

鉢植えの場合は、2~3年に1度、植え替えが必要です。

冷涼地では、寒い時期を避け、春か秋に植え替えを行ってください。

ライラックの剪定方法

ライラックの剪定

剪定はそれほど必要としませんが、込み合った枝や、間延びした枝、枯れた枝などを剪定してください。

暖地ではほとんど剪定は不要です。

行う際は、開花が終わった休眠期に入る前がよいため、5~6月ごろがおすすめです。

ライラックの剪定の時に気を付けるポイント

剪定する時は枝を切り過ぎないように注意しましょう。

咲き終わった花を剪定する場合は、花のすぐ下の部分から切り落としてください。

必要以上に剪定し過ぎてしまうと枝が弱くなり、植物への負担も大きくなるため、枯れてしまう恐れもあります。

ライラックの成長が止まってしまわないように、慎重に剪定することを心がけましょう。

ライラックの増やし方

ライラックは、さし木、接ぎ木、種まき、株分けなどで増やすことができます。

一般的なのは、さし木です。

花後に、枝を10㎝ほど切って、切り口を斜めにカットします。

それを1時間以上水につけておき、鉢に植えます。

その鉢は根が育つまで明るめの日陰で保管してください。

そのあと希望の場所に植え付けます。

気を付けるべき病気・害虫

暖かい地域では、葉に粉をまぶしたようになってしまう、うどんこ病にかかることがあります。

また、アブラムシ、カイガラムシがつくことがあります。

殺虫剤・殺菌剤

うどんこ病にはベニカDX、ベニカX ファインスプレーなどが効果的です。

カイガラムシは発見し次第、古歯ブラシ等でこそげ落とします。

市販のオルトランDX等のスプレーも効果的です。

アブラムシには、ベニカベジフルスプレーなどが効果的です。