繰り返し咲く!四季咲きのミニバラを育ててみよう【栽培のコツ、種類を紹介】

小ぶりながらも美しい花を咲かせるミニバラ。

四季咲きのものが多く、次々と咲く花を長い期間楽しめます。

手入れも比較的簡単ですので、コンパクトなサイズを活かして鉢植えや寄せ植えにし、気軽に育ててみましょう。

ミニバラの基本情報

学名Rosa hybrida
英名Miniature rose
その他別名ミニチュア・ローズ
科名バラ科
属名バラ属
原産地アジア・ヨーロッパ・中近東・北アメリカ・アフリカの一部

ミニバラの特徴

株全体がコンパクトにまとまり、小~中輪の花を咲かせるミニバラ。

他のバラに比べて繰り返し咲く周期が短いものが多く、春から秋まで、次々と花を咲かせます。

芳香は控えめな品種が多いですが、花色や花の形がバリエーション豊富で、可愛らしく華やかな雰囲気をしっかり楽しめます。
樹高が低いので、他の植物と組み合わせてコンテナに植え、ちょっと豪華な寄せ植えとして楽しむのもいいでしょう。

バラ、というと手入れが難しそうなイメージがありますが、ミニバラの場合は他の草木とあまり変わらず、初心者でも比較的管理が簡単です。

病気に少しだけ注意しながら育てましょう。
バラに憧れはあるけれど、大きな苗を育てるのに自信がない、スペースがあまりない、といった人にミニバラはぴったりです。

ベランダやテラスの鉢植えとして、気負わず挑戦してみましょう。

ミニバラの種類

ミニバラには沢山の種類があります。
初心者は、病気に耐性のある品種を選びましょう。

以下に代表的なものをご紹介します。

グリーン・アイス

花径2㎝ほどのロゼットポンポン咲きです。

咲き始めは白、次第に緑色がさしてきます。

花つきと花もちが良いのが特徴です。

枝はしなやかで、やや下に垂れ下がり、鉢植え、花壇の縁取り、ハンギングに適しています。
黒星病に強い、初心者向きの品種です。

八女津姫(ヤメツヒメ、別名レンゲ・ローズ)

花径2㎝程度の、レンゲのような形の花が咲きます。
細い枝と小ぶりな葉で、花つきと花もちがよく、繰り返し咲きます。

ハダニにやや弱いですが、黒星病とうどんこ病に強く、初心者向きの品種です。

リトル・アーチスト

赤い花びらで中央が白く、半八重咲きです。

花つきがよく、四季咲き性で次々と咲きます。

黒星病とうどんこ病に耐性があります。

ミセス・カズコ

極小輪のロゼット咲きで、こんもりとした株に花が咲きます。
最も小型の品種のひとつになり、庭植えには向きません。

ハダニには弱いですが、黒星病とうどんこ病には強いです。

花便り

ピンク色の花びらに中心が白い一重咲きです。
花つきと花もちがよく、やや遅咲きですが、繰り返し次々と咲きます。

ややハダニに弱いですが、黒星病とうどんこ病に強く、初心者向きの品種です。

スイート・チャリオット

花径3㎝程度の小さな花ながら、沢山の花びらがポンポンのように集まって咲きます。

しなやかな細い枝が伸びて、株が充実すると枝垂れて房咲きになります。

マジック・キャローセル

白地にローズピンクの覆輪が入り、半剣弁高芯咲きの花が咲きます。
花つきがよく、次々に開花します。

株は、比較的丈が大きく育ちます。

テディ・ベア

花径4㎝程度で、半剣弁咲きです。

ふっくらした花は最初茶色がかったアンティークカラーで、開花と共に色褪せて明るくなります。
花つきがとてもよく、早咲きで次々と開花します。

切り花にも利用されます。

リトル・マーベル

花径4㎝程度、花は最初剣弁咲きで、開くにつれてロゼットポンポン咲きになります。
ひとつの花の開花期間が長く、しかも次から次へと開花します。

ミニバラとしては高さ40㎝程度と高性です。

レインボーズ・エンド

花径4㎝程度で、半剣弁咲き。

花は黄色で、花弁の縁に虹色がかかり美しいです。
四季咲きで、葉は小型、濃い緑色で光沢があります。

オーバーナイト・センセーション

紫色を帯びた濃いピンクの花で、強い香りがあります。
株全体が大ぶりで、花径は6cmほどになります。

やや耐寒性が弱く、寒冷地では保護が必要です。

ストレンジ・ミュージック

白と赤のストライプの花色で、ロゼット咲きです。

花つきと花もちがよく、蕾にモス(綿毛)があります。

株はコンパクトで、やや耐寒性が弱いので、寒冷地では保護が必要でしょう。

モカフェローズ

花径3~4㎝程度と、他のミニバラに比べて少し大きめの花が咲きます。

オレンジがかった色で、しっかりした葉がつきます。

ミス・ピーチ姫

花径2~3㎝程度で、花びらの先が一部とがった形をしています。
やさしいピンクの花は花もちがよく、長く楽しめます。

エスターズ・ベビー

花径4㎝程度で、半八重咲きです。
紫みのあるローズレッドで、花弁の付け根が白。

四季咲きで、微香があります。
鉢植え向きです。

ミニバラの栽培・育て方

ミニバラは、日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。

水はけの良い土が適していますので、植え付けの際気を付けます。

黒星病(黒点病)など、バラがかかりやすい病気があるので、日々よく観察し、手入れを行います。

ミニバラの育て方情報

分類・形態庭木・花木・低木
草丈・樹高10~100㎝
開花の時期5月中旬~6月上旬(主な開花期)・5月中旬~11月(繰り返し開花)
花色白・赤・ピンク・オレンジ・黄・紫・茶・黒・緑・複色
耐寒性強い~やや弱い
耐暑性強い~やや弱い(品種による)
特性・用途開花期が長い・花壇・鉢植え
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け1月~6月・9月~12月
植え替え1月~2月・11月~12月
剪定1月~2月・12月
肥料1月~2月中旬・4月~10月・12月
開花5月中旬~11月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりと風通しのよい場所で育てます。

風通しが悪いと、黒星病やうどんこ病が発生しやすくなるので注意しましょう。
夏の強烈な直射日光や急激な温度変化は苦手なので、鉢植えの場合は移動するなど工夫しましょう。

水やり

鉢植えの場合、年間を通して鉢土の表面が乾いたら、たっぷり与えましょう。

庭植えの場合、真夏に雨が少なく、乾燥する時期だけ与えます。
他のバラよりも根の張りが浅いので、庭植えでも乾燥には注意します。

肥料

鉢植えは、肥料を少しずつ、回数多く与えます。
基本的には、月に1回、鉢の縁に固形肥料を置く(置き肥)、さらに液肥を10日に1回くらい与えます。

12月~2月の休眠期は肥料を控えてもよいでしょう。

庭植えの場合、冬と夏、年に2回有機質肥料(骨粉や油かすなど)を元肥えとして与えます。
夏は冬の半分の量でいいでしょう。

追肥は春、花の前後と9月頃、化成肥料を株元に施します。

用土

水はけと水もちが良く、有機質に富んだ土が適しています。
土を配合する場合は、赤玉土(小粒)7~6:堆肥(腐葉土、乾燥牛ふん、バーク堆肥など)3~4の割合にします。

バラ専用の用土が販売されていますので、利用するのもおすすめです。

ミニバラを育てるときのポイント

選び方

花が咲いている鉢植えはほぼ通年売られています。

株全体の様子をよく観察して選びましょう。

  • 新しい枝が伸びているもの
  • 枝数の多いもの
  • 葉の色が濃く枚数が多いもの
  • 病気になっていないもの

上記が元気な苗の証拠です。

植え付け・植え替え

ミニバラは年に何度か花を咲かせます。

購入したときのポットのままでは、養分が足りず成長や花のつきが悪くなりますので、植え替えましょう。

植え替えは、苗よりも一回り大きな鉢に行います。

元肥は用土に混ぜ込まず、置き肥として施します。
年に1回の割合で、12月~2月に鉢替えをしましょう。

植え替えの時は鉢土を崩さないように注意します。

ミニバラは、病気を防ぐために鉢で育てることが多いですが、もちろん地植えもできます。

地植えにする場合は、土を耕し、完全堆肥やピートモスを混ぜ込みます。
一度きちんと根づけば、鉢植えよりも水やりや肥料の回数が少なく、手がかかりません。

剪定・切り戻し

花がら摘み

花が次々と咲きますので、咲き終わったら花がらを摘みましょう。
病気の予防にもなります。

切り戻し

年に数回きれいな花を咲かせるためには切り戻しが重要です。

6月上旬、最初の花がほぼ咲き終えたら、5枚葉より上で枝を切ります。
5枚葉とは、幹からのびる枝のうち、葉が5枚ついている中くらいの枝のことです。

次の花を咲かせる芽はこの5枚葉の付け根付近につきますので、切ってしまわないよう注意します。

咲いている花を切るのは勇気がいりますが、切り取った花は切り花として楽しみましょう。
1か月後にはまた新しい花が咲きます。

剪定

12月~2月頃には全体の剪定を行います。

勢いのなくなった古枝や枯れ枝を元から切り取り、1か所から枝が複数伸びている場合は1~2本に間引きます。

自然な扇形になるよう樹形を整えましょう。
樹高をおさえたいときは強剪定を行います。

全体の2分の程度の高さにまで切り詰めます。
勇気が要りますが、こうすることでバラがしっかり休眠でき、次の開花に向けて体力を蓄えることができるのです。

気を付けるべき病気・害虫

病気

黒星病(くろぼし病)

黒星病(黒点病)は、梅雨時など、雨が多い時期に発生します。

葉に黒い斑点ができて、黄変した後、落葉します。

被害が進行すると株が丸坊主になることもあり、生育が著しく悪くなります。
原因はカビの一種です。
見つけ次第、周辺を含む葉を摘み取ります。

うどんこ病

うどんこ病は、カビによる病気で、葉が白い粉を吹いたようになります。

落葉はしませんが、生育が悪くなり、花がうまく咲かないことがあります。
風通しが悪かったり、湿気が残りやすい場所にあることが原因です。

害虫

アブラムシ

アブラムシは主に春と秋に発生します。
樹液を吸い取られ、新芽や蕾が縮れて成長が妨げられます。

チュウレンジハバチ

チュウレンジハバチは、初夏から秋に発生します。

成虫が産卵したあとは茎が割れてしまい、ふ化した幼虫は葉を食い荒らします。
株が丸坊主になることもあります。

カミキリムシ

カミキリムシは、初夏に成虫が枝をかじって枯らします。
幼虫は夏以降に株元から幹の中心部を食い荒らし、枯らしてしまいます。

ハダニ

ハダニは、乾燥が続くと発生しやすくなります。
葉の表面がかすれたようになります。

新芽が伸びなくなり、葉は落葉してしまいます。

殺虫剤・殺菌剤

黒星病が発生した際の対策として、殺菌剤マイローズスプレーなどが有効です。

予防のためにはベニカXファインスプレーやオーソサイド水和剤(希釈して使用)などを使用しましょう。