毒性あり!エニシダ(金雀枝)の育て方【すぐ枯れる?寿命は?】

エニシダはおもに黄色い花を咲かせるマメ科の低木です。

初夏になると細長い枝の先にたくさんの花をつけ、とても見応えがあります。
あまり大きくならないうえに育てやすいので庭木におすすめです。

ここではエニシダについて、品種や育て方をご紹介します。

エニシダの基本情報

学名Cytisus scoparius
英名Scotch broom
その他別名チョウケイカ(蝶形花)・金雀枝
科名マメ科
属名エニシダ属
原産地北アフリカ・ヨーロッパ・アジア

エニシダの特徴

エニシダはおもに地中海周辺が原産の低木です。

乾燥する地域なので水分の蒸散を防ぐため葉が大きく育たず、代わりに緑色の枝でも光合成ができるという変わった性質を持ちます。

枝はしなやかなのに丈夫で、かつてヨーロッパではほうきの材料に使われていました。
魔女が乗って空を飛ぶほうきもエニシダで作られていたといわれます。

根も束ねてブラシとして使用されていました。
ヨーロッパでは生活に根差した身近な植物といえます。

エニシダは種類が多く25属200種ほどが存在し、それらすべてが総称でエニシダ、英語ではBroomと呼ばれます。
基本の花色は黄色で、種によって常緑性のものと落葉性のものがあります。

花の形が蝶のように見えることから蝶形花(チョウケイカ)とも呼ばれます。

エニシダの種類

エニシダ

常緑性です。
耐寒性、耐暑性とも強いので地植えで育てられ、生垣としても利用されます。

原種は黄花ですが改良によって赤やピンク、オレンジなど数種の花色があります。
複色の改良種もあり、ホオベニ、クチベニなどの名前で流通しています。

ヒメエニシダ

小型の園芸品種で、鉢植えに向いています。

花色は黄色です。
耐寒性がやや弱く5℃を下回ると弱るので、暖地以外では室内での冬越しをおすすめします。

シロバナエニシダ

耐寒性が強く強健な白花種です。
落葉します。

エニシダの栽培・育て方

エニシダは乾燥したやせ地が原産のため、しっかり根付いた後は管理の手間がかかりません。

日当たりと水はけのよい場所なら元気に花を咲かせてくれます。
もともと寿命の短い樹木なので、適切に管理していても10年ほどで枯れてしまいます。

しかし種まきや挿し木で次の世代を育てることができるので、長く楽しめます。

エニシダの育て方情報

分類・形態庭木・花木・低木
草丈・樹高2m~3m
開花の時期5月~6月
花色黄・白・複色
耐寒性強い
耐暑性強い
特性・用途初心者でも育てやすい・毒性がある
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け3月~4月
植え替え3月~4月
剪定6月~7月
肥料2月~3月
開花5月~6月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりと水はけのよい場所を好みます。
日当たりが少ないと花が付きにくくなります。

また湿気に弱く、根腐れを起こしやすいので水はけの悪い土ではよく育ちません。

強い風の当たる場所だと根元から倒れてしまうことがあります。
いちど抜けるとなかなか根付かないので、極力風の当たらない場所を選びましょう。

風の強い地域では風よけや支柱などの対策がおすすめです。

水やり

根張りがきちんとしていれば乾燥に強い植物です。

地植えのものはよほど乾燥しない限り水やりの必要はありません。
鉢植えは表土が乾いたらたっぷり水やりします。

冬季は休眠するので乾かし気味に保ちましょう。

ただし、根がきちんと張るまでには2年ほどかかります。
そのあいだは水切れに注意しましょう。

肥料

やせた土地でも育つので、冬に油かすなどの有機肥料を少量施すだけで十分です。

鉢植えのものは花後に緩効性の肥料を置き肥します。

用土

水はけのよい土であれば土質に関係なく育ちます。
鉢植えは市販の培養土で問題ありません。

温度

原種は耐暑性、耐寒性とも強いですが、交配品種には耐寒性の弱いものもあります。

エニシダを育てるときのポイント

選び方

幹がしっかりしていて、花芽の多いものを選びましょう。
種類が多く品種によって特性に差があるので品種がはっきりしているものがよいです。

種まき

花のあと、10月ごろに実が黒く熟したら種を取り出し保管しておき、翌年3月~4月に種まきをします。
鉢やポットに点蒔きし、薄く覆土します。

発芽までは水を切らさないようにしましょう。

移植を嫌うので、本葉が出てきたら早めに植え付けます。
開花までは3年ほどかかります。

植え付け

3月中旬~4月が適期です。

根が傷みやすく移植を嫌うので、根鉢を崩さないよう注意して植え付けます。
根鉢の3倍ほどの穴を掘り、水はけ改善のために腐葉土などをすきこみましょう。

連作障害があるので、次の代を植えるときは場所を変えましょう。

植え替え

移植を嫌うので、植え替えの必要はありません。

剪定

花が咲き終わるころにおこないましょう。

夏ごろから翌年の花芽ができるので、剪定が遅いと翌年の花つきに影響します。
混みあっている枝を間引くか、長すぎる枝を切り整える程度にしましょう。

強剪定は株を弱らせます。枝は途中から切るとその枝が枯れてしまうので、根元から切るようにします。

ふやし方

挿し木と種まきでふやせます。

挿し木は3月~4月に前年の枝、6月~7月に新梢を使用しておこないます。
10cmほど切り取った枝を水揚げし、挿し木用の用土などに挿します。

根が張るまでは半日蔭で管理し、水切れさせないようにしましょう。

気を付けるべき病気・害虫

病気はあまりありませんが、コガネムシがつくことがあります。
葉を食べてしまうので薬剤で駆除しましょう。

殺虫剤・殺菌剤

フェンプロパトリン等が有効です。