
淡いクリーム色がかわいらしいモッコウバラ。
花言葉は、そのかわいらしさから、「初恋」「純潔」「素朴な美」などが付けられています。
その花言葉の通りに、高貴で豪華なバラというよりは、素朴で親しみのあるバラというイメージがあります。
バラの原種の一つであるため、非常に強く、ほうっておいてもきれいに咲いてくれるのでガーデニング初心者にも人気があります。
強健で扱いやすく華やかなモッコウバラ、ぜひお庭に取り入れてみてはいかがでしょうか。
モッコウバラの基本情報
学名 | Rosa banksiae |
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英名 | Banksia rose |
その他別名 | 木香薔薇(モッコウバラ) |
科名 | バラ科 |
属名 | バラ属 |
原産地 | 中国西南部 |
モッコウバラの特徴
モッコウバラは、バラ科バラ属の中国原産の常緑低木で、ほかのバラに先駆けて春(4月~5月)に開花する一季咲きのバラです。
バラというと手間がかかり育てるのが難しいイメージがありますが、モッコウバラは病害虫からの被害が少なく育てやすいことで知られています。
花の大きさは2、3㎝ほどの小さ目で、房のように花を咲かせます。
色は白色と黄色(クリーム色)があり、咲き方も一重咲きと八重咲きがあります。
また、生育が旺盛で、10mほどの高さに生長することもあります。
通常、バラは枝にトゲがありますが、モッコウバラは枝がツルツルしていてトゲがありません。
そのため、いろいろな場所に誘引して形を作りやすく、フェンスやドア周り、庭園でのアーチなどによく用いられています。
モッコウバラの種類
モッコウバラには、白い花のもの、黄色い花のもの、一重咲きのもの、八重咲のものがあります。
すなわち、大きく分けて4種類のモッコウバラがあります。
八重咲きのキモッコウバラ(黄モッコウバラ)
黄色い八重咲の花をつけ、枝にトゲがありません。
一般的に、モッコウバラというと、黄色い八重咲の花を咲かせるものを指します。
「キモッコウバラ」とも呼ばれます。
こちらは花にほとんど香りがありません。
代表的なものに、「ロサ・バンクシアエ・ルテア」があります。
一重咲きのキモッコウバラ(黄モッコウバラ)
「ロサ・バンクシアエ・ルテスケンス」という品種に代表される、黄色い花をつける一重咲きのタイプです。
枝にトゲがあり、ふわっとした微香があります。
白花の一重咲きモッコウバラ
「ロサ・バンクシアエ・アルバ」という品種に代表される、白い花をつける一重咲きのタイプです。
一般的には手に入りにくい種類です。
白色の品種は黄モッコウバラよりも、香りが強く甘い香りを放ちます。
白花の八重咲きモッコウバラ
「ロサ・バンクシアエ・ノルマリス」という品種に代表される、白い花をつける八重咲きのタイプです。
白色の品種は黄モッコウバラよりも、香りが強く、甘い香りを放ちます。
モッコウバラの栽培・育て方
モッコウバラは日当たりのよい広めのスペースさえあれば、それほど手入れの必要もありません。
大きく生長し、お庭を華やかに飾る庭木として最高のバラです。
耐寒性・耐暑性ともに優れており、地植えでも鉢植えでも、問題なく育てることができます。
以下に育て方をそれぞれ詳しく説明します。
モッコウバラの育て方情報
分類・形態 | 常緑低木・庭木・つる性 |
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草丈・樹高 | 2~10m |
開花の時期 | 4~5月 |
花色 | 白・黄 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 庭木・アーチ・フェンス |
栽培難易度 | やや難しい |
栽培スケジュール
植え付け | 10~11月 |
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植え替え | 10~11月 |
剪定 | 6~7月 |
肥料 | 6~8月 |
開花 | 4~5月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
日当たりが良く、風通しが良い場所を確保します。
耐暑性も耐寒性も強いため、冬場も問題ありません。
水やり
地植えの場合は、水やりをしなくても大丈夫ですが乾燥が続く夏の時期は、比較的涼しい時間帯にたっぷりと水を与えてください。
鉢植えの場合は、基本的に土の表面が乾いてきたら鉢の底から水が流れるくらい、たっぷりとあげてください。
用土
水はけが良く、保水性が高い土が最適です。
腐葉土と赤玉土を混ぜた用土や、バラ専用の土が市販されていますのでそちらを使っても良いでしょう。
肥料
モッコウバラは、肥料を与えすぎると花が咲かない原因になることがあり注意が必要です。
花が咲き終わった夏ごろに緩効性肥料を施します。
モッコウバラを育てるときのポイント
選び方
葉がふさふさとついており、艶やかで虫食いのないものを選びます。
植え付け・植え替え
植え付け、植え替えともに、10月~11月が適期です。
地植えの場合は日当りがよく水はけの良い場所に植え付け、たっぷり水を与えます。
モッコウバラの生長は旺盛で、特に夏の間にぐんぐん伸びます。
夏前に誘引のための道具(アーチなど)をそろえておくと良いでしょう。
鉢植えの場合は、大き目の鉢を用意し、植え付けた後にたっぷり水を与えます。
また、つる性のバラですので、枝が伸びてきたときのために支柱を立てておくと良いでしょう。
根詰まりを防ぐために、大きくなってきたら数年に一回、より大きい鉢に替えてあげてください。
剪定・切り戻し・収穫
モッコウバラの剪定時期は育て方の大きなポイントとなります。
モッコウバラは、翌年の春に咲かせる芽を、夏にかけて作るので、花が咲き終わったらすぐに剪定をすることが重要です。
モッコウバラは4月中旬から咲き始めるので、6月には剪定を終わらせると良いでしょう。
夏以降に剪定をすると、せっかくついた花芽を切り取ってしまう危険性があるためです。
ふやし方
モッコウバラは主に挿し木でふやします。
花後に、枝を10㎝ほど切って、切り口を斜めにカットします。
それを1時間以上水につけておき、鉢に植えます。
その鉢は、根が育つまで、明るめの日陰で保管してください。
そのあと、希望の場所に植え付けます。
気を付けるべき病気・害虫
モッコウバラは、丈夫で病害虫で悩まされることは少ないですがまれにハダニがつくことがあります。
込み合った枝を剪定して風通しをよくする必要があります。
殺虫剤・殺菌剤
ハダニは乾燥に強く、水に弱いので葉の表裏に水をスプレーする(葉水)と良いでしょう。
または、市販の殺ダニスプレーも効果的です。