
秋になると1㎝ほどの小さい真っ赤な実を付けるコケモモは、クランベリーやラズベリーとよく似ていますが、種類は異なります。
あまり市場には出回っておらず日本では手に入りにくいですが、栄養が豊富でダイエットにも効果があり、スーパーフードとも言われています。
高温多湿に弱いので日本で地植えは難しいですが、鉢上で育てることができます。
そんなコケモモの種類や育て方についてご紹介します。
コケモモの基本情報
学名 | Vaccinium vitis-idaea |
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英名 | Cowberry・Lingonberry |
その他別名 | リンゴベリー |
科名 | ツツジ科 |
属名 | スノキ属 |
原産地 | ユーラシア北部・北アメリカ |
コケモモの特徴
コケモモは英語でリンゴベリーやカウベリーなどと呼ばれますが、その他にも25種類ほどの多くの呼び名があります。
日本でのコケモモの名前の由来は、樹木の高さが10~40㎝と低く、地面を這うように成長する姿から苔と例えられ、また丸く赤い実は桃のようだということで「苔桃」という名前がついたと言われています。
コケモモの花言葉
花言葉に関しては-40度の寒さにも耐えることができるという、耐寒性の強さから反抗心やくじけないというネガティブな言葉が付けられました。
その一方で鐘形のピンクの可愛らしい花を咲かせる様子から「幼い心」という花言葉も付けられたととも言われています。
コケモモの栄養素・食べ方
またコケモモは栄養が豊富で、特にαアルブチンという成分がスキンケア商品などにも使われています。
食品としては生で食べることはあまりなく、ジャムなどに加工して食べるのが一般的とされています。
同じベリーであるビルベリーよりはアントシアニンの量は劣りますが、それでもビタミンやポリフェノールが豊富に含まれています。
健康に良いということでアメリカやヨーロッパではスーパーベリーと呼ばれて販売されているほどです。
コケモモの種類
ツルコケモモ(クランベリー)
同じツツジ科スノキ属であり非常に近い種類の植物です。
樹木の形態や赤い実がなることもよく似ていますが、コケモモが這うように枝葉を伸ばしていくのに対して、ツルコケモモは枝葉を伸ばして成長していくという違いがあります。
また花の形もコケモモは釣鐘型の花を咲かせるのに対して、ツルコケモモは花弁を後ろに反り返るように花を咲かせるという違いがあります。
実の栄養価はコケモモの方が栄養の種類や量がやや豊富です。
コケモモの栽培・育て方
寒さには強いですが、高温多湿に弱いので初心者の方は鉢植えから初めてみましょう。
酸性土壌を好みますので、環境を整えて日当たりのいい場所で育てることがポイントです。
しっかり根付いたらさほど管理は必要ではないので初心者の方でも育てやすい種類です。
コケモモの育て方情報
分類・形態 | 果樹・花木・低木 |
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草丈・樹高 | 10~40㎝程度 |
開花の時期 | 6月~7月 |
花色 | 白・ピンク |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 常緑性・耐寒性に強い |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 2月~3月 |
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植え替え | 2月~3月 |
開花 | 6月~7月 |
収穫 | 9月~10月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
真夏は風通しのよく午後から日陰になる場所がいいでしょう。
冬は日当たりのいい場所で管理します。
水やり
土が過湿状態になるのを嫌うので、水のやりすぎは注意ですが乾燥させすぎないことも大切です。
土表面が乾燥してきたらたっぷりと水をあげるようにしましょう。
真夏は涼しい朝方と夕方の2回水やりをおこないましょう。
肥料
痩せた土で良く育つので基本肥料は必要ありません。
もし生育状態が悪いと感じたら3~5月か9~11月に月一回薄めた液体肥料をあげましょう。
用土
酸性土壌で水はけと水持ちのバランスのいい土を好みます。
市販のブルーベリー用培養土か水苔がおすすめです。
温度
高温多湿が苦手なので注意しましょう。
コケモモを育てるときのポイント
選び方
苗から購入して育てることが一般的です。
葉がよく茂っていて枝の広がりがいいものがおすすめです。
植え付け・植え替え
2~3月の春ごろに植え付けを行うと苗の負担が少なくなります。
苗によく洗った水苔を根元にまくか、酸性の水はけ・水持ちのいい土に植え付けましょう。
植え替えは鉢の場合は3~4年に1度は植え替えをおこないましょう。
一回り大きめの鉢に植え替えをして、その後たっぷり水をあげましょう。
剪定
特に必要はありませんが、枝が広がりすぎたら先端の数㎝切り取って形を整えましょう。
増やし方
春に伸びた新芽を使って、6月頃挿し木で増やすことができます。
枝を10㎝程度切取り、活力剤を薄めた液に1時間ほどつけて赤玉土など清潔な土に挿します。
根が十分に生えてきたところで、鉢に植え替えましょう。
収穫
9~10月頃に1㎝ほどの大きさで真っ赤に熟したら収穫しましょう。
生食には向いていませんので、ジャムやジュースにするなど加工してから食べましょう。
気を付けるべき病気・害虫
特に目立った病気や害虫などはありません。
殺虫剤・殺菌剤
特にありません。