クリーピングタイムの育て方のコツ【料理やグランドカバーにおすすめ!】

沢山の種類があるタイムの中で、クリーピングタイムは地面を這うようにして育つ(ほふく性)タイプの代表的なものです。
とても丈夫な性質をもち、どんどん生え広がっていきます。

クリーピングタイムの葉は、触れるととても良い香りがします。

春には株全体を覆うように小さな可愛らしい花が咲きこぼれ、その姿はまるでピンクの絨毯のよう。
香りも花も魅力的なこのクリーピングタイム、育てるのに比較的手はかかりません。

植え方や育て方のポイントを紹介しますので、初心者の方でも気軽に栽培に挑戦してみましょう。

クリーピングタイムの基本情報

学名Thymus serpyllum
英名Creeping Thyme
その他別名ワイルドタイム・ヨウシュイブキジャコウソウ
科名シソ科
属名イブキジャコウソウ属
原産地ヨーロッパ・北アフリカ

クリーピングタイムの特徴

クリーピングタイムは繁殖力がとても旺盛です。

寒さや暑さ、水やりにもさほど気を遣う必要がない丈夫さをもっていて、食用よりも観賞用、またグランドカバーとしてよく利用されます。

グランドカバーとは、文字通り「地面を覆うように」育つ植物のこと。
余計な雑草が生えるのを防ぐ役割を果たします。

強くて可愛いクリーピングタイムは、まさに優秀なグランドカバーと言えるでしょう。

クリーピングタイムの花言葉は「勇気」と「活動力」。
その言葉のイメージ通り、このタイムの葉の香りは、気分を明るく・前向きにしてくれる、とても清々しいものです。

クリーピングタイムの種類

シソ科のハーブであるタイムは種類が多く、350種を超えると言われています。
立ち上がって上に伸びる立性のものと、這うように育つほふく性のものに分かれます。

コモンタイム(立ち上がって伸びるタイム)

一般的にタイムと言われるのはこのコモンタイムのことで、様々な品種があります。

春から初夏に小さな花を咲かせます。
肉の臭み消しなど、料理に使われることも多いです。

タイムを食材として利用する際は、品種名と利用用途(食用かどうか)がきちんと書かれている苗を選びましょう。

クリーピングタイム(這うように育つタイム)

地面を這うように育つタイム。

クリーピングタイムの他にも、ロンギカウリスやフォックスリータイム、ドーンバレータイムなどがあります。

最近出たレイタータイムという品種は、グランドカバー用に改良されたもので、成長が早く、踏みしめにも強いです。

クリーピングタイムの栽培・育て方

クリーピングタイムは、主に苗を購入して植えます。

購入時は下葉が痛んでいるものを避け、日当たりと風通しの良い場所に植えましょう。
暑さや寒さに比較的強いので、あまり手がかかりません。

繁殖力が旺盛なので、思いの他、広がって生えてしまう場合があります。
必要ない部分は、適宜切り戻しを行いましょう。

クリーピングタイムの育て方情報

分類・形態ハーブ・常緑小低木(亜低木)
草丈・樹高5~15cm
開花の時期4月~6月
花色ピンク・白・淡紫
耐寒性やや強い
耐暑性やや強い
特性・用途常緑性・花壇・鉢・グランドカバー
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け3月~6月・9月~11月
植え替え3月~6月・9月~11月
剪定随時・梅雨の前
肥料4~5月
開花4月~6月
収穫葉は年中

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

クリーピングタイムは、日当たりと風通しのよい場所で育てます。

鉢植え・地植えいずれでもかまいません。

寒さや暑さに強いですが、湿気や霜、冷たい風は苦手なので、鉢植えの場合は、冬の間風が当たりにくい場所で管理した方が良いでしょう。

地植えにする際は、環境が合うと、予想以上に増え広がることがあるので、注意しましょう。

水やり

クリーピングタイムは水やりをし過ぎると湿気で根が腐ってしまいます。

できるだけ乾燥気味に育てましょう。

鉢植えの場合は、土が乾いたら水やりします。
冬場は回数を減らし、土の表面が乾いたら2~3日おいて水やりする程度で大丈夫です。

地植えのときは、根付くまで水やりが必要ですが、根付いた後は必要ありません。

肥料

植え付けする際に、土にゆっくり効くタイプ(緩効性)の、粒状の肥料を入れます。
もともと荒地に自生する植物なので、あまり肥料は必要ありません。

追肥する場合は4月~6月、花が咲く前に与えます。

用土

鉢植えする場合は、ハーブ用の培養土を利用しましょう。

地植えの場合、湿気を嫌うので、水はけの良い土を選びます。
酸性土壌が苦手なので、苦土石灰をまくなどして土壌の調整をします。

温度

寒さには比較的強いので、関東以南の地域では、防寒対策は特に必要ありません。

降雪する地域などで地上部が枯れてしまうこともありますが、春になるとまた芽を出します。

クリーピングタイムを育てるときのポイント

選び方

葉の色つやが良く、元気なものを選びます。
下葉が蒸れて枯れ気味のものは避けましょう。

植え付け・植え替え

日当たりが良く、風通しのよい場所を選びましょう。

春と秋が植え付け・植え替えに適しています。
植え付けは、根の部分を傷つけないように注意しつつ、ほぐしてから植えます。

株が混み合ってきたら、株分けを兼ねて一回り大きな鉢や別の土に植え替えます。
鉢の場合は根鉢を崩し、枯れた茎や葉を取り除いたら、根を傷つけないようにやさしく植え替えます。

植え付け後には鉢底から水がでるぐらい、たっぷり水をやりましょう。

剪定・切り戻し

増えす過ぎたら随時、切り戻しをします。

加湿を嫌うので、株元が蒸れてきた時や、梅雨の前に思い切ってばっさり切り戻し、風通しを良くしましょう。

ふやし方

株分け、挿し木、種まき、茎伏せでふやすことができます。

4月~6月、9月~11月が適しています。

クリーピングタイムは土に触れている茎から根を出して増える性質があるので、枝の一部を土に埋めて根をださせる「茎伏せ」で簡単にふやせます。

収穫

葉がある期間、常に収穫できます。
花が咲くと葉の香りが弱くなるので、咲く前の収穫がおすすめです。

気を付けるべき病気・害虫

クリーピングタイムは、害虫の心配はほとんどありません。

病気や害虫に強いことから、虫よけ用のコンパニオンプランツとして栽培されるほどです。
ただ、蒸れると枯れる場合もあるので、風通しが良くなるように気をつけましょう。

殺虫剤・殺菌剤

特にありません。