
ソテツは、日本の暖かい地域(九州南部や沖縄等)や台湾、インドネシアなどの熱帯地域を中心に生息する、常緑低木です。
見た目はヤシの木に似ていて、主に海岸付近の岩場に自生しています。
ヤシとともに、南国の雰囲気の演出や記念樹として、海岸沿いや公園、街路、学校などによく植えられています。
丈夫で扱いやすいソテツは、盆栽や観葉植物としても人気があり、初心者でも気軽に始められる植物です。
今回はそんなソテツの特徴、栽培方法をご説明します。
ソテツの基本情報
学名 | Cycas revoluta Thunb |
---|---|
英名 | Fern Palm・Sago Palm |
その他別名 | ソテツ(蘇鉄/粗鉄)・テッショウ(鉄蕉)・ホウビショウ( 鳳尾蕉) |
科名 | ソテツ科 |
属名 | ソテツ属 |
原産地 | 日本(九州、沖縄)・インドネシア・中国南部 |
ソテツの特徴
ソテツは、その花言葉「雄々しい」に表れているように、どっしりとした幹を付け、幹の上に、切り込みの入った濃緑の大きな葉をつけます。
枝がなく、直接幹に葉が育つのが特長です。
生長はゆっくりとしていて、春に新葉が出て、1年に2~4㎝ほど幹が生長します。
雌雄異株で、雄花は先端に太い松かさ状の長い花をつけます。
開花時期は6~8月の夏頃です。
樹高としては、3m~5mのものが平均的ですが、大きなものでは10mになることもあります。
ソテツの歴史は古く、恐竜のいた時代からあったという説が有力なほどです。
昔から世界各地で、秋に収穫できるソテツの赤い実を、食用や漢方薬として用いてきました。
しかし、実のみならず、ソテツの葉や茎なども毒性を持っておりしっかりとした毒抜きをしてからでないと、食中毒を起こし死に至るケースが過去に多々ありました。
落ちていた実を食べた犬が食中毒を起こしたという例もあり、ソテツのどの部分も口に入れることがないよう十分な注意が必要です。
ソテツの種類
ソテツには以下のような種類があります。
ソテツ
通常の日本原産のソテツです。
オニソテツ
オニソテツは、アフリカ原産のソテツ。
ザミア科・オニソテツ属。
シダソテツ
シダからソテツに進化する途中のようなソテツ。
ヒロバザミア
ザミア科の植物で、通常のソテツと異なり、平べったい丸っこい葉が左右対称についています。
ソテツの栽培・育て方
ソテツは熱帯地方を中心に生息する植物なので太陽を好みます。
生長がきわめて遅く、丈夫で手入れもほとんどいらないため、初心者でも挑戦しやすい植物です。
ソテツの育て方情報
分類・形態 | 裸子植物・常緑低木・庭木 |
---|---|
草丈・樹高 | 3~10m |
開花の時期 | 6月~8月 |
花色 | 黄褐色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 庭木、観葉植物・盆栽 |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 5~9月 |
---|---|
植え替え | 5~9月 |
剪定 | 7~8月 |
肥料 | 3~5月 |
開花 | 6~8月頃 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
日当たりが良く、風通しが良い場所に植える、もしくは鉢植えを置きます。
冬の寒い時期は5度までの低温は耐えることができますが、寒い地域の場合は室内で日当たりの良い場所に移動させることが大切です。
水やり
地植えの場合は、植えつけた後、一度水を与えそれ以降は自然の恵みに任せてしまって大丈夫です。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いてから、水やりを行います。
ソテツの性質として、乾燥には強いですが水分が多すぎると値崩れしやすくなるため、水やりのしすぎに注意してください。
とりわけ冬の時期は、生長も遅く吸水力も少ないため、夏場以上に水やりを控えめにしましょう。
用土
土をそれほど選ばないため、市販されている観葉植物の土等を使えば問題ありません。
肥料
ソテツは、それほど肥料を必要としません。
3~5月の暖かい時期に、緩効性肥料を施す程度で大丈夫です。
ソテツを育てるときのポイント
選び方
ソテツは、幹が傷んでいないものどっしりした幹のもの、そして葉がきれいな緑色をしているものを選びます。
植え付け・植え替え
植え付け、植え替えともに4月~5月の暖かい時期に行います。
日当たりのよく水はけのよい場所に植えます。
生長が遅いソテツは、毎年の植え替えは必要ありません。
鉢が小さく感じられるようになったら、もしくはもっと大きく育てたいと思ったタイミングで、大き目の鉢に植え替えをすると良いでしょう。
比較的根崩れしにくいソテツですが、根は細くて繊細なので、植え替えの際には根を丁寧に扱ってください。
剪定・切り戻し・収穫
基本的に、それほど剪定を必要としませんが、気づいたときに古い葉や傷んだ葉を取り除く程度に姿を整えてあげてください。
ふやし方
株分けと、種まきでふやす方法が一般的です。
5〜9月の暖かい時期に、株分けを行います。
大きく生長したソテツであれば、根元に小さな株が出てきます。
それを手で取り外し、別の鉢に植えていきます。
ソテツは種から育てる場合も同じような時期に行います。
1か月ほどで発芽します。
気を付けるべき病気・害虫
ソテツは、病害虫に強く丈夫な植物です。
もっとも心配すべきは、水のあげすぎによる根崩れなのでその点を注意してください。
殺虫剤・殺菌剤
特にありません。