見事な花を飾るハゴロモジャスミン【栽培方法・仕立て方などを紹介】

ジャスミンの一種で、花つきが良く、花の外側がピンク色をした白い花をたくさんつけるハゴロモジャスミン。

まるでピンクの羽衣をまとったかのように花が株を覆う感じに咲く様子から、この名前が付いたようです。

花の美しさと、甘い芳香、また半常緑性なので花がない時期も観葉植物としても人気があります。
そんなハゴロモジャスミンの育て方や特徴をご紹介します。

ハゴロモジャスミンの基本情報

学名Jasminum polyanthum
英名Pink Jasmine
その他別名羽衣ジャスミン
科名モクセイ科
属名ソケイ属
原産地中国

ハゴロモジャスミンの特徴

ハゴロモジャスミンはモクセイ科ソケイ属に分類される中国原産のつる性植物で、ジャスミンにしては寒さに強い方なので育てやすく、広く庭木や鉢植えとして栽培されています。

耐陰性もあるため、アメリカやヨーロッパではピンクジャスミンと呼ばれ、主に観葉植物として親しまれています。
花が美しく、斑入りの葉をつける種類もあり、観賞用に人気の品種です。

1~3mほどのつるを伸ばすので、支柱を立てたりフェンスなどに絡ませたりして栽培します。

花は、4月から5月頃、白色~薄ピンク色の花を咲かせます。
花の外側がピンクで、内側にいくにつれ白くなるものが多いです。

蕾は白色~濃いピンク色のものがあり、蕾の状態も華やかで楽しめます。

ハゴロモジャスミンの種類

ジャスミンには300種類ほどの品種がありますが、ハゴロモジャスミン以外の品種をご紹介します。

マツリカ(アラビアンジャスミン)

ジャスミンは別名、茉莉花(マツリカ)と呼ばれることがありますが、それほどマツリカがジャスミンの代表的なものとなっている証です。

マツリカは、アラビアンジャスミンという種類のジャスミンで、強い芳香のある白い花がつきます。
これがジャスミン茶の着香に使用される品種です。

中国、台湾、インドネシアなどの暖かい地域で栽培されています。
早朝に摘んだジャスミンの花を、ウーロン茶や緑茶に混ぜてジャスミンティーに利用します。

カロライナジャスミン

カロライナジャスミンという花は、花がジャスミンに似ていることからジャスミンという名が付いていますが、マチン科またはゲルセミウム科ゲルセミウム属で、モクセイ科ソケイ属のジャスミンとはまったく異なる植物です。
根や花の蜜に毒性があるので気をつける必要があります。

スタージャスミン

別名ボルネオソケイといい、熱帯アジア原産。
常緑性で、葉や茎が毛で覆われており耐寒性に優れています。花はプロペラのような形をしています。

ハゴロモジャスミンの栽培・育て方

ハゴロモジャスミンは、庭植え、鉢植え、室内での栽培が可能です。

いずれであっても、長いつるを伸ばすつる性の植物なので、そのつるを誘引して仕立てを楽しむことができます。
仕立ての方法にはさまざまあり、アサガオでよく用いられる、らせん状に絡ませていく「あんどん仕立て」が一般的です。

ほかにも、アーチ状に支柱を取り付けハゴロモジャスミンのトンネルを作る「アーチ仕立て」、フェンスに絡ませていってフェンスを飾る「フェンス仕立て」などがあり、ジャスミンの香りいっぱいのお庭作りを楽しめます。

ハゴロモジャスミンの育て方情報

分類・形態庭木・花木・つる植物
草丈・樹高2m
開花の時期4月~5月
花色白(外側がピンク)
耐寒性やや弱い
耐暑性強い
特性・用途半常緑性・つる性・香りがある・耐陰性・開花期が長い・鉢植え・庭植え・観葉植物
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け3月~4月・9月~10月
植え替え3月~4月・9月~10月
剪定6月
肥料2月~3月・6月
開花4月~5月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

基本的に日光を好むので、日当たりの良い場所に植える、もしくは鉢植えを置きます。
鉢植えの場合、風の強い日や冬は室内に入れることが好ましいでしょう。

水やり

鉢植えで育てる場合は、土の表面を触って、乾いていたら、たっぷりと水やりをします。
特に暑い夏は、水切れしないように注意が必要です。

冬は、すこし乾燥しているくらいでちょうどよいです。地植えの場合は、特に水やりをする必要はありません。
乾燥しやすい土地であったり、夏の暑い時期は、朝または夕方に水をあげてください。

用土

水はけがよく肥沃な土地を好みます。
中性もしくは弱アルカリ性の土が向いています。

市販の草花用の培養土でも十分育ちます。
地植えの場合は、植えたい場所に穴を掘って、その土に、市販の腐葉土または堆肥を混ぜ込んで戻します。

ハゴロモジャスミンを育てるときのポイント

ハゴロモジャスミンの選び方

ジャスミンは一般に、苗として販売されています。
苗は、挿し木から苗にしたものが多く、比較的安価に入手できます。

きれいな緑色の葉で徒長していないものを選びます。

植え付け・植え替え

植え付けは、あたたかくなった春か、秋に行います。
3月から4月、または9月下旬から10月がおすすめです。

植え替えのタイミングは、鉢の底を見て、根が見えていたら植え替えを行います。
2、3年に一回くらいの間隔で、植え替え、鉢を一回り大きくします。
時期は、植え付け同様、春か秋の暖かい日に行います。

植え付け後および植え替え後は、鉢から水があふれるくらい水やりを行います。

剪定・切り戻し・収穫

ハゴロモジャスミンは、春から夏までにつるが伸び、秋から冬に花芽をつけます。
剪定は、4~5月に花が開花した後、6月くらいに行います。

やり方は、全体を切るのではなく、脇に出た茎を間引くという形で行います。

また、つる性の植物なので高く育てるには支柱が必要となります。
支柱を使うと、2 メートル~3メートルくらいまで成長します。

基本的に常緑でよく茂り、つるがいろいろなところに絡みつきます。
育てる段階で、支柱やフェンスなどを使用し、こまめに誘引すると良いでしょう。

ふやし方

通常、挿し木でふやします。

8~9月ごろ、新しくのびた枝を2節~3節くらいの短めに切り、カッター等で斜めにカットして、さし木用の土などに挿します。
常に日陰に置いて、土が乾かないように水を与えて管理します。

気を付けるべき病気・害虫

病気は、特に心配ありません。
春夏に、アブラムシが付く可能性があります。

殺虫剤・殺菌剤

病害虫の予防として、葉がよく茂るので定期的に間引きをして風通しをよくしてあげましょう。

アブラムシには、市販の殺虫スプレー(モトストップスプレーなど)が効果的です。