ブラックベリーの品種・育て方・苗の植え付けのコツ【どんな味?家庭栽培におすすめ?】

ブラックベリーは、実のつき始めは赤い実ですが食べごろになるころに黒くつやのある色になり、栄養価の高い甘酸っぱいベリーです。
実の形はラズベリーに似ていて、小さな粒が集まって一つの実を形成します。
ブラックベリーは、無農薬で栽培できるほど害虫や病気にも強い丈夫な果樹なので、お庭に植えても鉢植えでも育てやすいことが特長です。
なかなか市場には出回らない果物なので、おうちで育てて、おいしいブラックベリーを楽しみませんか?

ブラックベリーの基本情報

学名Rubus
英名Black berry・Dew berry
その他別名セイヨウヤブイチゴ・クロミキイチゴ
科名バラ科
属名キイチゴ属
原産地北アメリカ・ヨーロッパ

ブラックベリーの特徴

ブラックベリーは、ラズベリーと同じ仲間の低木で、バラ科キイチゴ属に属します。
樹高は1.5m~3mの高さまで生長し、欧米で古くから庭木や生垣として愛されてきました。
初夏に花が咲き、夏に、みずみずしい黒い実がなります。
樹高が少し高いですが、スペースがあれば初心者でも育てられるので、ベランダでも大きな鉢植えで栽培ができます。
バラ科の植物なので、もともとトゲがある植物ですが、最近は品種改良が進み、トゲのない品種も多く出回っています。
生食でもおいしいですが、酸味が強い場合はジャムにして、マフィンやケーキ、パンなどに混ぜ込むとおいしく楽しめます。

ブラックベリーの種類

現在は、さまざまな品種が流通しています。
トゲありの品種とトゲなしの品種がありますが、剪定や誘引などをすることを考えて、ご家庭ではトゲがない方が管理しやすいです。
また、低木として生長して結実する品種と、つる状に生長する品種があります。
以下に代表的な品種をご紹介します。

ボイセンベリー

デューベリー、ローガンベリー、ラズベリーの交配種。
つる性で、トゲあり、トゲなし両方あります。
実は酸味が少なめです。

ソーンフリー

つる性のブラックベリーで、酸味はやや強く豊産性です。
トゲなしで耐寒性が弱めな品種です。

ウォシュタ

直立性(低木タイプ)でとげなしの品種です。
実が固めで傷みにくく、長期の保存に向いています。

ブラックベリーの栽培・育て方

ブラックベリーは、日当たりと水はけに気を付ければ、あまり手間のかからない育てやすい果樹です。
耐寒性も耐暑性もあり、病気や害虫の心配がほとんどいりません。
生垣、庭木にも、また鉢植えでも栽培が可能ですが、樹高が高くなるので鉢植えにする場合は、大きめの鉢を用意してください。
初心者にも育てやすいブラックベリーですが、剪定や誘引を毎年する必要がある、というのが大きなポイントです。

ブラックベリーの育て方情報

分類・形態果樹・低木・つる植物
草丈・樹高1.5~3m
開花の時期5月~6月
花色ピンク・白・紫
耐寒性強いがラズベリーよりは弱い
耐暑性強い
特性・用途落葉性・つる性・生け垣向き・丈夫
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け12月~2月
植え替え12月~2月
剪定12月~2月
肥料2・6・9月
開花5月~6月
収穫6月下旬~8月下旬

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

ポイントは、日当たりの良さです。
日光を好むので、植え付け場所、鉢植えの置き場所ともに、太陽がよく当たる風通しのよいところを選びましょう。

水やり

地植えの場合は根付くまでは、土が乾いたら水をあげるようにし、根付いてからは降雨で大丈夫です。
鉢植えの場合は、土の表面が白く乾いたらたっぷりとを水やりをします。
耐暑性が強いブラックベリーですが、夏に日照りが続くようなときは、適宜水をあげてください。

用土

市販の果樹用または野菜用の用土、もしくは赤玉土、腐葉土を混ぜた用土を用います。

ブラックベリーを育てるときのポイント

ブラックベリーの選び方

ブラックベリーの苗木を選ぶときは、太い枝が多く出ていて、葉の色の緑が綺麗でいきいきしたものを選びます。

植え付け・植え替え

冬になり落葉した12月~2月が、植え付け、植え替えの時期です。
お庭の日当たりのよいところに30cmほど土を掘って、腐葉土を混ぜ込んで準備します。そして苗よりも一回り大きい穴を掘り、苗を植えます。
鉢植えの場合、寝詰まりを防ぐため2、3年に一度は植え替えをします。
現在のサイズより一回り大きい鉢にしましょう。

剪定・切り戻し・収穫

収穫の時期は夏ごろです。収穫が早すぎるとすっぱいので見極めが必要です。
ブラックベリーは徐々に一個一個色が黒くなっていきます。
黒い実になるまで待ってから、力を入れなくてもぽろっと取れる頃が食べごろです。
また、水が付くと悪くなりやすいので、お天気のよい日に収穫します。

ブラックベリーには、毎年、剪定・誘引が必要です。
ブラックベリーは太陽を好むので、そのひと手間をかけることで、葉がより大きく生長し、実の数もよりいっそう期待できます。

12月から2月の冬の時期に一度剪定を行います。
前年の枝を三分の一から半分くらい残して剪定します。
実を収穫したあと、夏にも一度剪定をします。
実を付けた枝は枯れてしまうため、収穫後早めに切り取っておきましょう。
そして新しく出てきたシュート(茎)に栄養がいくようにしてあげます。

次に誘引ですが、誘引とは、植物の茎、枝を、支柱などにひもなどで結び付けて、理想の位置まで導いたり、理想の形に仕立てたりする作業です。
今年の株元から伸びてくる新しいシュートに、来年の実が付きます。
夏場、その新しいシュートがぐんぐん伸びるので、それをひもやワイヤーなどでくくって固定し誘引します。
そうしないと地面についてしまいますので、このひと手間が大事です。

ふやし方

ブラックベリーは、さし木やとり木という方法で増やします。
とり木は簡単で、栽培中のブラックベリーのつるの先端が地面について根が張っていくので、それを掘り取って植えます。

気を付けるべき病気・害虫

無農薬で育てられるほど丈夫で、病害虫の害は少ない植物です。
まれに、発芽後つぼみが黒くなったら、バラゾウムシが付いているおそれがあります。
また日当たりが悪かったり湿度が高かったりするとカイガラムシがつく場合があります。

殺虫剤・殺菌剤

日当たりと風通しに注意して病気を予防しましょう。
カイガラムシは歯ブラシ等でこそげ落とします。