洋菓子のアクセントの定番!ラズベリーの育て方と注意点【繁殖力が強い】

ラズベリーは、和名「西洋木苺」などと呼ばれ、生食やジュース、ジャム、ケーキやタルトなどの洋菓子によく用いられています。
涼しい気候のヨーロッパ地域や北アメリカ原産で、寒さや害虫に強くあまり手がかからないため、ガーデニング初心者でも簡単に始められる果樹です。
今回は、そんなラズベリーの栽培方法や注意点などをご紹介します。

ラズベリーの基本情報

学名Rubus idaeus
英名Raspberry
その他別名西洋木苺・ヨーロッパキイチゴ・フランボワーズ(フランス語)
科名バラ科
属名キイチゴ科
原産地ヨーロッパ・北アメリカ

ラズベリーの特徴

ラズベリーは、白い(品種によってピンクの)小さな花を咲かせたあと、赤、黒、紫といったかわいい実をつけます。
寒さには強いですが、暑さが少し苦手なため、初心者の方には、地植えよりも鉢植えの方が管理がしやすい植物です。
もう一つの大きな特徴は、地下茎がどんどん伸び、繁殖力が強い点です。
それが初心者にも簡単に栽培できる理由でもあるのですが、これは注意点でもあります。
地下茎が横に伸びていき、お庭のいろいろなところにラズベリーが生えてくる危険性があります。
お庭にスペースがあまりない場合、樹高が高くトゲもあるラズベリーの木で収拾がつかないことになりかねません。
その点を考慮しながら、庭木や生垣にする場合は慎重に計画するようにしましょう。

ラズベリーの種類

ラズベリーは、バラ科キイチゴ属の低木で、欧米で古くから改良が重ねられ、いくつもの品種があります。
また、日本に自生するナワシロイチゴやモミジイチゴなどのキイチゴとは異なります。
ラズベリーは、実の色によって、赤ラズベリー、紫ラズベリー、黒ラズベリーの3種類に大きく分類されています。
中でも、主流の赤ラズベリーは、夏に実がなる一季なり性品種と、夏と秋に実を収穫できる二季なり性のものがあります。
また、ラズベリーは自家結実性、つまり1本植えるだけで結実します。
一般的に葉や茎にトゲがありますが、ブラックベリーほど強いものではなく、気になるほどではありません。
また、「グレンモイ」などの、トゲのない品種もあります。
ここでは代表的な品種を紹介します。

インディアンサマー

ラズベリーの代表品種です。
二季なり性で赤い実を結びます。
濃厚な味わいが特徴です。

ヘリテージ

二季なり性の赤ラズベリーです。
収穫量が多く、収穫期間が長いことが特徴です。

グレンモイ

赤ラズベリーの一つで一季なり性です。
トゲがなく害虫にも強く、家庭菜園に向いています。

ラズベリーの栽培・育て方

冷涼地を好むラズベリーですが、耐寒性および耐暑性に優れているので、鉢植えであれば暖かい地域でも栽培できます。
特に夏場は直射日光に当たりすぎないよう、涼しい場所、できれば半日陰で育てます。
また、苗を植え付けてから、収穫できるまでに1~2年かかります。
そして、その年結実した枝は翌年は枯れます。
そのため秋に枝の整理をすることが育てる上でのポイントとなります。

ラズベリーの育て方情報

分類・形態果樹・低木
草丈・樹高1〜1.5m
開花の時期4月~5月・8月~9月 ※品種によって異なる
花色白・ピンク
耐寒性強い
耐暑性普通
特性・用途生け垣向き・初心者向き・落葉性・耐寒性・鉢植え・プランター栽培・自家結実性
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け12~2月
植え替え12~2月
剪定1~2月・8月・12月 ※品種によって異なる
肥料2月・6月・9月
開花3~5月・8~9月 ※品種によって異なる
収穫6~7月・10~11月 ※品種によって異なる

栽培に必要な準備・環境

ラズベリーを育てるときの最大ポイントは、夏場に直射日光を避けた日当たりの良い場所に置くという点です。

日当たり・置き場所

夏に直射日光、とくに西日が当たり過ぎない場所を選びましょう。
どちらかというと寒冷地に適した植物ですが、暑さ寒さにも適応しやすい植物でもあるので、そこまで気にしなくても丈夫に育ちます。
鉢植えの場合は、夏に半日陰の場所に移動させてあげると良いでしょう。

水やり

鉢植えの場合は、土の表面が白く乾いたら、鉢底から水があふれるほど、たっぷりと水を与えます。
直植えの場合は、降雨で大丈夫です。
夏場は、暑さが続いたり、乾燥が激しい時には適宜水を与えてください。

用土

水はけのよい土壌を好みます。
鉢植えは赤玉土と腐葉土を混ぜたものを用います。
地植えの場合は庭の掘り上げた土に腐葉土や肥料を混ぜ込んで使用します。

ラズベリーを育てるときのポイント

ラズベリーの選び方

一般に、苗を購入します。
秋から冬にかけて、園芸店やホームセンターで購入できます。
茎、葉の様子を見て、生き生きとした元気そうな苗を選びます。

植え付け・植え替え

植え付けの適期は、落葉した後、秋の終わりから春の発芽前です。
10月から3月くらいまでが適しています。
1月2月のあまりにも寒い日は避けたほうが良いでしょう。
植え替えも同じ時期に行います。
万が一根詰まりを起こしている場合は、真夏と真冬を除いて、いつでも鉢替えを行います。
植え付けおよび植え替え後は、底から水があふれるくらいしっかりと水やりをしてください。

剪定・切り戻し・収穫

一季なり性のラズベリーは冬(12月から2月)・夏(7月)の年2回、二季なり性は冬季のみ1回剪定が必要です。
苗を買うときにどちらの種類なのか、確認をしてください。

ふやし方

ラズベリーは株分けでふやすのが一般的です。
春頃にサッカーと呼ばれる地下茎から伸びる枝を付け根から切り取って、新しい鉢に移動します。

気を付けるべき病気・害虫

ブラックベリー同様、無農薬で栽培可能なラズベリーは、病気や害虫の被害は少ない方です。
ただ、雨が多かったり湿度が高かったりすると、灰色かび病が発生することがあります。
カイガラムシ、ハダニなどの被害もたまに見られます。

殺虫剤・殺菌剤

病気の予防は、風通しをよくすることと、梅雨などの時期は軒下などに移動してあげることです。
カイガラムシは歯ブラシでこすり落とす、ハダニにはパイベニカVスプレーが有効です。