華やかに咲く西洋ツツジ、アザレアの育て方・植え方・栽培方法

ツツジの仲間をヨーロッパで品種改良し、生み出されたアザレア。
ピンクや赤など鮮やかな花色と、バラのような華やかな咲き方で人気の植物です。
今回はアザレアについて、植え方や育て方から増やし方まで、栽培方法を詳しくご紹介します。

アザレアの基本情報

学名Rhododendron
英名Azalea
その他別名西洋ツツジ・オランダツツジ
科名ツツジ科
属名ツツジ属
原産地日本・中国・台湾

アザレアの特徴

アザレアは日本や東アジアのツツジを元に、19世紀初頭のヨーロッパで品種改良して生まれた植物です。
バラのような華やかな咲き姿が人気となって栽培が広がり、日本に逆輸入されました。
もともとヨーロッパで室内鑑賞用の鉢物として改良された経緯から、現在でもアザレアの開花鉢は室内鑑賞用として秋から冬の寒い時期に出回ります。
しかし、これらは温度を調整して促成栽培されたもので、自然の状態では、他のツツジと同じ4月~5月がアザレアの開花シーズンです。
寒い時期に開花鉢を入手したら、そのシーズンはそのまま鉢で楽しみ、春に植え替えた後、翌年以降は本来の開花期に花を咲かせましょう。

アザレアは寒さにやや弱い特徴があり、冬は室内管理するのが適しています。
そのため、庭植えよりも鉢植えの方が育てやすいでしょう。
フリルのような花びらは品種によって一重から八重咲きまで様々な咲き方があり、花色もピンクや赤など色鮮やかです。
栽培のコツをつかんで、華やかな鉢植えを長く楽しみましょう。

アザレアの種類

アザレアの代表的な品種をいくつかご紹介します。

ロマンス・パール

花色は薄いピンク色でとても上品な印象です。
大輪半八重咲きになります。

ロザリー

紫がかったピンク色の花を咲かせます。
大輪一重咲きです。

越の淡雪

数少ない白色の花を咲かせるアザレアです。
大輪半八重咲きです。
白い花びらには黄緑色の斑点がはいります。

アザレアの栽培・育て方

耐寒性がやや弱く、冬は室内での管理が必要なので、庭植えするより鉢植えで育てるのがおすすめです。
寒い時期に開花鉢を入手したら、翌年の春に植え替えて、2年目以降は自然の温度で4月~5月に開花させ楽しみましょう。
日の当て方と剪定の時期に注意が必要です。

アザレアの育て方情報

分類・形態庭木・花木・低木
草丈・樹高1~1.5m
開花の時期4月下旬~5月中旬
花色白・赤・ピンク・オレンジ・紫・複色
耐寒性やや弱い
耐暑性強い
特性・用途常緑性
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け5月~6月中旬
植え替え5月~6月中旬
剪定5月~6月中旬
肥料5月~6月・9月
開花4月下旬~5月中旬

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

ツツジの仲間ですが、耐寒性が弱いので、冬場は室内に取り込む対策が必要です。
鉢植えにして移動しながら育てると良いでしょう。

冬は窓辺など室内の日当たりが良い場所で育てます。
暖房のきていない部屋の方が長く花を楽しめます。
エアコンの風が当たらないように気をつけましょう。
4月以降は雨の当たらない戸外に置きます。
風通しと日当たりの良い場所を選びましょう。
真夏の直射日光を避けるため、7月下旬~9月上旬は半日陰が適しています。
夏の暑さがやわらいだら、再び日当たりの良い場所に移動させ、寒さに当てた後、11月下旬ごろに再び室内に取り込むようにします。

水やり

季節に応じて水やりの量を調節します。
春は生育旺盛な時期なので、毎日たっぷりと水やりします。
夏は水分が蒸発しやすいので、朝と夕方、一日2回の水やりを行います。
秋は春と同じく毎日たっぷりと水を与えます。
冬の間は水やりを少し控えめにします。
土の表面が乾いたら水やりします。

肥料

植えつけの際に元肥を施します。
その後、花の咲いた後にお礼肥として緩効性化成肥料か油かすを与えましょう。

9月にリン酸分の多い緩効性の化成肥料を与えておくと、翌年の花芽が増えて蕾の成長が促されます。

用土

ツツジ科の植物なので、酸性の土を好みます。
市販されている山野草培養土5:草花用培養土5の割合で混ぜ合わせたものを用意するといいでしょう。
または、鹿沼土小粒3:赤玉土小粒3:腐葉土2:ピートモス2の割合で混ぜ合わせた土を使います。

温度

耐寒性がやや弱いので、冬は室内で管理するなど対策が必要です。

アザレアを育てるときのポイント

選び方

秋から春にかけて、開花鉢が出回ります。
開花鉢を購入する際は、葉の色つやがよく、張りのあるものを選びましょう。
病害虫の跡がないかどうか、葉の裏などもしっかり確認しましょう。

植えつけ・植え替え

秋から冬に購入してきたものは室内に飾ってそのシーズンを楽しみ、花が終わった3月~4月ごろに植えつけましょう。
開花鉢はすでに鉢の中で根が回り、詰まっていることが多いので、古い土を少し落として、ひと回り大きな鉢に植え替えます。

その後、2年に1回のペースで植え替えを行います。
植え替えの適期は花の咲いた後、2年目以降では5月~6月となります。

剪定

花が咲き終わった後、5月~6月が剪定の適期です。
夏以降に剪定すると、新しい花芽を切ってしまう可能性があるので、開花後すぐに剪定を行うのがポイントです。
枝数が多いので、多少刈り込んでも問題ありません。

ふやし方

アザレアは挿し木で増やすことができます。
6月~7月が挿し木の適期です。
剪定で切り落とした枝を利用しても良いでしょう。若く勢いのある枝の先端から15~20㎝程度切り取り、挿し木用土に挿します。
日陰で乾かさないようにして管理し、発根したら、植え替えます。

気を付けるべき病気・害虫

病気

褐斑病、疫病に気を付けましょう。

褐斑病は糸状菌(カビの仲間)が原因の病気です。
最初葉に最色の小さな斑点ができ、その後広がって落葉してしまいます。
疫病になると、葉が黒く変色して枯れてしまいます。

害虫

ハダニ、グンバイムシ、ベニモンアオリンガ(幼虫)などにご注意ください。

殺虫剤・殺菌剤

病気

褐斑病、疫病は春から秋にかけて多湿になると発生しやすいので、水やりの量を適度に調整し、風通しを良くするように努めます。

害虫

見つけたらすぐに駆除しましょう。
市販の殺虫剤を使います。