挿し木で増やせる!百日紅(サルスベリ)の育て方【名前の由来・花言葉は?】

百日紅(サルスベリ)は初夏から秋にかけて、赤や白の花をたくさんつける樹木です。
サルスベリという花の名前は比較的、ポピュラーですがその漢字が百日紅だと知っている方は少ないかもしれません。
百日紅の漢字の由来には諸説ありますが、一つには百日紅の花が夏の間中咲いていることが由来になっています。
その漢字のごとく、百日近く花を咲かせる百日紅。
暑い夏を彩る鮮やかな花だといえるでしょう。

百日紅(サルスベリ)の基本情報

学名Lagerstroemia indica
英名Crape myrtle
その他別名ヒャクジツコウ
科名ミソハギ科
属名サルスベリ属
原産地中国

百日紅の特徴

百日紅(サルスベリ)はフリルのように縮れた花を夏の間、ずっと咲かせる印象的な樹木です。
サルスベリという名前の由来は、その木の幹が滑らかで木登りの得意なサルでも滑ってしまうだろうという逸話からつけられました。
花言葉にもある「不用意」はそんなサルの様子からつけらたものです。

また、百日紅は木の枝の先端にたくさんの花をまとめてつけるのがとても目を惹きつけます。
夏の日差しにも負けない花の鮮やかさに関連付けて、「雄弁」「潔白」などの花言葉が選ばれました。
また、「あなたを信じる」という花言葉には朝鮮半島に伝わる悲恋の伝説が込められています。
生贄にされるはずだった乙女を助けた王子が、百日後に必ず戻ると約束したにも関わらず戻ってきたときには乙女は死んでしまっていた、というのです。
その乙女の墓から生えていたのが、百日紅だと言われています。

百日紅の名前にも入っている百日、という漢字もこの悲恋の伝説がもとになっているという説もあります。
そんな悲しい物語を思い浮かべながら見ると、百日紅の新たな魅力を発見できそうですね。

百日紅の葉も、その花に負けないくらい鮮やかな緑でつやがあります。
枝に互い違いにたくさんの葉をつけ、その先端に赤やピンク、白の花を数えきれないほどつけるのが百日紅の大きな特徴です。

百日紅の種類

百日紅(サルスベリ)には矮性のものや、花色が珍しいもの、盆栽仕立てにできるものなど様々な品種が存在します。
園芸店で手に入りやすい品種の中で人気のものをいくつかご紹介します。

カントリー・レッド

まっすぐに伸びる百日紅の品種で、濃い赤の花が特徴的です。
枝が広がり過ぎないので、鉢植えや狭い場所に適しています。

ペパーミントレース

ピンク色の花びらとその周りを縁取る白がとても美しい品種です。
夏祭という可愛らしい日本名の品種で呼ばれることもあります。

チカソ―

矮性の百日紅の代表的な品種です。
背が高くならず。樹高が30cm~50cmほどなので鉢植えに適しています。

ブラックパール

黒くつやつやした葉が特徴の百日紅の品種です。
花の色は白とピンク、赤があり、黒葉とあわせてとても目を惹きつけます。

百日紅(サルスベリ)の栽培・育て方

真夏の花が少ない時期にずっと花を咲かせる百日紅は初心者にも育てやすい丈夫な樹木です。
百日紅は生育が旺盛な樹木なので、植木鉢で育てていてもある程度の大きさになったら庭植えにすることをおすすめします。
水はけと日当たりが良い場所で管理するのが管理のポイントです。

百日紅(サルスベリ)の育て方情報

分類・形態庭木・落葉高木
草丈・樹高3m~10m
開花の時期7月~10月
花色赤・ピンク・白・紫
耐寒性強い
耐暑性強い
特性・用途街路樹・記念樹
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け3月~4月・10月~11月
植え替え3月~4月
剪定12月~3月
肥料9月・2月
開花7月~10月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりと水はけが良い場所を好みます。
日陰だと花付きが悪くなってしまいます。
庭植えの場合は、水はけをよくするために植え付け時に少し盛り土をしてから植えると効果的です。
成長するのが早い樹木なので、周りがあまり混みあっていない場所を選びます。

水やり

百日紅は乾燥に強い樹木なので、水やりも土の表面が乾いたときに行えば十分です。
庭植えの場合はほとんど水やりを必要としません。
夏場の乾燥が続いた時期にだけ、朝か夕方に水やりをしましょう。

肥料

秋の花が終わった時期と、2月に緩効性の化成肥料か油粕などの有機肥料を与えましょう。

用土

百日紅は水はけが良く、肥沃な用土を好むので腐葉土やたい肥を混ぜ込んでから植え付けましょう。
鉢植えの場合は、市販の培養土や赤玉土に腐葉土を混ぜ込んだ土が適しています。

百日紅(サルスベリ)を育てるときのポイント

植え付け・植え替え

春か秋の時期に植え付けをしましょう。
鉢植えの場合は、2年に一度くらいの目安で同じ時期にひとまわり大きい鉢に植え替えます。
百日紅は生育が旺盛なので、鉢植えで大きくなり過ぎたら適度に剪定をするか、庭植えにすることをおすすめします。

剪定

百日紅の剪定は夏と冬の2回、行うのが目安です。それぞれ目的が異なっていて、夏の剪定は枝の茂りを増やすために行います。
8月下旬の花が終わりになった時期に、花の咲いた枝を半分くらい切り詰めることで新しく伸びてくる枝が増え、次回からの花の数を増やすことができます。
冬の剪定では、混みあった枝を間引き樹形を整えることで風通しを良くすることを目的に行います。
太い枝を切ったり、大きく樹形を変えるような剪定を行うときは冬の時期に剪定しましょう。
植木鉢で育てていて、あまり背丈を大きくしたくない場合は冬に切り詰めます。

ふやし方

挿し木で増やすことができますので、夏の時期に伸びた枝を20cmほど切り、挿し木用の用土に植え付けましょう。
根付くまでは、直射日光を避けた場所で管理し、土の表面が乾いたら水やりをします。

気を付けるべき病気・害虫

病気

うどんこ病は春の時期に、葉が粉をふいたように白くなるのが特徴の病気です。
風通しを良くすることで発生を防ぐことが出来ます。

害虫

サルスベリフクロカイガラムシが発生した場合は、ブラシなどでこすり取って排除します。

殺虫剤・殺菌剤

殺虫剤はカルホスやスミチオン乳剤が適しています。
冬場であれば、カイガラムシ対策に石灰硫黄合剤を散布します。
うどんこ病の殺菌にはベニカ系のスプレー剤を使用しましょう。