エリカの育て方と花言葉|種類によって開花の季節が違う

鈴のように小さな花を無数につけるエリカ。
まっすぐ上に伸びた茎の先にたくさんの花をつけるエリカは、草丈もあって寄せ植えや鉢植えにピッタリな植物です。
原種が700種類以上あるエリカは、耐寒性の有無や開花時期、花色まで品種によって多種多様の違いがあります。
特に開花時期は、春咲き・夏秋咲き・冬咲き・四季咲きの四種類に大別されます。
品種が多く選ぶのが楽しいのもエリカの魅力の一つですので、たくさんの品種から自分好みのエリカを見つけてみてくださいね。

エリカの基本情報

学名Erica canaliculata
英名Erica
その他別名ヒース
科名ツツジ科
属名エリカ属
原産地アフリカ・ヨーロッパ

エリカの特徴

たくさんの花をにぎやかに咲かせるエリカですが、花言葉には孤独や寂しさという意外なものが選ばれています。
エリカの原産地のひとつであるヨーロッパではエリカはヒースと呼ばれ、荒野に咲く植物の代名詞となっています。
枯れた厳しい環境の中でも花を咲かせるエリカの強さからこのような花言葉が選ばれたのでしょう。

品種によって耐寒性や耐暑性、開花時期が異なるエリカですが、北海道などでは名所となっている場所があります。
道南の四季の杜公園では、ヒースガーデンに何種類ものエリカを見ることができます。
春から夏咲きと夏から秋咲きに分けて一年中花が咲くように植えられたヒースガーデンは日本でも随一のエリカの名所といえるでしょう。
また、札幌の百合が原公園でもエリカ・カルーナを夏の終わりから見ることができます。
本州では新宿御苑などで、冬から春までの寒い時期に1mの高さに成長したジャノメエリカの大木を見ることができます。
花の少ない時期に咲くことが多いエリカを探しに行ってみるのも楽しいかもしれませんね。

エリカの種類

エリカは非常に品種の多い植物です。
アフリカ原産のものは暑さに強く、ヨーロッパ原産のものは寒さに強い違いがあります。
栽培環境によって適切な品種を選びましょう。
日本で園芸品種として手に入りやすいエリカをいくつかご紹介します。

ジャノメエリカ

エリカの品種の中でも比較的育てやすく、ポピュラーな種類です。
冬咲きで、氷点下の温度にも耐えることができるので花の少ない時期の寄せ植えや庭植えににピッタリな品種です。

アケボノエリカ

ピンク色の細長い花を枝先にまとめてつけるのが特徴の品種です。
春から夏に開花します。

クリスマスパレード

耐寒性が弱い品種なので、開花時期の冬から春にかけて鉢植えで販売されている品種です。
筒状の花をまとめてつける品種で、花色が豊富なのが特徴です。

スズランエリカ

スズランに似た白く小さい花を無数につける品種です。冬から春にかけて花を咲かせます。
夏場は風通しの良い場所で管理するのに適しているので、鉢植えで販売されていることが多いです。

エリカの栽培・育て方

エリカの育て方のポイントは、冬は家の中の窓辺で、夏は半日蔭の涼しい場所で管理することです。
太陽の光を好むエリカですが、耐寒性が高くない品種や過湿に弱い品種もあるので冬場と真夏の管理に注意して育てましょう。
エリカには夏が弱い品種や、冬越し出来ない品種など様々な種類があるので、動かしやすい植木鉢で育てることをおすすめします。

エリカの育て方情報

分類・形態庭木花木・低木
草丈・樹高50cm~100cm
開花の時期春咲き・夏秋咲き・冬咲き・四季咲きの四種類
花色白・赤・ピンク・黄色・オレンジ
耐寒性品種による
耐暑性普通
特性・用途鉢植え・花壇・グランドカバー・寄せ植え・ドライフラワー
栽培難易度やや難しい

栽培スケジュール

植え付け4月~5月・9月~10月
植え替え4月~5月・9月~10月
剪定5月
肥料4月~5月
開花春咲き・夏秋咲き・冬咲き・四季咲きの四種類

栽培に必要な準備・環境

ジャノメエリカ以外は日本の寒さに耐えることができないので鉢植えをお勧めします。
肥料は少なめで管理することがポイントです。

日当たり・置き場所

日当たりの良い場所を好むエリカですが、真夏の日差しには弱いので植木鉢の場合は半日蔭の場所に移動しましょう。
庭植えの場合は、木陰などの風通しの良い場所に植えましょう。

水やり

開花中は土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。
庭植えの場合はほとんど水を必要としません。
過湿になりすぎるのもよくないので、梅雨の時期の水やりには注意しましょう。
庭に植える場合は盛り土をして、水が根元にたまらないようにしておきます。

肥料

春と秋に緩効性の化学肥料を与えます。
花が咲いている間や夏の時期は、弱ってしまうので肥料を与えないようにしましょう。

用土

弱酸性の用土を好みますので、赤玉土にピートモスを配合しておきましょう。

エリカを育てるときのポイント

剪定

春の植え替え時に、伸びすぎた茎を半分ほどの高さに刈り込んだり、混みあった茎を切って風通しをよくすることで病害虫を防ぎ花付きがよくなります。

植え替え

エリカは根詰まりを起こしやすいので、毎年春になったら植え替えをしましょう。
管理しやすいように植木鉢で育てるのがおすすめです。
一回り大きい鉢に、軽く土を落としてから植え替えます。
品種により開花時期が異なりますが、花が咲いている時期は植え替えをしないように注意しましょう。

増やし方

エリカは挿し木・挿し芽で増やしましょう。
春の剪定時期に切った茎を水などにつけて発根させるか、発根促進剤を使って根を出したあとに、挿し木用の用土に植えて増やしていきましょう。

気を付けるべき病気・害虫

病気

特にありません。

害虫

アブラムシとカイガラムシに注意が必要です。
アブラムシがついた場合は市販のスプレー剤を散布しましょう。
カイガラムシは冬場に薬剤を散布するか、ブラシなどでこすりとって排除します。

殺虫剤・殺菌剤

アブラムシにはスミチオン乳剤やマラソン乳剤を散布しましょう。
カイガラムシは冬場に石灰硫黄合剤を散布するか、成虫になってしまった場合はブラシなどで取り除きましょう。