甘い香りが人気のジャスミン(茉莉花・マツリカ)【品種と栽培のポイントを紹介】

ジャスミン(茉莉花・マツリカ)の花言葉は、「愛らしさ」「優美」。魅惑的な甘い香りのするジャスミン(マツリカ)をよく表しています。

その甘美な香りが印象的なジャスミン(茉莉花)は、香水や精油、ジャスミンティーでも知られています。

しかし実際のところ、上記のように使用される品種はごく一部です。

ジャスミンと一言で言っても、なんと300種類ほどもあるのです。

白い花のイメージがありますが、白い花を咲かせるジャスミンや黄色い花を咲かせるジャスミンなどがあります。

今回は、そんなジャスミンの品種や育て方などをじっくりご紹介します。

ジャスミン(茉莉花)の基本情報

学名Jasminum
英名Jasmine
その他別名茉莉花(まりか・まつりか)・香りの王様
科名モクセイ科
属名ソケイ属
原産地アジア・アフリカ

ジャスミン(茉莉花・マツリカ)の特徴

ジャスミン(茉莉花・マツリカ)とは、モクセイ科ソケイ属に所属する植物の総称です。

その中でも一般的には、ジャスミンティーの原料となるマツリカ(茉莉花)や、園芸品種として人気のハゴロモジャスミンといった優美な香りを放つものを指します。

ジャスミンは別名「香りの王様」と呼ばれるほど、その香りが特徴的です。家庭ではほとんどが、庭木などの観賞用として栽培されています。

またマツリカのような強い芳香のある品種は、お茶や精油に用いられる香料の原料にもなります。

マツリカは世界中(エジプト、インド、中国など)で栽培が行われています。

古くは古代エジプトでも栽培されていたと言われています。現代でも、エジプトでの香料用ジャスミンの大規模栽培が、世界供給の大半を占めています。

ジャスミンの花は夜間に開き、明け方に花が収穫されお茶や香水などに加工されます。

ジャスミン(茉莉花・マツリカ)の種類

ジャスミンには300種類ほどの品種がありますが、中でも代表的な種類をご紹介します。

マツリカ(アラビアンジャスミン)

ジャスミンは別名、茉莉花(マツリカ)と呼ばれることがあります。それほどマツリカがジャスミンの代表的なものとなっている証です。

マツリカは、アラビアンジャスミンという種類のジャスミンで、強い芳香のある白い花がつきます。これがジャスミン茶の着香に使用される品種です。

中国、台湾、インドネシアなどの暖かい地域で栽培されています。早朝に摘んだジャスミンの花を、ウーロン茶や緑茶に混ぜてジャスミンティーに利用します。

ハゴロモジャスミン

ハゴロモジャスミンは中国原産で、花に強い香りがあります。

花の色は外側が薄いピンク色、内側が白色でかわいらしいです。斑入りの葉をつける種類もあり、観賞用に人気の品種です。

ジャスミンにしては寒さに強い方なので育てやすく、庭木として栽培されています。

カロライナジャスミン

カロライナジャスミンという花は、花がジャスミンに似ていることからジャスミンという名が付いています。

しかし実際には、マチン科またはゲルセミウム科ゲルセミウム属でモクセイ科ソケイ属のジャスミンとはまったく異なる植物です。

根や花の蜜に毒性があるので気をつけましょう。

ジャスミン(茉莉花)の栽培・育て方

ジャスミン(茉莉花・マツリカ)はつる性の低木です。7月から9月に、ほとんどの品種は白または黄色の小花を咲かせます。

もともとは熱帯アジアに自生する植物であるため、耐寒性は弱めです。そのため栽培難易度が中程度となっています。

品種によっては、耐寒性のあるものもあります。

寒地で庭植えをする場合は、寒さに比較的強いシロモッコウ、オウバイ、ハゴロモジャスミンなどを選ぶと良いでしょう。

その他のジャスミンの場合は、沖縄以外の日本の気候下では、鉢植えにして冬場は室内で冬越しさせるのがおすすめです。

ジャスミン(茉莉花)の育て方情報

分類・形態庭木・花木
草丈・樹高1.5~3m
開花の時期7月~9月
花色白・黄色・薄いピンク ※品種によって異なる
耐寒性弱い
耐暑性強い
特性・用途花壇・鉢植え・常緑性・香り・開花時期が長い
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け4月~7月・9月~10月
植え替え8月~9月
剪定10月
肥料7月~10月
開花7月~9月
収穫7月~10月

ジャスミン(茉莉花・マツリカ)の栽培に必要な準備・環境

ジャスミンは日当たりの良い場所に置き、水捌けに注意しながら水をたっぷり与えて育てましょう。

さまざまな種類のジャスミンがありますが、ここでは庭木に人気のあるハゴロモジャスミンについての育て方を記します。

日当たり・置き場所

基本的に日光を好むので、日当たりの良い場所に植える、もしくは鉢植えを置きます。

鉢植えの場合、冬は室内に入れることが好ましいでしょう。

水やり

鉢植えで育てる場合は、土の表面を触って、乾いていたらたっぷりと水やりをします。

特に暑い夏は、水切れしないように注意が必要です。冬は、すこし乾燥しているくらいでちょうどよいです。

地植えの場合は、特に水やりをする必要はありません。乾燥しやすい土地や夏の暑い時期には、朝または夕方に水をあげてください。

用土

水はけがよく肥沃な土地を好みます。中性もしくは弱アルカリ性の土が向いています。

市販の草花用の培養土でも十分育ちます。地植えの場合は植えたい場所に穴を掘って、その土に市販の腐葉土または堆肥を混ぜ込んで戻します。

ジャスミン(茉莉花・マツリカ)を育てるときのポイント

ジャスミンの選び方

ジャスミンは一般に、苗として販売されています。苗は挿し木から苗にしたものが多く、比較的安価に入手できます。

きれいな緑色の葉をつけているものや徒長していないものを選びましょう。

植え付け・植え替え

植え付けは、あたたかくなった春か秋に行います。3月から4月、または9月下旬から10月がおすすめです。

植え替えのタイミングは、鉢の底を見て根が見えていたら行ってください。

2、3年に一回くらいの間隔で、植え替えをして、鉢を一回り大きくします。

時期は植え付け同様、春か秋の暖かい日に行います。

植え付け後および植え替え後は、鉢から水があふれるくらい水やりを行ってください。

剪定・切り戻し・収穫

ハゴロモジャスミンは、春から夏までにつるが伸び秋から冬に花芽をつけます。

剪定は、4~5月に花が開花した後、6月くらいに行います。やり方は全体を切るのではなく、脇に出た茎を間引くという形で行います。

またつる性の植物なので、高く育てるには支柱が必要となります。

支柱を使うと、2メートル~3メートルくらいまで成長します。基本的に常緑でよく茂り、つるがいろいろなところに絡みつきます。

育てる段階で支柱やフェンスなどを使用し、こまめに誘引すると良いでしょう。

ふやし方

通常、挿し木でふやします。

8~9月ごろ、新しくのびた枝を2節~3節くらいの短めに切りましょう。

切った枝をカッター等で斜めにカットして、さし木用の土などに挿します。

常に日陰に置いて、土が乾かないように水を与えて管理します。

気を付けるべき病気・害虫

病気は、特に心配ありません。春夏に、アブラムシが付く可能性がありますので、早めに殺虫剤で駆除します。

ジャスミンは葉がよく茂るので、定期的に間引きをして風通しをよくしてあげましょう。

殺虫剤・殺菌剤

アブラムシにパイベニカVスプレーなどがおすすめです。