シャクナゲ(石楠花)の花言葉は危険・警戒|種類と育て方のコツについて

暖かくなった頃、白、ピンク、赤色の華やかな花を咲かせ、お庭や公園を彩るシャクナゲ(石楠花)。
アジア原産で、現在では日本やアジア、北アメリカやヨーロッパなどで何千という園芸品種が生み出され、世界各地で庭木や公園樹として広く愛されています。
ツツジに似た花をつけるので、欧米ではツツジと同じ名前(Rhododendron)で呼ばれています。
シャクナゲの花は枝の先に房の状態で咲くことが特徴です。
今回は、春に豪華に咲き誇るシャクナゲの、特徴や種類、育て方のコツをご紹介します。

シャクナゲ(石楠花)の基本情報

学名Rhododendron subgenus Hymenanthes
英名Rhododendron
その他別名石楠花・石南花(いずれもシャクナゲと読む)
科名ツツジ科
属名ツツジ属
原産地アジア

シャクナゲの特徴

シャクナゲとは、ツツジ科ツツジ属のうち無鱗片シャクナゲ亜属に属する植物の総称で、常緑性の花木・低木です。
昔から、存在感のある半球状の咲き方が人を魅了し、「花木の女王」といわれてきました。

日本では、もともと寒冷地を好むシャクナゲは高い山の上にしか育たなかったため、シャクナゲが「高嶺の花」という言葉の元となったといわれています。
現在は、園芸品種の品種改良が進み、平地の暑い夏でも耐えることができる種類がほとんどで、栽培も容易になっています。

また、シャクナゲの葉には毒性があり、口にすると吐き気、下痢、呼吸困難などの症状を引き起こす可能性があります。
これは、シャクナゲの漢字表記「石楠花」または「石南花」が、漢方薬にも使われてる石南(オオカナメモチ)という植物の字に似ているため、二つを混同してしまうケースがあるからです。
シャクナゲは全草に毒のある有毒植物である点は注意が必要です。

シャクナゲの種類

シャクナゲは、自然に交配しやすく、また園芸品種でもさまざまなものが出てきているので、多くの種類が存在します。
大きく分けると、日本原産種の日本シャクナゲと、外国から渡来した西洋シャクナゲがあります。

日本シャクナゲ

色彩が西洋シャクナゲのように華美ではなく、花色の種類が多く、葉の形は細長く裏側へ丸く沿っています。
日本の気候に適しているため栽培しやすい種類です。

ヤクシマシャクナゲ

屋久島の特産種。暖かい地域で育ちます。
交配親としてよく使われています。

ホンシャクナゲ

ツクシシャクナゲの変種で、中部以西に自生しています。

アズマシャクナゲ

ツクシシャクナゲの変種で、中部以東に自生しています。

西洋シャクナゲ

華美な花を付け、色彩も派手です。
葉が平なのも特徴です。

パープルスプレンダー

紫色のフリル状の花をつけます。

太陽

アジア原産で、赤紫色の大きな花をつけます。
暑さに強く、樹高が高い種類です。

プレジデント・ルーズベルト

赤い花で、中心が白色となっています。
斑入りの葉が特徴です。
耐暑性があります。

貴婦人

日本で改良された品種で、柔らかなピンクの花びらで中は白色です。
華やかで存在感があります。
寒さに弱いので鉢植えがおすすめです。

黄山クレスト

珍しい黄色いシャクナゲです。
日本で改良された品種で、育てやすいのが特徴です。

シャクナゲ(石楠花)の栽培・育て方

シャクナゲは、耐寒性が高い一方、特に日本原産種は暑さに弱い特徴があります。
アジア原産種は比較的日光を好み暑さにも強いため、それほど手をかけずに育てることができます。
苗を購入する際に、耐暑性がある品種か否かを確認することが重要です。
地植えでも鉢植えでも栽培可能です。

シャクナゲ(石楠花)の育て方情報

分類・形態庭木・花木・常緑・低木
草丈・樹高50cm~5m
開花の時期4月下旬~5月中旬
花色白・赤・ピンク・オレンジ・黄・紫・茶
耐寒性強い
耐暑性やや弱い
特性・用途常緑・庭木
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け3月~5月上旬
植え替え3月~5月上旬
剪定5月~6月
肥料2月・4月~6月・9月~10月
開花4月下旬~5月中旬

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

シャクナゲを植えるには、日当たりがよく、風通しのよい場所を選びます。
からっ風がふきつける場所などは避けましょう。
植え替えを嫌うので、のちに植え替える必要のない場所を選びましょう。

水やり

鉢植えの場合は、表面の土が乾いたら、水をたっぷりあげます。
夏は、朝と夕方2回水やりを行います。

地植えの場合は、基本的に水やりをしなくても問題ありません。
ただ、夏の高温期は、朝夕の涼しい時間帯にたっぷり水をあげてください。

用土

肥沃で湿り気のある土を好みます。
腐葉土やピートモス、鹿沼土などをよく混ぜ込むと適した土になります。

シャクナゲを育てるときのポイント

シャクナゲの選び方

3月頃に多くの種類が園芸店やホームセンター、インターネットショップに出回ります。
葉がきれいな緑色をしていて変色しておらず、幹が太くぐらつかず、枝数も多いものを選びましょう。

植え付け・植え替え

シャクナゲは植え替えや移植を嫌うため、最初に植える場所は重要です。
日当たりがよく、大きく生長しても大丈夫なスペースを確保しましょう。
植え付けは3月から5月が適しています。

鉢植えの場合は、苗よりも一回り以上大きめの鉢に植え付けましょう。
植え付け後は水をたっぷりあげ、根づくまでは半日陰で管理しましょう。

剪定・切り戻し・収穫

ほうっておいても樹形が崩れないので、強い剪定や刈り込みは必要ありません。
5月頃の初夏に、込み合っている枝を切ったり、枯れた枝を根元から取り除いたりといった軽い剪定を行ってください。

ふやし方

シャクナゲは挿し木でふやします。
初夏に伸びてきた新しい枝の先を10cmくらい切り取ります。
その枝の葉を3枚ほど残して、下の方を斜めにカットします。
それを1時間ほど水につけ、ポットに土を入れてそこに挿します。
それを根が出るまで日陰で管理します。

気を付けるべき病気・害虫

害虫ではアブラムシやハダニ、病気は梅雨時に灰色かび病にかかるおそれがあります。

殺虫剤・殺菌剤

アブラムシやハダニには、市販の殺虫スプレー(モトストップスプレーなど)が効果的です。
病気を予防するには、日当たりと風通しを良くしてください。