ツツジの種類・特徴と育て方のコツ【栽培のポイントは剪定時期?】

日本に古くからあるツツジは、日本人にとってもなじみ深いお花の一つではないでしょうか。

公園だったり学校だったり色んなとろこで見かける鮮やかなピンクの花が特徴でもあります。

ツツジは東アジア原産であり現在約90もの種類があります。
日本で栽培されるツツジは、野生種をもとに改良されていることもあり、育てやすいお花です。
今回はそんなツツジの種類や育て方などをご紹介します。

ツツジの基本情報

学名Rhododendron
英名Azalea・Rhododendron・Tsutsuji
科名ツツジ科
属名ツツジ属
原産地東アジア

ツツジの特徴

ツツジの名前は、一般的に同じツツジ属であるサツキを除く、ヤマツツジの仲間の総称として使われます。
日本では古くからは江戸時代にツツジの記録が残っており、そのころよりツツジは日本にもたくさんの種類があるとされています。

ツツジは東アジアで広く生息していますが、実はネパールの国花であり、赤いツツジが国花として描かれています。

ツツジの花言葉である恋の喜びや初恋といった花言葉は、ツツジの鮮やかな恋ピンク色や純白の白いツツジが一斉に咲き誇る様子からできた言葉で、ツツジの美しさをよく表しています。

ツツジの種類

ツツジは種類が多く、とてもよく似ている種類もあります。

ヤマツツジ

原種に近い野生種であり品種改良の元になったもので、ツツジの中でも最も背丈が伸びる。
暖地では常緑性であり、寒地では落葉性となる。色は赤や白、中間色など様々な色があります。

霧島ツツジ

九州に自生するヤマツツジとミヤマキリシマとの交配種です。
一種類ではなく様々な種類の総称でもあります。
花色も様々あり花の形も色によって微妙に異なるのが特徴です。

琉球ツツジ

モチツツジとキシツツジの雑種であり江戸時代より栽培されていました。
琉球を通して広まったことから琉球ツツジと呼ばれるようになったようです。

春葉と夏葉があり、春につき秋に落ちる葉を春葉、夏から秋にかけてつき冬が過ぎてから落ちる葉を夏葉と言います。

サツキツツジ

同じツツジ属の常緑低木であり、日本で最も多く植えられている庭木の一つです。

ツツジとサツキはとてもよく似ていることから見分けにくいですが、サツキは園芸用としてツツジとは分けて扱われています。
ツツジとの違いは葉を触れば分かると良く言われており、ツツジの葉は柔らかく、サツキの葉は固いことが特徴です。

ツツジの栽培・育て方

耐寒性も耐暑性も強く、管理がしやすいことが特徴とされていますが、ツツジは根が細く浅く張るので水切れに弱いという特徴があります。

また日光が足りなかったり、剪定の時期を間違えると、花が咲きにくくなるということもあるので、ポイントを押さて栽培しましょう。

ツツジの育て方情報

分類・形態草花・庭木・常緑広葉樹
草丈・樹高50㎝~2m
開花の時期4月~5月
花色白・赤・濃いピンク・オレンジ・黄色・紫
耐寒性強い
耐暑性強い
特性・用途常緑性・落葉性・生け垣向き
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け3月~6月・9月~10月
植え替え3月~6月・9月~10月
剪定6月~7月
肥料5月~6月・12月~1月
開花4月~5月
収穫4月~5月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりがいい場所を好みますので日当たりがいい場所か、明るい日陰などに植えましょう。
またツツジは根が浅く横にはるので、広く浅植えできる場所で育てましょう。

水やり

根が浅く細いことから水切れに弱いのでこまめに水をあげましょう。
夏場は涼しい時間帯の朝か夕方に、冬場は温かい昼間に水やりをおこないます。
また植え付けした年の水やりは注意が必要です。

また鉢植えは水不足を起こしやすいので、こまめな水やりが必要となります。
冬場に葉を落として休眠期に入る種類のツツジは、根腐れを起こしやすいので水やりを控え乾燥気味に管理しましょう。

肥料

基本的に生命力の強い品種なので肥料は必要ありませんが、追肥をしてあげることで花が良く咲きます。
タイミングとしては花が咲き始める前の1月と、花が咲き終わる5~6月、株の枝が充実する9月の下旬ごろに株元に肥料をばらまくと、翌年の花がつきがよくなります。

用土

PH5~6の酸性土壌を好みます。
赤玉土4・鹿沼土3・ピートモス2・バーミキュライト1を混ぜて配合すると根張りがよくなります。

ツツジを育てるときのポイント

選び方

品種によって花の色や形、大きさなども様々あるので好みの種類を探しましょう。

木肌や葉に光沢があり虫食いのない元気な物を選びましょう。
種からでも苗からでも育てることはできますが、種では時間がかかるので苗から育てるのが一般的です。

植え付け・植え替え

開花期を除く3月~6月上旬、もしくは9月~10月頃が適していますが、春先の花を全て落とした頃が一番のおすすめです。
地植えは苗の倍以上の大きさの穴を掘り、深植えにならないよう注意をしながら植え付けます。

鉢植えの場合は2年に1度の植え替えが目安です。

剪定・切り戻し

5月~6月の開花が終わり花芽が付くまでの期間に行います。
花芽が付いてから剪定を行うと翌年咲くはずだった芽まで切り取ってしまう可能性があるので剪定時期は守りましょう。
大きめの刈り込みバサミで樹形を丸型に整えていくのが一般的です。

増やし方

ツツジの増やし方は挿し木で行いますが、比較的容易に根付いてくれます。
時期は梅雨か秋ごろが適切です。

若くて元気な枝を10~15㎝ほど切って葉を4.5枚残して水につけます。
挿し木直後は直射日光を避け、水は乾かし過ぎずあげ過ぎず適度に上げる事がポイントです。

気を付けるべき病気・害虫

ツツジグンバイ

3~5㎜の平らな虫で、葉裏に寄生します。
寄生した葉は葉表は白くカスリ状に見えるのが特徴です。

葉裏には黒い斑点の汚れがつきます。
葉が落ちてしまったり、生育がわるくなるので、早い段階での除教が必要です。

ハダニ

温かい時期に発錆しやすく、葉に寄生します。
葉の色が変色したり光合成不足で生育が悪くなり最悪枯れていくこともあります。

殺虫剤・殺菌剤

グンバイムシやハダニ除去のスプレータイプの殺虫剤が有効です。