レモンのようなさわやかな香りを持つレモンバームは、ハーブティーや料理、アロマテラピーなどに広く用いられています。
とても丈夫で土壌を選ばず、初心者でも育てやすいハーブの一つです。
緑色の葉が目にもさわやかで、お庭やベランダを明るくしたい方にもおすすめです。
さっそく育ててみませんか?
レモンバームの基本情報
学名 | Melissa officinalis |
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英名 | Lemon balm |
その他別名 | メリッサ・セイヨウヤマハッカ |
科名 | シソ科 |
属名 | コウスイハッカ属 |
原産地 | 南ヨーロッパ |
レモンバームの特徴
レモンバームは、なんといってもその葉が持つレモンのような香りが特徴で、ハーブティーにしたり、紅茶に入れたり、料理やお菓子の香りづけとして使われます。
また、ポプリやアロマオイルにも用いられ、昔は薬草としても使われていました。
見た目は、ミントによく似ていて、繁殖力もミント同様に非常に強いです。
地植えをすると、こぼれ種でどんどん広がっていくほど。
寒さや暑さにも強く、多年草なので放っておいても翌年また芽が出てくる点も、初心者におすすめする理由です。
レモンの成分であるシトラール
その名の通り、レモンバームの葉には、レモンの成分であるシトラールが含まれており、優れた抗菌作用と爽快な香りを持っています。
ドイツなどでは薬用として使用されており、さわやかな香りにより気分がよくなり、前向きな気分にしてくれるのでしょう。
ハチが大好き!レモンバームの花
レモンバームの別名「メリッサ」の名は、ギリシア語で「ハチミツ」という意味を持ちます。
古代ギリシアでは、レモンバームは蜜源植物として大切にされていました。
蜜源植物とは、ミツバチがハチミツを作るために、花から蜜を集めるための植物です。
レモンバームは、初夏に白い小さな花をつけ、そこにハチが集まります。
現在でも、ハチはレモンバームが大好きなので、レモンバームの近くに野菜や果樹を植えると、受粉しやすくなるため推奨されています。
ハーブティーの入れ方
レモンバームの葉を摘んで、ドライにしてもいいですが、生の葉を利用することも可能です。
葉を何枚か収穫し、よく洗って、耐熱性のティーカップに入れ、熱湯を注ぎます。
5分ほど蒸らせば、香りのよいレモンバームハーブティーの出来上がり。
夏バテの疲れた胃腸にも、お休み前のリラックスタイムにもおすすめです。
手軽なのでぜひお試しください。
レモンバームの栽培・育て方
栽培が用意なレモンバームですが、上手に育てるポイントは、植える場所・鉢植を置く場所を気を付けることです。
午前中に十分日が当たる場所や、木などがあって一日中直射日光が当たらないけれども明るい場所を選びます。
夏の直射日光に当たりすぎると、葉が黄色に焼けたような感じになり枯れてしまうので注意が必要です。
レモンバームの育て方情報
分類・形態 | ハーブ・草花・多年草 |
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草丈・樹高 | 30cm~80cm |
開花の時期 | 6月~7月 |
花色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 耐陰性・丈夫・強い繁殖力・ハーブ・香り・初心者向き |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 4月~5月 |
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植え替え | 4月~5月・10月 |
剪定 | シーズン中 適宜行う |
肥料 | 3月~6月 |
開花 | 6月~7月 |
収穫 | 4月~11月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
レモンバームは、基本的に太陽を好みます。
耐陰性があるので、日陰の時間が長くても育ちますが、日陰になる時間が長すぎると、弱ってしまいますので気を付けましょう。
反対に真夏の直射日光が一日中当たる場所ですと葉焼けを起こしてしまうため、西日が直接当たらない場所に植えると良いでしょう。
水やり
土が乾燥すると葉が黄色く変色してしまう原因となるため、土の表面が乾いてきたら水をたっぷりあげましょう。
肥料
植えつけの時に、1株あたり10gくらいの発酵油かすなどを土に混合し、株の周りに施します。
植えた後は、1ヶ月に1度くらいの頻度で、液体肥料を追肥します。
そうすると葉が濃くなって、いきいきとします。
用土
レモンバームは酸性の土地を嫌い、肥沃な水はけのよい土を好みます。
ホームセンターなどでハーブ用の土を購入すれば、間違いありませんが、それほど土にこだわらなくても問題ありません。
野菜用の培養土でも問題なく育ちます。
温度
寒さにも暑さにも強いため、特に対策はいりません。
多年草なので、冬場には枯れたように見えても、根は生きており、春になると芽が出てきます。
レモンバームを育てるときのポイント
選び方
レモンバームは一般的に苗で販売されています。
葉が生き生きとしていて、きれいな緑色をしている株を選びましょう。
剪定・切り戻し
春に枝の先端にある芽を摘むことで、そこから枝分かれして、収穫量を増やすことができます。
夏が近づいて、レモンバームが20cmほどまで成長したら、適宜10cmほどまで剪定をします。
そうすることで枝数が増え、収穫量をさらに増やすことができます。
植え替え・鉢替え
地植えの場合は必要ありませんが、鉢植の場合、ある程度成長してきたら、一回り大きな鉢に植えかえるか、株分けをする必要があります。
成長を見ながら2年おきくらいにやると良いでしょう。
植え替えは真夏を避け、暖かくなった4月~5月、または10月頃に行います。
根は繊細なので、傷つけないように丁寧に扱ってください。
鉢替え後は、たっぷりと水を与えます。
増やし方
レモンバームはこぼれ種でも自然に生い茂ってしまうほど繁殖力があります。
意図的に増やしたいときは、種まきか挿し木で行います。
挿し木は、弱っていない元気な部分をカットし、水に挿す部分の葉を取り除いたあと、水に挿します。
しばらくすると根が出てくるので、鉢に植え、しばらく半日陰の場所で管理して、たっぷり水やりをしましょう。
新しい葉が出てきたら、太陽の当たる場所へ移動します。
収穫
春~秋まで、必要なときに葉を摘んで利用します。
花が咲いた後は、葉が硬くなり、香りが落ちるので、花が咲く前に収穫しましょう。
気を付けるべき病気・害虫
レモンバームは比較的、病気や害虫に悩まされませんが、まれにハダニやアブラムシが付くことがあります。
葉が生い茂り、風通しが良くないと、灰色かび病やすす病の原因になることも。
適宜、収穫を兼ねて葉を間引いてあげて、風通しを良くしてあげましょう。
殺虫剤・殺菌剤
ハダニにはでんぷんスプレー・アブラムシには牛乳をスプレーして取り除けることがあります。