
葉の清々しい香りが特徴的なセージ。
代表的なコモンセージは肉の臭み消しやティーに利用できるハーブとして広く知られています。
セージには他にも沢山の種類があり、その多くが色とりどりの美しい花を咲かせます。
育てやすい丈夫な性質を持っていますので、気軽に栽培に挑戦してみましょう。
セージの基本情報
学名 | Salvia |
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英名 | Sage |
その他別名 | 種類による |
科名 | シソ科 |
属名 | サルビア(アキギリ)属 |
原産地 | 種類による。地中海沿岸地方・メキシコ・中南米など |
セージの特徴
セージの種類は多く、世界に900種以上あると言われています。
フルーツの香りがするものや、色がきれいなもの、背が高く伸び、群生すると見ごたえのある風景を作り出すものなど、それぞれ特徴があり、実にバラエティ豊かです。
種類によって、春から秋にかけて咲くものと、夏から秋にかけて咲くものがあります。
秋咲きのセージも魅力的で、長い期間花を楽しめます。
寒さに強い種類は宿根草、寒さに弱い種類は一年草扱いとなります。
宿根草のセージは一度植えてしまえば、毎年花を咲かせてくれるので、手がかかりません。
セージは総じて、丈夫な性質をもち、目立った病害虫もないので、育てやすい植物と言えるでしょう。
セージには「サルビア」のついた別名が多くあります。
これは学名の「サルビア」がラテン語で、英語の「セージ」と同じ意味だからです。
(属名の「アキギリ属」も別名「サルビア属」といいます)同じ植物が違う名前で売られていることはよくあるので、別名も確認しましょう。
セージの種類
セージの代表的な種類と特徴をご紹介しましょう。
ハーブとして利用できるセージ
コモンセージ(サルビア・オフィシナリス、ヤクヨウサルビア、ガーデンセージ)
セージといえばコモンセージを指すと言われるほど、代表的なセージです。
肉の臭み消しやティーなど、食用に利用されます。
ヨーロッパではその歴史が古く、不死と健康、知恵、家庭の調和をもたらすハーブとして昔から知られています。
コモンセージは5~7月頃に青みがかった紫の花をつけます。
葉はシルバーグリーンで美しく、細かい毛が生えています。
実用的なだけでなく、花も葉も、観賞用として十分魅力的な植物といえるでしょう。
コモンセージには、葉の色が違ったり、斑が入った仲間があります。
代表的なものに、ゴールデンセージ(黄色みのある、明るい葉色)、トリカラーセージ(緑に白と赤紫の斑入りの葉色)、パープルセージ(赤紫の葉色)があります。
パイナップルセージ(サルビア・エレガンス)
10月~11月頃、真っ赤な花が株いっぱいに咲きます。
葉や茎にフルーティーな香りがします。
葉や花をティーに利用できるほか、ポプリにもできます。
クラリーセージ(オニサルビア)
強い芳香を持っていて、精油が採れます。
草丈は1メートルにもなります。
スパニッシュセージ
料理やティーに利用できます。
草丈は50~80㎝程度、紫色の花が咲きます。
主に観賞用のセージ
チェリーセージ(サルビア・ミクロフィラ)
葉の形及び香りがさくらんぼに似ています。
赤、ピンク、白など花色が豊富です。
花期が長く、花壇を華やかにします。
強健で育てやすいセージです。
サルビア・ネモローサ
青紫、ピンク、白色の花があり、開花期も長く丈夫です。
草丈は30~80㎝になります。
ペインティッドセージ(サルビア・ホルミナム)
初夏にミントに似た葉の先がピンク、紫、白などに色づきます。
ドライフラワーとして利用できます。
ボッグセージ(サルビア・ウルギノーサ)
鮮やかな青色の花を咲かせます。
セージにしては珍しく、湿地を好みます。
草丈が1.5mほどと大きくなるので、地植えがおすすめです。
メドーセージ(サルビア・ガラニチカ)
夏~秋にかけ濃い青、深い紫の花を咲かせます。
暑さ寒さに強く、花期が長いです。
アメジストセージ(サルビア・レウカンサ、メキシカンブッシュセージ)
秋咲きの代表的なセージ。
晩夏から秋にかけて、紫色のビロードのような風合いの花を咲かせます。
草丈が高くなるので、広い場所に植えましょう。
セージの栽培・育て方
セージは比較的簡単に育てることができます。
その芳香ゆえに、虫もあまりつきません。
日当たりが良く、風通しのよい場所でうまく育てれば、鮮やかな花を長く楽しめます。
また、種類によっては葉を収穫して料理に使ったり、ポプリとして香りを楽しむこともできるでしょう。
セージの育て方情報
分類・形態 | 草花・多年草・ハーブ |
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草丈・樹高 | 種類によります。50~150㎝ |
開花の時期 | 種類によります。5月~10月 |
花色 | 白・ピンク・赤・紫・青など |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | やや弱い |
特性・用途 | 鉢植え・花壇・コンテナ・ベランダ |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 4月~5月・9月~10月 |
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植え替え | 4月~5月・9月~10月 |
剪定 | 適宜 |
肥料 | 4月~6月・9~10月 |
開花 | 種類によります。5月~10月 |
収穫 | 3月~11月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
セージは、日当たりの良い場所で育てましょう。
ただし、真夏の直射日光を嫌うので、夏の間は半日陰に置くなど、工夫しましょう。
高温多湿も苦手です。
西日を避け、風通しの良い場所を選びましょう。
水やり
セージは乾燥に強く、多湿に弱い傾向があるので、水のやり過ぎは禁物です。
土の表面が乾いたら与えましょう。
冬の間は水やりの回数を減らします。
土が常に湿っている状態だと、根が傷んでしまいます。
肥料
苗や株を植え付けるときに、用土にたっぷりと緩効性(ゆっくり効くタイプ)の肥料を混ぜておきます。
そのうえで、春と秋に固形肥料を与えます。
用土
水はけが良く、また水もちのよい土が適しています。
市販の土を使う場合は、赤玉土5:腐葉土3:バーミキュライト2の割合で混ぜた土を用意しましょう。
地植えの場合、酸性の土壌は嫌うので、苦土石灰を使って中和しましょう。
温度
高温だと弱るので、夏の日差しが強すぎる場合は半日陰になるようにします。
寒さには比較的強いですが、冬の間、あまり寒風にさらすと痛むので、霜よけなど対策を行います。
セージを育てるときのポイント
選び方
苗を選ぶときは、葉や茎に虫・カビがついていないかよく確認するのがポイントです。
細く弱弱しい苗よりも、しっかり根が張っているものを選びましょう。
植え付け・植え替え
セージは根の育成がとても旺盛です。
鉢植えの場合は、1~2年に1回を目安に植え替えを行いましょう。
植え替える際は、一回り大きな鉢を用意します。
植え替えの時期は、初夏、もしくは秋ごろが最適です。
剪定・切り戻し
葉が増えすぎて混み合ってきたら、適宜剪定を行います。
風通しを良くして、蒸れを防ぎましょう。
増やし方
挿し木、取り木、種まきなどの方法があります。
セージは年数が経って大きな株になると、茎が枝のようになるため折れやすくなります。
長く楽しむためには、挿し木などの方法で株を新しくしてあげましょう。
挿し木の方法
春か秋に茎から15cmくらいの長さで枝を切り取り、下の方についている葉を取り除いたら、水につけます。
1時間ほど水を吸わせたら、用土に挿します。
根が出るまでは、直射日光が当たらない所で管理します。
取り木の方法
適当な茎を地面に寝かせ、半分ほど土で覆います。
根が出てきたら1ヶ月ほど置き、その後切り離して植え替えます。
種まきの方法
3月~4月、9月~10月が適しています。
発芽温度は20度前後です。約2週間で発芽します。
収穫
葉を収穫する際は、花の開花直前から直後が適しています。
風通しを良くする意味でも、適宜葉を間引くように収穫しましょう。
気を付けるべき病気・害虫
芳香を放つセージには、目立った病害虫がありません。
殺虫剤・殺菌剤
特にありません。