リュウゼツラン(龍舌蘭・アガベ)という植物をご存じですか?
その名の通り、するどいトゲと硬い葉は力強い見た目で龍の舌を思わせます。別名アガベとも呼ばれています。
葉はロゼット状に広がり、トゲを持っています。
大きなものから小さなものまで300以上の種類がある多肉植物で、お洒落な観葉植物としても人気があります。
今回はそんなリュウゼツランの育て方をご紹介します。
リュウゼツラン(アガベ)の基本情報
学名 | Agave |
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英名 | Agave, Century Plant, Sentury Plant, Maguey |
その他別名 | アガベ |
科名 | リュウゼツラン科 |
属名 | リュウゼツラン属 |
原産地 | 南アメリカ・中央アメリカ・南インド諸島などの乾燥地帯 |
リュウゼツラン(アガベ)の特徴
リュウゼツラン(アガベ)は、テキーラの原料として知られています。
7年から8年かけて育ったテキーラ用の大きなアガベを使い、10kgのアガベから約1Lのテキーラを作ります。その他、アガベシロップも作られます。
また、リュウゼツランは何十年から100年もの歳月をかけて生長し、その間1度しか花を咲かせません。
葉の真ん中から花茎が2m~6mも伸び、その先に花を咲かせます。そして咲いたら枯れて死んでしまう事がほとんどです。
その事から、別名センチュリープランツとも呼ばれています。リュウゼツランの開花が見れたらまさに奇跡です。
リュウゼツラン(アガベ)の種類
たくさんの種類があるリュウゼツランですが、いくつかをご紹介します。
アオノリュウゼツラン(Agave americana)
青白い色をしたリュウゼツラン。大型種で直径3m以上にもなります。寒さに強い品種です。
アガベ・テキラーナ(Agave tequilana)
テキーラの原料となるアガベです。葉の先が非常に鋭くとがっています。
アガベ・滝の白糸(Agave leopoldii)
班が入った細い葉に、白いクルクルとした細いトゲが特徴です。比較的耐陰性があります。
アガベ・ベネズエラ(Agave desmettiana)
生育がゆっくりで鉢植え向きです。耐陰性は多少ありますが、そこまで強くありません。
アガベ・雷神 (Agave Potatorum)
肉厚で短かめの葉に赤茶のトゲを持っています。小型なのでコンパクトに育ちます。
リュウゼツラン(アガベ)の栽培・育て方
リュウゼツラン(アガベ)は、地植えでも鉢植えでも育てられます。
地植えの場合は、ぐんぐんと大きくなり地下茎が伸びて離れたところから仔吹きする可能性があります。
冬越し対策で移動しやすくする為にも、初心者は鉢植えの方が管理しやすいでしょう。
リュウゼツラン(アガベ)の育て方情報
分類・形態 | 観葉植物・熱帯植物・多年草 |
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草丈・樹高 | 5cm~200cm |
開花の時期 | 数十年に1度 |
花色 | 黄色・オレンジ・白 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 観賞用・常緑性・初心者にも育てやすい |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 4月~5月 |
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植え替え | 4月~5月 |
剪定 | 4月~10月 |
肥料 | 4月~10月 |
開花 | 未定 |
収穫 | 花が枯れた後、種が採れる |
リュウゼツラン(アガベ)栽培に必要な準備・環境
それでは、リュウゼツランのお世話に必要な物と環境をみてみましょう。
リュウゼツランのお世話に必要な物
- 鉢
- 多肉植物用の用土
- 底石(軽石や赤玉)
- 緩効性肥料
- リュウゼツランの株
- スコップ
鉢はリュウゼツランの大きさ(円周)と同じくらいのスリット鉢を用意しましょう。
日当たり・置き場所
リュウゼツランは日当たりの良い場所を好みます。たくさんお日様があたる場所に置いてください。
ただし真夏の直射日光は避け、明るい日陰か朝だけ日があたる場所が良いでしょう。
耐陰性があるものは外で育てて問題ありません。寒さに弱い品種は5度以下になる冬場は、家の中に入れてあげた方が安心です。
水やり
多肉植物なので、乾燥に強く葉に水を貯めておけます。水やりは土の表面が乾いたらたっぷりとあげるようにしましょう。
特に夏場は生育が盛んですので、水やりをしっかりしてください。しかし土が常に濡れているような状態は根腐れの原因となり、枯れてしまいます。
冬場も水を控えるように乾かし気味で育ててください。冬場は1ヶ月に1回程度あげれば十分です。
肥料
あまり肥料を必要としませんが、生育期の4月から10月は緩効性肥料を2か月に1度与えると良いでしょう。
用土
多肉植物やサボテン用の培養土を使って下さい。
温度
リュウゼツラン全体的には、暑さに強い植物です。
品種によって耐寒性が異なりますが、5度以下になる場合は室内で育てた方が霜で凍ってしまうのを防げます。
リュウゼツラン(アガベ)を育てるときのポイント
次に、育てる時のポイントをご紹介します。
選び方
リュウゼツランは安いものであれば、2,000円代から高いものだと30,000円近くするものもあります。
大きさやどこで育てたいのか、耐寒性なども含めて選ぶ品種を決めましょう。
植え付け・植え替え
植え付けには真夏や真冬を避けた時期が適しています。
植え替えは、1年から2年に1回で大丈夫です。植え替えをする前の1週間は水やりを止めて下さい。
植え替えの手順は以下の通りです。
- 1週間水やりをとめた株を古い鉢から出します。
鉢の周りをたたくと抜けやすくなります。 - 根のまわりをやさしくもみながら、古い土を落とします。
この時、傷んだ根や細い根は切ってしまって構いません。 - 子株があれば根を付けたまま取り、増やせます。
- 下の方の茶色くなった葉や傷んだ葉を取り除きます。
- 鉢の下に軽石や赤玉の中玉を底石としてひきます。
- サボテン用の用土を1/3くらいまで入れたら、株を真ん中に置き周りに土を入れます。
周りに入れた土は、割りばしなどで刺すと根と根の間までしっかりと入り込みます。 - 3日ほどたったら水やりをしましょう。
剪定・切り戻し
リュウゼツランが生長してきて木立になってきたら、胴切りをして形を整えます。
胴切りは、傷んだ下の葉っぱを剥ぎ取り、よく切れる清潔なナイフで茎を切ります。
切り口には、殺菌剤を塗布し3日前後乾かします。乾かしたら、水で発根させてから植え付けます。
切った下の方(根がついている方)も切り口に殺菌剤を塗布し、乾かしておくと、新しい葉が生えてきます。
ふやし方(株分け)
株分けで増やせます。鉢替えの際に、根本に子株がついているので、子株に根をつけたまま親株から切り離します。
気を付けるべき病気・害虫
アザミウマ、カイガラムシ、炭疽病にかかる事があります。
殺虫剤・殺菌剤
アザミウマは、家庭園芸用GFオルトラン粒剤やオルトラン水和剤などを使い対処しましょう。
カイガラムシは、ティッシュなどで取り除きましょう。
葉と葉の間に入って取りにくい時は、つまようじ等を入れて、取り除きます。
炭疽病にかかってしまったら、広がらないようにその葉を切り落としましょう。