
コーヒーの木は、つやのある濃い緑の葉が美しく、シックなインテリアグリーンとして人気です。
エチオピアが原産の熱帯植物ですので、四季のある日本では観葉植物として室内で育てることが一般的です。
家庭では、豆の収穫を目的に育てることの難易度は高めです。そのため、コーヒー豆の栽培として育てるというよりも、観賞用として育てる方がメインとなります。
環境を整えればコーヒーの実を収穫し、自家栽培のコーヒーを堪能できることもあります。
虫もつかず、花も咲かせるため人気の観葉植物の一つです。
今回は、そんなコーヒーの木の特徴と栽培の方法についてご紹介します。
コーヒーの木の基本情報
学名 | Coffea arabica |
---|---|
英名 | Arabian Coffee |
その他別名 | アラビアコーヒー・アラビアコーヒーノキ |
科名 | アカネ科 |
属名 | コーヒーノキ属 |
原産地 | エチオピア |
コーヒーの木の特徴
コーヒーの木は、アカネ科コーヒーノキ属の小高木です。
種や小さな苗から栽培すると最初のうちは花を咲かせませんが、3年〜5年ほどたって樹高が1mほどになると、初夏に白い花をつけます。
ジャスミンに似た見た目で、ジャスミンのような芳香があります。
そのあと、コーヒーチェリーやチェリービーンと言われている赤い実がなります。
その果実の中に入っている種を乾燥させて焙煎したものが、よく見るこげ茶色のコーヒー豆です。
家庭でコーヒー豆を収穫するまでには時間がかかりますが、コーヒーの木の花言葉にある「一緒に休みましょう」にならって、コーヒーの木を眺めつつ、コーヒーを飲みながら気長に待ちましょう。
コーヒーの木の種類
コーヒーの木の仲間(コーヒーノキ属)は、アフリカからマダガスカル島までのさまざまな地域で、多数の栽培種、野生種が知られています。以下に代表的な種類を紹介します。
アラビカ種(アラビカコーヒーノキ)
エチオピア原産。200以上の品種があり、現在の世界のコーヒー生産にて主流の種類となっています。
観葉植物として出回っているのはアラビカ種です。
ロブスタ種(ロブスタコーヒーノキ)
コンゴ原産。酸味や苦みが強めで、丈夫。生長が速いため収穫量が多く、主にインスタントコーヒーとして用いられています。
リベリカ種(リベリカコーヒーノキ)
西アフリカ原産。上記の2種とともにコーヒー豆の三原種の一つでしたが、最近では、コーヒー豆の品質が他より劣るため、全生産量の1%未満となっています。
コーヒーの木の栽培・育て方
原産国が熱帯地方なので高温多湿を好みます。
寒さに弱いため地植えには向いておらず、鉢植えで育てましょう。
耐陰性があるため、室内で栽培することが可能です。
日光を好むので、家の中の窓際の明るい場所に置いて栽培すると良いでしょう。
コーヒーの木の育て方情報
分類・形態 | 観葉植物・熱帯植物・果樹・小高木 |
---|---|
草丈・樹高 | 5cm~2m |
開花の時期 | 5月~6月 |
花色 | 白 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性・耐陰性・耐署性・観葉植物・香りがある |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 5月~8月 |
---|---|
植え替え | 5月~8月 |
肥料 | 4月~10月 |
開花 | 5月~6月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
耐陰性があるので室内で栽培が可能ですが、日光に当てると葉のつやも良くなり、生長を促すことができます。
室内では窓際の日当たりのよい場所に置きましょう。
ただ、直射日光が当たりすぎると葉の色が変色することがあるので、夏の日差しが強い時期は、レースカーテン越しに置いてあげるなど工夫が必要です。
水やり
夏の暑い時期は、木の生長期となるため、たっぷりめに水をあげましょう。
冬の寒い時期は、生育が停滞するので、乾かし気味にしてください。
3~4日おきの水やりで大丈夫です。
また、コーヒーの木は高温多湿を好むため、乾燥に弱く、時折、葉の表面に霧吹きで水を吹きかけてあげると元気になります。
用土
通気性があり、水はけの良い土を好みます。
市販の観葉植物用の培養土を使うとお手軽です。
または草花用培養土に赤玉土、ピートモス、パーライトなどを混合して用土にします。
コーヒーの木を育てるときのポイント
コーヒーの木の選び方
ホームセンターや園芸店、インターネット通販のほか、最近では雑貨店や100円ショップでも苗が販売されており、手軽に入手できます。
葉の色やつやを見て、元気そうなものを選びましょう。葉の数が多いものも良いでしょう。
植え付け・植え替え
植え付け、植え替えともに、5月~6月に行います。
植え替えは、鉢の底を見て、根がはみ出ていたり、鉢が小さく感じられてきたら適宜行ってください。
目安としては、2年に一度行うと良いでしょう。
元の鉢からコーヒーの木を取り出すときに、軽く値をほぐして、枯れた部分があれば取り除きます。
そして一回り大きな鉢を用意し、そこにハチ底石や鉢底ネットを敷いて、土を入れて植え付けていきます。
植え替え後はたっぷり水をあげましょう。
コーヒーの木の肥料の与え方
夏の時期は、あまり肥料は必要ありません。
秋の時期は、春と同じように肥料をあげてください。
冬の時期は、夏と同様にあまり肥料は必要ありません。
また葉色が悪いなどの場合は、液体肥料を1週間に1回程度与えると効果的でしょう。
剪定・切り戻し・収穫
コーヒーの木は、自然に形が整うためそれほどお手入れが必要なく、初心者でも育てやすい観葉植物です。
ただ、葉が混み合ってきたら少し間引くと、風通しがよくなります。
剪定の時期は、室内なので暖かい時期でしたらいつでも行うことができます。
樹形がもし乱れてきたら、好みの形に整えてください。
コーヒーの木のふやし方
コーヒーの木は、種でふやすことができます。
コーヒーの木の種は、身近な園芸店やホームセンターでは手に入ることは珍しいです。
焙煎されたコーヒー豆でも発芽する?と考える方もいるかもしれませんが、発芽はしません。
焙煎していない生豆でも発芽は難しいでしょう。
もし種が手に入ったら、そのまま撒きます。
コーヒーの木になる実から種を取り出す方法
コーヒーの木になる実から種を取り出す方法は、果肉を取って1日水に浸けてから土に蒔きます。
その後水やりをたっぷり行い、乾かないよう管理してください。
挿し木でふやす方法
元気な枝を、4~5節をとりましょう。
先端の新芽は使用せず、先端の2節は切り落としてください。
また下の方の葉はとっておきましょう。
葉っぱは6枚くらいになるのがベストです。
用意ができたら、挿し木用の土に植えましょう。
約1か月程度直射日光をさけて管理します。
新しい目が出てきて元気があれば成功です。
コーヒーの木を育てるのは難易度が高め|コーヒー豆は収穫できる?
コーヒーの木は熱帯地方の植物なので、日本の気候は栽培に向いていません。
日本では気温や雨量が十分でないため、コーヒー豆を収穫するには難易度が高いといえます。
ただし、豆の収穫を目的とせず、観葉植物として室内で育てるなら難易度は下がります。
花や実も楽しめるので、観賞用としておすすめの植物です。
ツヤのある葉や白い花、実がなる様子などを観察できて、インテリアとしても人気があります。
コーヒー豆を収穫できる可能性もあるので、大事に育てれば自家製コーヒーを楽しめるかもしれません。
コーヒーの木は何度で育てるのがベスト?
平均20℃くらいの気温で育てるのがベストです。
気温が高すぎても低すぎてもいけません。
例えば夏を涼しく快適に過ごせる避暑地のような場所が理想です。
特に寒くなる冬場は温度管理に注意し、室内の暖かい場所に置くといいでしょう。
気を付けるべき病気・害虫
観葉植物なので室内で育てるため、虫や病気にかかることなく手がかからないのが嬉しいですね。
殺虫剤・殺菌剤
特にありません。