
クワズイモは東南アジアやインドなどに自生している観葉植物です。
トロピカルな雰囲気の観葉植物ですが、日本の四国南部、九州、沖縄などの暖かい地域でも自生しています。
サトイモ科の植物で、茎の根本に里芋のようなごろっとした幹があるのが特徴です。
100円ショップなどでも販売されており、手軽なお値段で手に入ります。
室内でも育てられるクワズイモは初心者の方にもぴったりです。
是非、お気に入りの形を見つけて育ててみてください!
クワズイモの基本情報
学名 | Alocasia Odora |
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英名 | Alocasia |
その他別名 | アロカシア |
科名 | サトイモ科 |
属名 | クワズイモ属 |
原産地 | 日本(四国南部・九州・沖縄)・インド・台湾・東南アジア |
クワズイモの特徴
クワズイモは、その名の通り、食べることはできません。
樹液にはシュウ酸カルシウムという毒があります。
万が一間違って食べてしまうと、吐き気、嘔吐、痙攣、口の中の炎症などの中毒症状を起こします。
特に小さなお子さんやペットがいるご家庭は注意してください。
高温多湿に強く夏にぐんぐんと生長します。
芋部分から新芽を伸ばし、ハート型の葉をつけるのが特徴です。
このハートの形をした葉から、「復縁」や「仲直り」という花言葉がつけられています。
クワズイモの種類
クワズイモの仲間であるアロカシアは約70種類前後あります。
その一部を紹介します。
クワズイモ(アロカシア・オドラ)
日本では「クワズイモ」という名前で流通している品種です。
暑さに強く、光をとても好みます。
シマクワズイモ(アロカシア・ククラータ)
クワズイモよりも細長い茎に小さめの葉をつける品種です。
日本でも自生しています。
アロカシア・グリーンベルベット
ツヤのないマットな質感な葉を持ちます。
黄緑色の脈がはっきりとしていて、トロピカルな雰囲気がします。
アロカシア・ゼブリナ
茎にゼブラもようが入る品種です。
葉は細長いハートの形をしています。
アロカシア・アマゾニカ
濃い緑色の葉に、黄緑色の脈がくっきりと入っています。
葉のふちはギザギザとしていて、特徴的な見た目です。
アロカシア・バンビーノ
アロカシア・アマゾニカから品種改良されたものです。
小さ目のサイズで置き場にも困りません。
クワズイモの栽培・育て方
クワズイモは観葉植物の中でも暑さにも強く、寒さにも比較的耐えられます。
しかし、水やりの具合を誤ると、真夏や真冬に芋部分が腐ることがあります。
この点に注意して育ててください。
樹液が皮膚につくとかぶれる可能性があります。
作業をする際は、園芸用の手袋をつけましょう。
クワズイモの育て方情報
分類・形態 | 多年草・観葉植物 |
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草丈・樹高 | 30cm~2m |
開花の時期 | 6月~8月 |
花色 | 白 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 観賞用・常緑性 |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 5月~9月 |
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植え替え | 5月~9月 |
剪定 | 5月~9月 |
肥料 | 5月~10月 |
開花 | 6月~8月 |
栽培に必要な準備・環境
それでは、クワズイモを育てるのに適切な環境をみてみましょう。
日当たり・置き場所
風通しと日当たりが良い場所を選んでください。
室内で育てる場合は窓際などの光がよくあたる場所に置きましょう。
温かい時期はなるべく屋外で育ててあげると良いでしょう。
但し、西日にあたると葉焼けをおこしてしまいますので、注意してください。
水やり
クワズイモはお水が大好きな観葉植物です。
- 春と秋:土の表面が乾いたら、鉢の底から流れ出てくるまでたっぷりあげます。
- 夏:気温が30度以上の時は、常に土が湿っている状態にしましょう。
- 冬:水はあげすぎない程度にしましょう。鉢底から出てこない程度に、土が湿っているくらいで十分です。あげすぎると、芋が腐ってしまいます。
肥料
肥料は春から秋、気温が20度以上の時にあげてください。
葉の数が増えて、幹がしっかりと太くなるのを助けます。
真冬には肥料はあげません。
用土
水はけのよい、観葉植物用の培養土を使ってください。
自分で配合する場合は赤玉土(小粒)と腐葉土が4:6程度になるように混ぜてください。
温度
15度~30度がクワズイモの生育に適した温度です。
屋外で育てている場合は、気温が10度をきるような冬は、室内で管理しましょう。
クワズイモを育てるときのポイント
次にクワズイモを育てる時のポイントをご紹介します。
選び方
葉にツヤがあり、形がキレイなものを選びましょう。
芋の部分はお気に入りのかたちを見つけてください。
植え付け・植え替え
5月~7月が植え替えに適した時期です。
室温が20度くらい、真夏と真冬をさけて作業をしましょう。
植え替え手順は以下の通りです。
- 一回り大きな鉢に、底石ネットと底石を入れます。
- 1/3ほど用土を入れておきます。
- 古い鉢からクワズイモの株を取り出します。
- 根がぎゅうぎゅにまわっている場合、根の周りをやさしく揉みほぐし、古い土を落とします。
根が細くあまりつまっていない場合は、根を傷めないためにも土を取らずにそのまま植え替えましょう。 - 新しい鉢の中心にクワズイモを入れたら、周りに土を入れます。
- 水をたっぷりと与えて、1週間は日陰で管理しましょう。
増やし方(株分け・挿し木)
クワズイモは挿し木と株分けで増やすことができます。
樹液でかぶれてしまうのを防ぐために、作業をする時には園芸用のゴム手袋をつけてください。
挿し木
芋の上、茎の根本を清潔なハサミかナイフで切ります。
1日か2日、日陰に置いて乾燥させます。
その後は植え替えと同じ手順で、植え付けてください。
株分け
株分けは、植え替え時に子株をとるとよいでしょう。
植え替えの際に根をほぐし、子株に根をつけたまま切りはなします。
そのまま、植え替え手順にそって植え付けてください。
気を付けるべき病気・害虫
風通しの悪いところで育てているとハダニ、カイガラムシがつきやすくなります。
風通しのよい所に置き、葉の裏と表に葉水をして乾燥しないように予防しましょう。
硬くしぼった濡れ布巾で葉を拭いてあげるのも有効です。
また、軟腐病にかかる事もあります。軟腐病は菌が繁殖して芋や葉を腐らせてしまいます。
殺虫剤・殺菌剤
ハダニ、カイガラムシがついてしまったらその都度ティッシュや歯ブラシで除去しましょう。
まだ幼虫のうちは、牛乳をスプレーすると駆除できます。
しかし、成虫になってしまったらカイガラムシ用のスプレーやオルトランDX粒剤を使って駆除しましょう。
軟腐病にかかってしまったら、他の植物にうつさないためにもすぐに処分しましょう。