
品種改良によって生み出された、多種多様な花の色が特徴的なジャーマンアイリス。
春から夏にかけて花を咲かせるジャーマンアイリスは、花も大きくお庭のアクセントにピッタリです。
耐寒性、耐暑性があるため初心者にもとても育てやすいジャーマンアイリスの育て方や種類について、詳しく紹介します。
ジャーマンアイリスの基本情報
学名 | Iris germanica |
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英名 | Bearded Irises |
その他別名 | ドイツアヤメ・レインボーフラワー |
科名 | アヤメ科 |
属名 | アイリス属 |
原産地 | ヨーロッパ |
ジャーマンアイリスの特徴
ジャーマンアイリスは、日本に古くからあるアヤメやカキツバタとよく似た見た目の花を咲かせます。
しかし、ジャーマンアイリスの最も大きな特徴はその花の色や形の種類が多いことでしょう。
1800年代から始まった品種改良によって、鮮やかなブルーや深い黒色、白と青のグラデーションなど、他の花ではあまり見ることのない色の花を咲かせることに成功したジャーマンアイリス。
明治時代にゲルニカ種がドイツから日本に入ってきたことにより、ジャーマンという名前がつきました。
また、別名のレインボーフラワーもその花色の多さを反映した名前と言えるでしょう。
現在ではヨーロッパだけでなく、アメリカでも品種改良が行われていてこれからも花の色や形が増えていくことが予想されます。
ジャーマンアイリスの種類
ジャーマンアイリスには園芸品種としての種類の違いはありません。
しかし草丈や花色、花びらの形でいくつかの種類に分けることができます。
育て方に大きな違いはないので、お庭に取り入れたいカラーに注目して選んでみるのが良いでしょう。
花色の違い
ジャーマンアイリスの花色には、通常の一色であるセルフの他に上下の花びらの色が違うバイカラー、花びらの周りが違う色で縁取られているプリカータ、二つの色が混ざって絞りになっている霜降りがあります。
花びらの形の違い
ジャーマンアイリスの花びらの形は、通常のフリルの他に下側の花びらが大きく反り返った形をもつラッフル弁、花の縁が細かく縮れた形のレースの三種類があります。
ジャーマンアイリスの栽培・育て方
ジャーマンアイリスは、球根の状態で越冬するので比較的寒さに強い植物です。
耐暑性はありますが、夏の暑さや湿気で蒸れて病気になりやすくなってしまうことがあるので、風通しのよい場所を選んで植えましょう。
多湿にも弱いので、日当たりが良く乾き気味で管理するといいでしょう。
一度、根付いてしまえば管理の手間も少なく、初心者に育てやすい植物です。
ジャーマンアイリスの育て方情報
分類・形態 | 草花・球根・多年草 |
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草丈・樹高 | 90cm~100cm |
開花の時期 | 5月~6月 |
花色 | 紫・赤・黄色・オレンジ・ピンク・黒・青 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 花壇・鉢植え・切り花 |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 8月~10月 |
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植え替え | 8月~10月 |
肥料 | 3月・10月~11月 |
開花 | 5月~6月 |
栽培に必要な準備・環境
ジャーマンアイリスを育てるときに最も気を付けるポイントは、病害虫を予防するために水やりを乾き気味にすることと、肥料を少なめに管理することです。
日当たり、置き場所
風通しと日当たりが良く、乾き気味の場所で管理しましょう。
根元に水がたまることを防ぐために少し盛り土気味に植え付けるのが適しています。
水やり
乾き気味での管理が適しているので、庭植えの場合は水やりはほとんど必要としません。
鉢植えの場合は、梅雨の時期をのぞく春~夏は土の表面が乾いたら水を与えましょう。
肥料
多くの肥料を必要としない植物なので、春先と秋に株の根元に緩効性の化成肥料を施すのがよいでしょう。
用土
市販の園芸用土でかまいませんが、水はけをよくするために鉢底に赤玉土や鉢底石を入れましょう。
ジャーマンアイリスを育てるときのポイント
ジャーマンアイリスの選び方
球根に葉がついた状態で販売されているジャーマンアイリス。
球根や葉の根元がしっかりと固くなっているものを選びましょう。
植え付け
花が終わって球根が充実する8月~10月に植え付けをしましょう。
植え付け時は水をたっぷり与えますが、それ以降は乾き気味に管理します。
植え替え
ジャーマンアイリスは球根や芽が混みあってくると花付きが悪くなるので、数年に一度は植え替えをします。
球根を掘り上げて、大きすぎる場合は半分にして株分けします。
鉢植えの場合は、毎年新しい用土に入れ替え、ひとまわり大きめの鉢になるように注意して植え替えましょう。
増やし方
秋の植え替えで球根を掘り上げたときに、株分けして増やします。
花の終わったあとの葉は、20cm程度に切り詰め球根を分けて増やしていきます。
気を付けるべき病気・害虫
病気
ジャーマンアイリスの最もかかりやすい病気は軟腐病です。
高温多湿で発生しやすいので、周りの草を抜いて風通しを良くする、梅雨前後は水やりを控える、枯れた下草はこまめに取る、などの方法で予防しましょう。
害虫
ヨトウムシ、アブラムシ、ナメクジに注意しましょう。
葉の表面にくっつき、食害して弱らせてしまうのでよく観察して見つけたら取り除きましょう。
殺虫剤・殺菌剤
アブラムシには市販のスプレー剤を噴霧したり、オルトラン粒剤を根元にまいたりして駆除します。
ヨトウムシやナメクジは、株を観察して見つけ次第駆除するのが効果的です。
軟腐病には特効薬がないので、株の根元を観察して腐っている、柔らかくなって濡れている、などの症状が見られたら球根を掘り上げて処分することで対処しましょう。