
ベゴニアは、シュウカイドウ科、シュウカイドウ属の可愛らしい花を咲かせる植物です。
葉や花が左右非対称で雄花と雌花が別々に咲きます。
このように雌花と雄花を別々に咲かせる植物の事を、雌雄異花同株(しゆういかどうしゅ)と呼びます。
雄花の方が大きめの花を咲かせ、雌花は小さめです。
また、八重咲のベゴニアは、雄花が八重咲になり、雌花は一重咲きになります。
ベゴニアは丈夫で長く楽しめる為、初心者にも育てやすくおすすめです。
今回は、ベゴニアの育て方とコツを初心者にも分かりやすくご紹介します。
是非、お気に入りの品種を見つけて育ててみて下さいね!
ベゴニアの基本情報
学名 | Begonia |
---|---|
英名 | Begonia |
科名 | シュウカイドウ科 |
属名 | シュウカイドウ属 |
原産地 | ブラジル |
ベゴニアの特徴
花壇でよく見かけるベゴニアですが、ハンギングや寄せ植えにしても楽しめ、何種類かの色をまとめるとカラフルでとても素敵なバスケットができます。
また、葉にユニークな柄や色があるレックス・ベゴニアは数種類を一緒にまとめると、シックな寄せ植えになります。
ハンギングや寄せ植えにする場合は、ベゴニア・センパフローレンスや、フォーチュンベゴニアなどを使うと、こんもりとかわいく仕上がります。
寄せ植えには、ツル性植物やちいさな実が付いた植物を一緒に植えると相性が良いです。例として、
ツル性の垂れ下がる植物
ヘデラ(アイビー)、ワイヤープランツ、ヘリクリサムなどがあります。
可愛らしい実がついた植物
ヒペリカム、ジュズサンゴ、観賞用トウガラシなえどがおすすめです。
その他、シダ、カレックス、ティントクローバーやポリゴナム、セントポーリアなども一緒に植えるとお洒落に仕上がります。
ベゴニアの種類
ベゴニアの種類は大変多く、原種だけでも2,000種類以上あり、交配種を含めるとその何倍もの数になると言われています。
ベゴニア・センパフローレンス
道路わきの花壇などでよく見かけるベゴニアがセンパフローレンスです。
1年を通して楽しめるために、四季咲きベゴニアとも呼ばれます。
リーガースベゴニア(エラチオールベゴニア)
球根ベゴニアと、ベゴニア・ソコトラナの掛け合わせの品種です。
葉が厚くぷっくりとしています。
上手にお手入れすれば、一年を通して開花します。
球根ベゴニア
大きな花を咲かせる球根ベゴニアは、バラやツバキの花のようにとても華やかです。
垂れ下がるようなものや、直立するものがあります。
キダチベゴニア
キダチベゴニアは球根がなく、太い茎で支えられています。
しだれるように花をつけます。
根茎性ベゴニア
茎を横に這いながら伸ばします。
葉が大きいものから、独特の柄や色を持つものもあり、種類が豊富です。
テラリウムやガラス容器に入れて飾るのに適しています。
レックス・ベゴニアもこのグループです。
ベゴニアの栽培・育て方
ベゴニアは比較的丈夫なので、初心者でも育てやすい植物です。
但し、根が細く水のやりすぎで溶けてしまう事もあるので、その点に注意しましょう。
多湿にならないように、若干乾かし気味で育てるとよいでしょう。
また、葉は折れやすく傷つきやすいので、お手入れをする時はなるべく葉を傷めないように気を付けましょう。
ベゴニアの育て方情報
分類・形態 | 草花・多年草 |
---|---|
草丈・樹高 | 15cm~40cm |
開花の時期 | 一年中 |
花色 | ピンク・赤・黄色・オレンジ・白 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 常緑性・開花期が長い・道路脇花壇 |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 5月中旬~6月中旬 |
---|---|
植え替え | 5月中旬~6月中旬 |
剪定 | 5月中旬~10月 |
肥料 | 7月中旬から9月中旬以外の10か月間 |
開花 | 7月から9月以外の10か月間 |
栽培に必要な準備・環境
それでは、次にベゴニアを育てるのに必要な物と最適な環境をみてみましょう。
必要な物
- ベゴニアの苗
- プランターか鉢
- 用土
- 緩効性肥料
- 底石
- スコップ
日当たり・置き場所
そこまで日当たりを必要としません。
明るい日陰や、レースのカーテン越しなどやさしい明るさを好みます。
暑すぎる夏や直射日光には弱いので、避けてください。
水やり
土が乾いたら水をたっぷりと与えて下さい。
乾きには強いですので、水をやりすぎると細い根が溶けてします。
肥料
元肥を植え付け時に土に混ぜます。
2週間後に追肥を、さらに1ヶ月半、液肥を与えます。
真夏は暑すぎて休眠するので、7月中旬から9月中旬肥料は与えません。
用土
ベゴニアの種類によって若干異なりますが、共通している点は水はけの良い培養土で育てるという事です。
自分で土を配合する場合は、赤玉・バーミキュライト・ピーとモス・鹿沼土を3:3:3:1の割合で混ぜるとよいでしょう。
温度
生育に適した温度は、20度前後です。
真夏の30度以上になると暑さで弱ってしまいます。
また、5度以下になるような冬は、家の中に入れて凍らないようにしましょう。
ベゴニアを育てるときのポイント
次に育てる時のポイントをご紹介します。
選び方
ベゴニアは種からでも育てられますが、苗は100円程度のリーズナブルなものからあるので、苗から育てる事をおすすめします。
苗を選ぶ時は、なるべく葉に傷が少なく、こんもりとしたものを選びましょう。
植え付け
- 鉢やプランターに底石を敷きます。
- 用土に緩効性肥料を混ぜて、鉢の1/3程度入れます。
- ポットからベゴニアの苗を出し、鉢の真ん中に置きます。ポットの土はそのままついたままで構いません。ベゴニアの根は細いので、無理に土を取ろうとすると根を傷める可能性があります。
- 周りに用土を入れて、手のひらでぎゅっと押さえて苗が倒れないようにしましょう。
- 水をあげたら明るい日陰に置いて下さい。
剪定・切り戻し
どんどん伸びてきて形がみだれた場合は、剪定を行いましょう。
傷んだ葉がついた部分を切り落としながら、バランスを整えていきます。
剪定を行う事で風通しがよくなり、病害虫の予防にもなります。
また、茎を切ると秋から脇芽が出てボリュームが出るようになります。
ふやし方(株分け・挿し木・葉挿し等)
挿し木と葉挿しで増やすことができます。
春から初夏の4月~5月、秋は9月下旬~10月が適している時期です。
挿し木は、茎を3節前後つけて、約10cmほど茎を切ります。
下の方の葉は取り、上の方の葉を3枚前後残します。
清潔な土やバーミキュライトを湿らせて、挿しておきます。
新しい芽が出てきたら、根が張った証拠です。
レックス・ベゴニアは葉挿しか株分けで増やすことができます。
葉挿しの場合は、葉柄(ようへい)を2cmほどつけて、川砂かバーミキュライトに挿します。
または、くさび挿しという方法でも葉挿しができます。
くさび型に葉を切り、湿らせた用土に挿しておくと1ヶ月ほどで芽が出てきます。
気を付けるべき病気・害虫
風通しが悪いと、うどんこ病にかかりやすくなります。
その他、アブラムシ、灰色かび病(炭疽病)にかかる事もあります。
殺虫剤・殺菌剤
うどんこ病や灰色かび病が発生した場合は、早期であれば木酢液を水で希釈したスプレーをかけて対処します。
広範囲にひろがっている場合は、葉を切り落とす必要があります。
アブラムシは、牛乳スプレーをかけるか、歯ブラシやティッシュで取り除きましょう。