多年草「カンパニュラ」の種類と育て方【花言葉と開花時期も紹介】

カンパニュラは、ヨーロッパの地中海沿岸を中心に自生するキキョウ科の草花です。
明治時代に日本に渡来したといわれており、風鈴草(フウリンソウ)や釣鐘草(ツリガネソウ)と呼ばれ親しまれてきました。

カンパニュラは、ラテン語で「釣鐘」や「小さな鐘」という意味で、その名の通り、カンパニュラの花の形はベルのような形をしています。

花色には、青、紫、白やピンクがあります。

花言葉には、「感謝」「誠実な愛」「思いを告げる」などがあり、お世話になった人への感謝の思いや愛を伝えるのにぴったりなお花で、よくギフトに選ばれているようです。
今回は、そんなかわいらしい花をつけるカンパニュラの魅力と、栽培方法をご紹介します。

カンパニュラの基本情報

学名Campanula spp.
英名Bellflower
その他別名風鈴草(フウリンソウ)・釣鐘草(ツリガネソウ)
科名キキョウ科
属名ホタルブクロ属
原産地地中海沿岸地方

カンパニュラの特徴

カンパニュラは、膨らみのある形がかわいらしく、お庭に植えても鉢植えにしても華やかさを与えてくれます。

さまざまな品種があり、ほとんどが毎年花を咲かせる多年草の種類ですが、中には一年草や二年草のものもあります。
花の大きさは5㎝ほどで、花のつき方は本来下向きに咲きますが、改良が進んだ園芸種は横向きや斜め上向きのものも多く出回っています。

もともと地中海沿岸の標高の高い岩場に生息する植物であるため、寒さには強く、乾燥した土壌を好む傾向にあります。
ただ、高温多湿の環境が苦手なため、日本では関東よりも暖かい地域で栽培するには夏場に日よけをしたり半日陰の環境を作るなど工夫が必要です。

カンパニュラの種類

キキョウ科ホタルブクロ属に含まれるカンパニュラの仲間は300種ほどが知られています。
カンパニュラの主な種類をご紹介します。

カンパニュラ・メディウム

もっとも一般的なカンパニュラ。
和名はフウリンソウもしくはツリガネソウ。

寒色系中心に可憐な花を咲かせます。

カンパニュラ・パーシシフォーリア

和名は桃葉桔梗(モモバギキョウ)。
葉がモモの葉に似ていて、花はキキョウに似ているためこのような名前がついています。

カンパニュラの中では大きめな花をつけます。
切り花としても人気の品種。

カンパニュラ・グロメラータ

和名は八代草(ヤツシロソウ)と言い、熊本県の八代で最初に発見されたことからつけられました。
リンドウ咲きカンパニュラとも呼ばれており、リンドウのような青紫色の花をまとまって咲かせます。
国内では希少な花です。

カンパニュラの栽培・育て方

カンパニュラは、太陽を好み、比較的乾燥した土壌を好みます。

夏の日差し対策と、冬場は水やりを控えめにすることを心がければ、それほど難しい植物ではありません。
耐寒性があり寒さを好むため、豪雪地帯や凍ってしまう地域でない限り冬場も外で栽培してください。

カンパニュラは、一定の寒さに当てないと、花芽ができないという特徴もあります。

カンパニュラの育て方情報

分類・形態草花・多年草・山野草
草丈・樹高30cm~1m
開花の時期5月~6月
花色青・紫・白・ピンクなど
耐寒性弱い
耐暑性やや強い
特性・用途花壇・切り花・鉢植え・初心者でも育てやすい
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け9月~10月
植え替え9月~10月
剪定7月~8月
肥料3月~9月
開花5月~7月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

高温多湿を嫌うカンパニュラですので、日当たりがよく、湿気が少なく風通しがよい場所を選びましょう。

夏の時期は、直射日光を避けるために、鉢植えでしたら明るい半日陰に移動し、地植えの場合は日よけを作ってあげると良いでしょう。
逆に寒さには強いため、冬越しはそれほど心配しなくても大丈夫です。

水やり

カンパニュラはやや乾燥気味の土を好みます。
鉢植えの場合、冬場は土が乾いたと思ったら、控え気味に水やりを行います。
2、3日に一度程度で大丈夫です。
夏は、土が乾いたらたっぷりめに水を与えてください。

地植えの場合は、基本的に水やりをしなくても大丈夫です。
ただ、夏場の高温時期は午前中または夕方の涼しい時間に水やりを行ってください。

用土

酸性の土を嫌うため、酸性を避けます。
市販の園芸用の用土で問題ありません。

肥料

植え付けの際に、緩効性肥料を土に混ぜておくと簡単です。
冬は休眠期となりますので追肥は不要です。

冬が終わり、花を咲かせる頃になると肥料が必要となります。
3月ごろから土に挿しておくタイプの液体肥料を利用すれば、週一回のペースで忘れずに肥料を施すことができます。

カンパニュラを育てるときのポイント

選び方

カンパニュラの苗を選ぶときは、葉が変色したり虫に食われておらず、間延びしていないことを基準に苗を選んでみてください。

カンパニュラには多種多様な品種があるので、購入する際に特徴などをよく調べることも必要です。

植え付け・植え替え

植え付け、植え替えともに、9月か10月が適期です。
できれば10月上旬までに終わらせてください。

カンパニュラは移植を嫌うので、植え替えをそれほどしないでよいよう、大きめな鉢を選んで植えましょう。
地植えの場合も、1か所良い場所を決めたらそこで育てます。

剪定・切り戻し・収穫

カンパニュラは5月~6月にかけて開花します。
花が咲き終わったら、花がらを摘みます。
その際、枝は切らなくてよいです。

この花がらを摘まずにほうっておくと、種が収まる袋ができてきます。
そこから種をとって、種まきでふやすことができます。

また、カンパニュラは高温多湿が苦手なため、梅雨から夏にかけて風通しをよくしてあげるために剪定をする必要があります。
枯れた葉や、傷んだ茎、重なり合った部分などを切って、蒸れを防ぎます。

ふやし方

カンパニュラは、種まきや株分けでふやすことができます。
7~8月に黒い種ができるので、花が咲き終わってから種を収穫してください。

種まきは秋か、春に行うとよいでしょう。

株分けは、カンパニュラが鉢の中で育ち、鉢が小さくなってきたタイミングで取り出して、手で2つか3つの株に分けます。

気を付けるべき病気・害虫

カンパニュラは、ハダニがつくことがあります。
梅雨から夏にかけて、込み合った枝を剪定して風通しをよくすると予防することができます。

殺虫剤・殺菌剤

ハダニは乾燥に強く水に弱いので、葉の表裏に水をスプレーする(葉水)と良いでしょう。
または、市販の殺ダニスプレーも効果的です。