
お正月に飾るイメージのある葉牡丹。
昔は今よりも冬に手に入る花は少なく、お正月の頃、牡丹の花のように華やかに開く葉牡丹を飾ったことが始まりだったようです。
花言葉も、「祝福」や「愛を包む」など、年始にぴったりな縁起が良い言葉ばかりです。
最近では色形ともにさまざまな品種が登場し、その独特な存在感とシックな印象から、寄せ植えやアレンジメント、花束などでも人気の花材となっています。
今回はそんな葉牡丹の育て方や仕立て方などご紹介します。
葉牡丹の基本情報
学名 | Brassica oleracea |
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英名 | Flowering kale |
その他別名 | ハナキャベツ |
科名 | アブラナ科 |
属名 | アブラナ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
葉牡丹の特徴
葉牡丹はアブラナ科アブラナ属の草花で、別名「ハナキャベツ」といわれます。
ヨーロッパ原産のキャベツの仲間であるケールから改良され、もともとは食用とされていましたが、その後観賞用に品種改良されています。
花よりも葉を楽しむのがメインで、11月から4月頃までの寒い時期に長い間観賞することができます。
そのため葉牡丹は、何段階も姿を変化して楽しませてくれる奥の深い植物です。
見ごろの時期はそれほど虫もつかず、暑さや寒さにも比較的強く、肥料がなくても良く育つ葉牡丹は、ガーデニング初心者でも挑戦しやすい植物といえます。
葉牡丹の種類
もともとは、大きめな株の葉牡丹しかなく、和風に生けたりお正月飾りに用いられていました。
しかし最近ではミニ葉牡丹や、ミニミニ葉牡丹、逆に巨大な大型葉牡丹などさまざまなサイズのものが出回っており、冬のお庭やアレンジのアクセントや主役にもなりつつあります。
色も、紫、ピンク、白、緑のみならず、ブラック系やシルバー系なども登場し、選択肢が豊かになっています。
また、葉の形状にもいろいろあり以下のようなものも出回っています。
- ケール状の葉牡丹
- バラのような丸葉の葉牡丹
- ちりめん状になった葉牡丹
- 珊瑚のような見た目の切り葉系
葉牡丹の栽培・育て方
夏に種まきをするか、10月~11月ごろに苗を植え付けます。
日光を好む植物ですので日当たりの良い場所で育てます。
庭植え、鉢植え、プランターに寄せ植えなど、好みや環境に応じて適切な場所に植えます。
冬に見ごろを迎え、春に近くなるととう立ちします。
葉の部分が伸びていきツリーのような形状になり、その状態も楽しむことができます。
そのあと、黄色い花が咲きます。
咲き終わったら、花の下でカットすると、新しい枝が伸びてきます。
翌年、1つの株から何個もの葉牡丹が生えてきて、葉牡丹が躍っているような見た目になるため、これを踊り葉牡丹と呼んでいます。
この状態も、葉牡丹の醍醐味の一つとして楽しんでください。
葉牡丹の育て方情報
分類・形態 | 草花・二年草・多年草 |
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草丈・樹高 | 5cm~100cm |
開花の時期 | 4月~5月 |
花色 | ピンク・赤紫・紫・白・緑 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 花壇・鉢植え・初心者向き・カラーリーフ・切り花 |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 10月~11月 |
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植え替え | 10月~11月 |
開花 | 4月~5月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
暑さや寒さに比較的強く、一年中、日当たりの良い風通しの良い場所に置いて管理します。
ただ、寒い地域では、風が強い日や雪や霜が降りる時期は屋内に移動させたほうが良いでしょう。
水やり
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷり水をあげます。
地植えの場合は、植え付け時にたっぷり水を与えますが、生長したら降雨のみで問題ありません。
用土
水はけがよく保水性があり、有機質に富んだ用土を好みます。
市販の草花用の培養土や、赤玉土、腐葉土、ピートモスなどの配合土を用意しましょう。
葉牡丹を育てるときのポイント
葉牡丹の選び方
10月頃に苗が出回るので、園芸店やホームセンターなどで購入できます。
最近はさまざまな大きさ、色、形状のものが販売されています。
植えつけるプランターや鉢の大きさによってサイズを決め、色と形は自分の好みのものを選びます。
植え付け・植え替え
10月~11月頃、葉牡丹の苗を植えます。
複数購入する場合は、株の間を20cmほど開けて植えつけてください。
植えつけ後しばらくは半日陰の場所が好ましいです。
葉牡丹は、通常植え替える必要はありませんが、踊り葉牡丹を仕立てたい場合は、大きく育つため一回り大きな鉢に植え替えることをおすすめします。
剪定・切り戻し・収穫
特に剪定は必要ありません。
踊り葉牡丹を楽しみたい場合は、4月頃の花後に、花茎の花の下あたりを切り取る作業が必要です。
そうすると新しい枝が生えてきて、複数枝分かれするため、踊り葉牡丹を楽しむことができます。
その際に、花茎の切り口を濡らしてしまうと腐る可能性があるので、鉢植えの場合は屋内に移動してください。
庭植えの場合は、サランラップやアルミホイルなどで蓋をしておくと良いでしょう。
ふやし方
種まきやさし木でふやすことができます。
種まきは夏に行います。
葉牡丹の花から種を採りそれを植えたり、こぼれ種からふえていくこともあります。
さし木は、花後の新しい芽を使用して行います。
気を付けるべき病気・害虫
観賞期はほとんど病害虫に悩まされることはありませんが、暖かくなるとアオムシが発生しやすくなります。
殺虫剤・殺菌剤
アオムシは、見つけたら手で取り除くことができます。
また、オルトラン水和剤も有効です。