ポイントは日当たりと剪定?ハツユキカズラの上手な育て方

ハツユキカズラは斑入りの美しい葉が特徴的な、常緑性のつる植物です。

寒い時期に新芽がピンク~白に色づくため、冬の庭に貴重な彩りを与えてくれます。
丈夫で初心者でも育てやすく、寄せ植えの素材やグランドカバーなど活用の幅も広い植物です。

ハツユキカズラの育て方、きれいな新芽を上手に楽しむ方法をご紹介します。

ハツユキカズラの基本情報

学名Trachelospermum asiaticum 'Hatsuyukikazura'
英名Trachelospermum asiaticum 'Hatsuyukikazura'
その他別名フイリテイカカズラ(斑入り定家蔓)
科名キョウチクトウ科
属名テイカカズラ属
原産地日本(本州・四国・九州)、朝鮮半島

ハツユキカズラの特徴

ハツユキカズラの名前は蔓の先端の芽に白い斑が入り、うっすらと雪が積もったように見えることが由来です。
「化粧」や「素敵になって」花言葉もその姿にちなんでおり、緑の葉がおしろいや紅できれいに飾った様子にたとえられています。

テイカカズラというキョウチクトウ科の植物の園芸種で、特徴は何といってもピンクや白のきれいな新芽です。
先端がピンク、その下数枚は白色の斑が多く入り、古い葉になるにしたがって斑が減り濃い緑になっていきます。

遠目に見ると葉ではなく花が咲いているようです。
葉を楽しむのが一般的なためあまり知られていませんが、剪定のタイミングに気を付けると5月~6月ごろに花を付けます。

甘い香りのする白く小さな花です。
とても丈夫で、地植えして放っておくと塀を上り隣地に侵入するほど伸びることもあるので剪定が必要です。
そんな特性から「植えてはいけない植物」にあげられることもあります。

ハツユキカズラの種類

テイカカズラ(定家蔓)

ハツユキカズラの原種で日本の本州・四国・九州の林などに自生する多年性のつる植物です。
ハツユキカズラよりも成長が早く、ジャスミンのような甘い香りのする白い花をつけます。
フェンスに絡ませ生垣のようにしたりグリーンカーテンなどに使用されたりしています。

ゴシキカズラ(五色蔓)

ハツユキカズラ同様、テイカカズラの園芸種です。
オウゴン(黄金)カズラとも呼ばれます。

蔓の先だけでなく全体に黄~黄緑色の斑が入り、先端の葉はピンクではなく紅葉のような赤色です。
ハツユキカズラと混同されることが多い品種です。

ハツユキカズラの栽培・育て方

ハツユキカズラの特徴であるピンクや白の斑を上手に出すためには、しっかり光に当て肥料と水を切らさないことが大切です。
根詰まりも葉の色を悪くする原因になるります。
鉢植えは植え替えで根詰まりを防ぎましょう。

ハツユキカズラの育て方情報

分類・形態庭木・つる性植物
草丈・樹高50cm以上
開花の時期5月~6月
花色
耐寒性普通
耐暑性強い
特性・用途丈夫で育てやすい・初心者におすすめ・グランドカバー・カラーリーフ・常緑性・つる性・日陰でも育つ
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け4月~7月・9月~10月
植え替え4月~7月・9月~10月
剪定適宜
肥料4月~7月・9月~10月(鉢植え)
開花5月~6月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日陰でも育ちますが、きれいな斑を出すためには日当たりが必要です。
光が足りないと葉がすべて緑色になってしまい、白やピンクの新芽を楽しむことができません。

反面、強い直射日光が当たると葉焼けを起こし葉が茶色くなってしまいます。
鉢植えの場合は真夏は明るい日陰にするなど、対策をするとよいでしょう。

地植えは西日の当たらない半日陰がおすすめです。

水やり

乾燥させると葉が落ちてしまいます。
地植えはよほど乾燥しなければ水やりは必要ありません。

鉢植えの場合は土が乾き始めたら鉢底から水が流れるくらいたっぷり水やりしましょう。

肥料

肥料が少なすぎると斑の発色が悪くなります。
植え付けの際は緩効性の化成肥料を元肥として混ぜ込んでおきましょう。

その後は春と秋に置き肥するか液肥を施します。

用土

水はけがよく、保水性と保肥性のある土を好みます。
市販の培養土で育てられます。

温度

生育温度は10℃~25℃です。
冬は-5℃ほどまで耐えられます。

ハツユキカズラを育てるときのポイント

選び方

斑の入りが少なく緑ばかりのものは日照や肥料が足りていない可能性があります。
ピンクや白の新芽がしっかり出ているものを選びましょう。

植え付け

真夏を除く春~秋が適期です。
根鉢の2倍ほどの穴に植え付けましょう。

根が詰まっている場合はしっかりほぐしてから植え付けます。

植え替え

根の成長が旺盛なので、鉢植えは鉢底から根が見えるようになったら植え替えます。
根をほぐしてひとまわり大きい鉢に植えましょう。

剪定

花を咲かせる予定が無ければ季節を選ばず剪定ができます。
伸びすぎた蔓は適宜切り、バランスを整えましょう。

古い蔓を切ることできれいな新芽が出やすくなり、斑入りの葉が増えます。
花は新しい蔓にはつかないので、花を咲かせたい場合は花後の6月~7月ごろに選定するのみにします。

ふやし方

挿し木で増やせます。
初夏に10cmほどの蔓を切り、挿し木用の用土に挿します。

発根したら秋ごろに植え付けましょう。
また、蔓が地面につくとそこから根が生えるので、そこを切り取り植え付けることもできます。

気を付けるべき病気・害虫

病気は特にありませんが、風通しが悪いとアブラムシやカイガラムシがつくことがあります。

混みあった枝は剪定して風通しをよくしましょう。
カイガラムシには殺虫剤が効きにくいのでブラシでこそげ落とすなどの対処が必要です。

殺虫剤・殺菌剤

クロチアニジン等が有効です。