
シュウメイギクは、秋に花を咲かせる山野草で、風情のあるしっとりとした雰囲気が素敵です。
日本へは古く中国から渡来したと言われています。
花言葉は、「薄れゆく愛」「淡い思い」。
花言葉にも、シュウメイギクのどこか儚げな雰囲気を持った佇まいが表れています。
今回はそんな魅力的なシュウメイギクの特徴や栽培のポイントをご紹介します。
シュウメイギクの基本情報
学名 | Anemone hupehensis・Anemone hupehensis var. japonica |
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英名 | Japanese anemone・Japanese thimbleweed |
その他別名 | 貴船菊(キブネギク)・秋牡丹(アキボタン) |
科名 | キンポウゲ科 |
属名 | アネモネ(イチリンソウ)属 |
原産地 | 中国 |
シュウメイギクの特徴
シュウメイギク(秋明菊)は、「菊」という漢字が入っていますが、実際はキンポウゲ科に属し、アネモネの仲間です。
花の色には、白やピンクがあり、華奢な長い茎の上に大振りの花をつけます。
これは花弁ではなく、実際はガクが花びらのように変化したものです。
シュウメイギクは日本やアジアのみならず、欧米でも、「ジャパニーズアネモネ」の愛称で愛されています。
また、一本でも見ごたえがあるため、和の花材としても人気です。
学名や英名に「Japanese」などと入っていますが、シュウメイギクは日本原産の花ではなく、実は中国原産の帰化植物です。
シュウメイギクの種類
シュウメイギクには、一重咲きのもの、八重咲きのもの、花色も白、ピンク、濃いピンクがあります。
以下に代表的な品種を紹介します。
キブネギク
八重咲きで、濃いピンク色の花を咲かせます。
草丈は50~80cm。
ダイアナ
一重咲きで、濃いピンク色の花を咲かせます。
8~9月頃に開花し、草丈は小ぶりで15cmほど。
祭りシリーズ
矢祭園芸のオリジナル矮性種シリーズです。
娘シリーズ
矢祭園芸のオリジナル矮性種シリーズです。
シュウメイギクの栽培・育て方
シュウメイギクは秋に花を咲かせる多年草で、数年は同じ場所で開花してくれます。
半日陰でじめっとした場所を好むシュウメイギク。
そのような場所で持て余しているお庭のスペースがあれば、水やりもそれほど必要なく育てやすい植物ですのでぜひ植えてみてください。
シュウメイギクの育て方情報
分類・形態 | 多年草・山野草・草花 |
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草丈・樹高 | 30~150cm |
開花の時期 | 9月~11月 |
花色 | 白・ピンク |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 半常緑性・耐寒性が強い・日陰でも育つ・グラウンドカバー |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 3月~5月・9月~10月 |
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植え替え | 3月~5月・9月~10月 |
肥料 | 3月~5月・10月~11月 |
開花 | 9月~11月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
シュウメイギクは直射日光の当たらない、半日陰の場所を好みます。
またじめっとした湿潤地を好みます。
水やり
地植えの場合は、半日陰で湿潤地に置いてあげれば、水やりは必要ありません。
鉢植えの場合は、土があまり乾かないうちに水やりを行います。
夏の暑さも苦手で、水切れにならないよう、夏場は朝と夕方に水を与えてください。
冬場は、休眠期なのでそれほど水を必要としませんが、土が乾燥しないように適宜水やりを行ってください。
用土
シュウメイギクは、湿り気を好むため、保水性がよく、弱酸性の土壌が適しています。
たとえば赤玉土、鹿沼土、腐葉土を混ぜた用土などが良いでしょう。
肥料
植え付け時に、緩効性肥料を混ぜ込んでおきましょう。
そのあとは、花後に、お礼肥えとして緩効性肥料などを施します。
また、葉が出始めてから、月に一度程度、液体肥料を施します。
夏に近づいてきたらもう与える必要はありません。
高温期に肥料を与えると根っこを腐らせる原因となります。
シュウメイギクを育てるときのポイント
選び方
シュウメイギクの苗は、花の形や色が好みのものを選びます。
また、葉がきれいで害虫の被害にあっていないもの、株元にカビがついていないものを選びましょう。
植え付け・植え替え
植え付け、植え替えともに、3月~5月が適期です。
花が咲いたシュウメイギクであれば、9月~10月に植えつけることも可能です。
シュウメイギクは、すぐにふえるので、大きめの鉢を最初から用意するのが賢明です。
そして1、2年に一度は植え替えを行ってください。
剪定・切り戻し・収穫
花後は、枯れた花の茎を切り取ります。
そのままにしておくと種ができますので、種を収穫したい場合は、そのままにしておきます。
シュウメイギクは、秋に咲いて、冬は地上部は枯れてしまいます。
その際、茎を株元付近から切っておくと良いでしょう。
ふやし方
シュウメイギクは、種もしくは株分けでふやすことができます。
種を採る場合は、綿毛となって飛んで行ってしまうのを防ぐため、何か袋などをかぶせておくと良いでしょう。
地下茎でよくふえるシュウメイギクは、株分けでふやすのが一般的です。
葉が出始める前に一度掘り起こし、株を手で分けて、ほかの場所に植え付けます。
気を付けるべき病気・害虫
シュウメイギクは、新芽や蕾にハダニ、アブラムシがつきやすいので剪定をして風通しを良くしてあげましょう。
殺虫剤・殺菌剤
ハダニは乾燥に強く、水に弱いので葉の表裏に水をスプレーする(葉水)と良いでしょう。
または、市販の殺ダニスプレーも効果的です。
アブラムシには、ベニカベジフルスプレーなどが効果的です。