
ヒメイワダレソウは地面を這って成長する特徴のある植物です。
とても丈夫で病害虫にも強いことからグランドカバーとしても好まれています。
花期が長いのも特徴で、暖かくなると小さくて可愛い花を無数に咲かせるので、まるでお花畑のような雰囲気になるのも人気のひとつです。
今回はそんなヒメイワダレソウの育て方や植える時の注意点を紹介します。ぜひ参考にしてください。
ヒメイワダレソウの基本情報
学名 | Lippia canescens |
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英名 | Lippia |
その他別名 | イワダレソウ |
科名 | クマツヅラ科 |
属名 | イワダレソウ属 |
原産地 | 南米 |
ヒメイワダレソウの特徴
ヒメイワダレソウは漢字では「姫岩垂草」と書きます。岩などに生えつる性の茎を伸ばしながら垂れ下がるようにどんどん成長することからこの名前がつけられました。
とても繁殖力と生命力の強い植物で、雑草に負けず害虫の発生もほとんど心配することはありません。
そのことからヒメイワダレソウはグランドカバーとしても人気です。グランドカバーとは、地面一面を覆う植物のことで、代表的なのは芝生ですが、植えたらほとんど手入れがいらないヒメイワダレソウもグランドカバーにおすすめの植物。
春には、とても可愛らしい小さな花を無数につけ、まるでお花畑のようになります。
冬は地上部は枯れますが根はしっかり土の中で冬を越すことができます。
ヒメイワダレソウの種類
ヒメイワダレソウは世界中に約220種類自生していると言われています。
一般的に日本で見られるヒメイワダレソウの仲間を紹介します。
ロゼア
この品種はピンクの可愛い花を無数に咲かせます。
他のヒメイワダレソウと同様とても繁殖力と生命力が強く、グランドカバーのみならず寄せ植えとしても人気があります。
クラピア
こちらの品種はイワダレソウを園芸用に品種改良されて作られた品種です。
特徴や繁殖力などはヒメイワダレソウとほぼ変わりません。唯一の違いは、クラピアの方が草丈が低いです。
ヒメイワダレソウの栽培・育て方
ヒメイワダレソウは基本的には苗を購入して育てます。
日光を大変好むので日当たりのよい場所で管理してください。
注意する点は、繁殖力がとても強くどこまででも伸びて行きますので、あとで後悔することのないよう植える場所はよく考えるのがポイントです。
ヒメイワダレソウの育て方情報
分類・形態 | 草花 / 多年草 |
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草丈・樹高 | 5~10cm |
開花の時期 | 4月~11月 |
花色 | 桃・白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花時期が長い・グランドカバー・花壇・鉢 |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 4月~12月 |
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植え替え | 4月~11月 |
剪定 | 随時 |
肥料 | 5月~10月 |
開花 | 4月~11月 |
収穫 | 特になし |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
日当たりが良い場所で管理しましょう。
耐寒性・耐暑性ともに強いので、一年中屋外でもほぼ問題ありません。日光にたくさん当たって育つ植物は、どんどん成長するほかにも健康で丈夫に育つので、植え場所はよく日の当たる場所にしてくださいね。
水やり
鉢植えの場合は土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。
ポイントは、鉢底から流れ出るくらいしっかりとあげることです。この時に受け皿にたまった水は必ず捨てるようにしてください。
放っておくと加湿状態になり、根腐れを起こしてしまい、枯れる原因になります。
庭植えの場合は、植え付け時は根付くまでは土が乾いたら水をあげてください。根付いた後は、ほぼ水やりは必要ありません。
肥料
鉢植えの場合は、生育期間に2週間に1回程度液体肥料を与えてください。
用土
土も一般的な草花用の土で問題ありません。自分でブレンドするときは、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜてください。
温度
耐暑性・耐寒性ともにとてもつよいのでそれほど気にすることはありません。
寒冷地の屋外でも冬を越し春には花を咲かせてくれます。
ヒメイワダレソウを育てるときのポイント
選び方
ハリがあり、虫や病気がないものを選びましょう。とても生命力の強い植物ですが、できるだけ元気がよいものを購入してくださいね。
植え付け・植え替え
気温がグッと下がる冬場を除けば、基本的にはいつでも植え付けて大丈夫。
生育期間は4月~7月ですのでこの時期は特に植え付けには最適な時期です。 植え付け後はできるだけ水やりを行い、水切れには注意してくださいね。
植え替えは、鉢植えの場合にはしてあげましょう。
根詰まりを起こしていたら植え替えをしてあげるタイミング。根詰まりを起こしているかどうかは鉢低を外から見てみましょう。
根が外に飛び出したりしていますので簡単に判断できます。
根詰まりをほおっておくと、根が成長できず枯れる原因になるので注意してください。
ふやし方
ヒメイワダレソウのふやし方は「株分け」という方法で増やします。
鉢植えの場合は植え替えのタイミングで株分けを行いましょう。株分け後も植え替え同様、水切れに注意してください。
気を付けるべき病気・害虫
病害虫にはとても強いので、基本的には心配する必要はほぼありません 。
まれに、「白絹病(しらきぬびょう)」という病気にかかり枯れることがあります。
この病気の原因はカビですが、枯れたところは元に戻ることはないので 、病気にかかってしまった場合は、発生した場所の土ごと除去してください。 この時少し大きめに土を取るのをおすすめします。
殺虫剤・殺菌剤
白絹病にはバリダシン・リゾレックスが効果的です。