まるでカーペット!シバザクラ(芝桜)の育て方のポイント【開花時期・観光名所も紹介】

春、桜前線が通過した後に満開を迎えるシバザクラ(芝桜)。

ピンクや白の無数の花が地面を覆うように咲き、その様子はまるで美しいカーペットのよう。
全国各地の観光スポットで見たことがある人も多いのではないでしょうか。

今回は、丈夫で育てやすいシバザクラについてご紹介します。

シバザクラの基本情報

学名Phlox subulata
英名moss phlox
その他別名モスフロックス・ハナツメクサ(花爪草)
科名ハナシノブ科
属名フロックス属
原産地北アメリカ

芝桜(芝桜)の特徴

シバザクラ(芝桜)は名前の通り、芝のように地面を這って広がり、桜のようなピンクの花をつける植物です。

花色は濃いピンク・薄いピンク以外にも、白や紫、青っぽい色のものがあり、品種によって咲き方に個性があります。
花の大きさは小ぶりですが可愛らしく、満開時には株全体を覆うように、びっしりと咲くので見ごたえがあります。

シバザクラの開花期は4月~5月で、地域によって多少の差があります。
桜の開花シーズンが終わったころが目安で、見ごろの場所は徐々に北上していきます。

全国にはシバザクラを見どころにした公園や名所が沢山あります。
春爛漫、お花見に出かけるのも素敵ですね。
全国的に有名なシバザクラの観光スポットをいくつかご紹介しましょう。

北海道エリア

東藻琴(ひがしもこと)芝桜公園

小高い丘の斜面が鮮やかなピンクのシバザクラで覆われます。
見ごろは5月中旬~6月上旬。
広大な敷地が彩られる風景は見事で、多くの観光客が訪れます。

芝ざくら滝上公園

滝上公園の10万平方メートルに及ぶ小高い丘がシバザクラのピンクのグラデーションに埋め尽くされます。
絶景とともにシバザクラの甘い香りが楽しめます。

関東エリア

羊山公園(埼玉県)

秩父にある羊山公園の「芝桜の丘」が40万株以上の色とりどりのシバザクラで覆われます。
広い敷地に花が咲き誇る、絶景です。

富士本栖湖リゾート(山梨県)

約80万株のシバザクラが敷地を美しく彩ります。
雄大な富士とシバザクラの競演が見られます。

関西エリア

芝桜園 花のじゅうたん(兵庫県)

全国的に珍しい、シバザクラ専門の庭園。
4月中旬から5月上旬が見ごろです。

ゆるやかな丘の斜面が約50品種ものシバザクラで染まります。

中国・四国エリア

花夢(かむ)の里ロクタン(広島県)

5万平方メートルある丘に、80万株のシバザクラが一面咲き誇ります。
色が違うシバザクラを組み合わせて絵が描かれ、圧巻です。

シバザクラ(芝桜)の種類

オータム・ローズ

淡いピンクの花をつけます。
他のシバザクラにくらべて成長はやや遅く、育てやすい品種です。

冬でもきれいな葉をつけます。

リトルドット

やや小さめの、白い花をつけます。
成長がややゆっくりですが、強健です。

マックダニエルズ・クッション

花色は濃いピンク、花が大きいのが特徴です。
強健です。

オーキントン・ブルーアイ

青い芝桜です。
花びらに深い切れ込みが入っているのが特徴。
他のシバザクラに比べ、開花期間がやや長めです。

スカーレットフレーム

濃いピンク色で、中心部に模様が入っています。
花びらがやや細めで、小さめです。

多摩の流れ(キャンディストライプ)

明るいピンクの花びらに白い斑が入っていて、目をひきます。

シバザクラの栽培・育て方

日当たりと水はけのよい場所で育てましょう。

目立った病害虫がなく、乾燥に強いことから、初心者でも育てやすい植物です。
雑草防止のためのグラウンドカバーにもできますが、踏みつけには強くないので、観賞用のスペースに植えましょう。

過湿に弱いです。梅雨前には剪定を行い、蒸れて枯れるのを防ぎましょう。

シバザクラの育て方情報

分類・形態草花・多年草
草丈・樹高10㎝
開花の時期4月~5月
花色紫・ピンク・白・青・複色
耐寒性やや強い
耐暑性やや強い
特性・用途常緑性・グラウウドカバー・鉢植え
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け3月下旬~6月・9月下旬~11月中旬
植え替え3月下旬~6月・9月下旬~11月中旬
剪定6月(花後、梅雨の前)
肥料2月下旬~3月
開花4月~5月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。
地植えする場合、傾斜地など水がたまりにくい場所でよく育ちます。

名前に「芝」がつきますが、踏みつけには強くありません。
人が踏む場所は避けましょう。

水やり

植え付け直後は、しっかり根が付くまでたっぷりと水やりをします。
その後、鉢植えの場合は、表面の土が乾いたら、鉢底からあふれるほどたっぷり水やりします。
過湿にならないよう、水の与えすぎに注意しましょう。

庭植えの場合、基本的に水やりは必要ありません。
自然に降る雨だけで大丈夫です。

肥料

植え付けの際、元肥として緩効性化成肥料を施します。
その後、花が咲く前の2月下旬~3月頃に緩効性化成肥料を置き肥で施すと、花が沢山咲きます。

用土

水はけのよい土が適しています。

鉢植えの場合、市販の培養土で問題なく育ちます。
川砂を1~2割混ぜて水はけをよくしてもいいでしょう。
市販の培養土を使う場合は、肥料を足す必要はありません。

庭植えの場合、場所を選び、よく耕します。
土壌の水はけが悪い場合は、パーライトや軽石、腐葉土、バーク堆肥などをすき込み、水はけを良くしましょう。

また、雑草をしっかり取り除いておきましょう。

目土

地植えで数年育てていると、株元の土がはげ、茎が浮き上がってくることがあります。
植えたまま上から土を足してならす「目土」を行いましょう。

茎の下半分が埋まるぐらい、を意識して土を足します。
シバザクラは茎と地面が密着していると、そこから新しい根が出てきます。
目土を行うことで新しい根と芽の成長を促しましょう。

シバザクラ(芝桜)を育てるときのポイント

選び方

葉にツヤがあり、全体的に元気なものを選びます。
ラベルなどで花色や咲き方を確認しましょう。

植え付け・植え替え

春(3月下旬~6月)か秋(9月下旬~11月中旬)に行います。

シバザクラは周囲に這うように広がっていくので、株と株の間を20~30㎝取って植えつけます。

ポットから苗を取り出し、掘っておいた穴に置いたら、そっと土を入れます。
根と土を密着させるように軽く押さえ、最後にたっぷりと水やりをします。

鉢植えの場合、数年たつと根詰まりを起こすことがあります。
葉や花がつかなくなったら注意サインです。
一回り大きな鉢に植え替えましょう。

剪定・切り戻し

花が咲き終わった後、剪定を行い、風通しを良くします。

枯れた花がらを切り取るように、枝先を中心に刈り込みましょう。
全体の半分程度の草丈を意識します。
あまり株元まで切ってしまうと、芽が出てきません。

切り過ぎには注意します。多湿になる梅雨前までに行えば、蒸れて枯れるのを防げます。
刈り込んだ後、一カ月ほどすると新しい芽が出てきます。

増やし方

さし芽と株分けで簡単に増やすことができます。

さし芽

春(4月~5月)か秋(9月~10月)に行います。
新しい葉がついた、元気な茎の先を5~10㎝ほど数本切り取ります。

切り口が斜めになるように切るとよいでしょう。
下の方の葉を取り除き、水にさして吸水させます。
その後、しめらせた用土(あまり肥料分を含まない土)にさします。

約一カ月で発根するので、その間乾燥させないよう、水やりをします。
しっかり根が出たら植え替えましょう。

株分け

9月~10月が適しています。

大きな株の一部を、3号(9㎝)ポットの大きさ程度に堀り上げます。
なるべく根を残すよう気を付けます。

土を入れたポットに植え替え、しっかり根付くまで水をたっぷり与えて管理します。
根がしっかり出たら、他の土に植え替えます。

気を付けるべき病気・害虫

病気も害虫も特に気を付ける必要はありません。

殺虫剤・殺菌剤

特にありません。