トケイソウ(時計草)の育て方!花言葉や名前の由来についてもご紹介

トケイソウは時計の文字盤のような珍しい形の花を咲かせる、多年性のつる性植物です。

種類が豊富で、原種だけで500以上、栽培品種を入れるとそれ以上の数が存在します。
熱帯の果物として知られるパッションフルーツもトケイソウの一種です。

熱帯の植物ですが日本での栽培もそれほど難しいものではありません。
今回はユニークな花を持つトケイソウについてご紹介します。

トケイソウ(時計草)の基本情報

パッションフラワー(受難の花)・ボロンカズラ(梵論葛)
学名Passiflora caerulea
英名Passion flower
その他別名
科名トケイソウ科
属名トケイソウ属
原産地熱帯アメリカ・アジア・オーストラリア

トケイソウ(時計草)の特徴

トケイソウの花は大きな花弁が10枚(実際は花弁と萼が5枚ずつ)、その上に糸状の副花冠が放射状に並んでいます。
花弁が文字盤、副花冠が目盛り、そしてよく目立つ3本の雄しべが時針・分針・短針に見えることが名前の由来です。

また、雄しべが釘、副花冠がいばらの冠に見えることからキリストの受難を伝えるため、布教に使用された歴史があります。
宗教にちなんだ花言葉が多いのはそのためです。

英名の「Passion flower」のPassionは一般的に「情熱」と訳されますが「受難」という意味もあり、トケイソウは「受難の花」という意味です。

果実は食べられるものが多く、パッションフルーツもトケイソウの1種です。

トケイソウ(時計草)の種類

パッシフロラ・カエルレア

日本でよく栽培されている品種です。
花弁が白く、内側から紫、白、青と色が変わる副花冠が美しいです。

耐寒性がやや強く、関東から西では落葉するものの屋外での冬越しが可能です。
オレンジ色の実は食用できますが、市販のパッションフルーツほどの滋味はありません。

パッシフロラ・アメジスト

花弁と萼が大きく反り返り、時計の針のような雄しべを突き出すように咲きます。
花は紫色で、丈夫で育てやすい品種です。
耐寒性もやや強く、暖地では屋外で冬越しできます。

パッシフロラ・クリアスカイ

耐寒性が強く、-15℃まで耐えられるので屋外での冬越しが可能です。
丈夫で育てやすい品種です。

クダモノトケイソウ(パッシフロラ・エドゥリス)

果実がパッションフルーツとして流通している品種です。
生育温度が20℃~30℃と高く、4月~6月の開花期に20℃を下回ると結実しないことが多くなります。

暖地であれば花も果実も楽しめ非常に魅力的です。

トケイソウ(時計草)の栽培・育て方

亜熱帯~熱帯の植物なので、日本では耐寒性の強い品種が中心に流通しています。

過湿に弱いので乾燥気味にする必要がある反面、水に弱いハダニがつきやすいため葉水などの対策も必要になります。
品種によって特性が異なるので、育てる品種の特性についてきちんと調べるようにしましょう。

トケイソウ(時計草)の育て方情報

分類・形態熱帯植物・多年草
草丈・樹高3m以上
開花の時期5月~10月(品種により異なる)
花色白・紫・赤・ピンク・黄
耐寒性品種により異なる
耐暑性強い
特性・用途つる性・食用(一部)・グリーンカーテン・開花期が長い
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け4月~6月
植え替え4月~6月
剪定4月・9月~10月(切り戻し)
肥料4月~10月
開花5月~10月(品種による)
収穫7月~8月(品種による)

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりと水はけのよい場所を好みます。
湿気が多いと枯れてしまいやすいので、風通しの良い場所だとなおよいでしょう。

品種にもよりますが耐寒性が弱いので霜が降りる地域では鉢植えにし、冬場は日当たりのよい室内で管理する必要があります。

水やり

地植えの場合はよほど乾燥しない限り必要ありません。
鉢植えの場合は表土が乾いたら水やりします。

夏場は蒸れないよう、早朝か夕方に水やりするようにしましょう。

肥料

4月~10月ごろは成長が盛んなので、定期的に緩効性の肥料を施します。
地植えは肥料をそれほど必要としないので、樹勢を見ながら施肥しましょう。

用土

水はけのよい用土が適しています。
赤玉土7:腐葉土3の配合で土づくりをし、元肥として緩効性肥料を混ぜ込んでおきましょう。

温度

品種によって差がありますが生育温度は20℃~30℃で、3℃~5℃以下の気温に耐えられないものが多いです。
冬季は暖地以外では室内管理、暖地でも霜よけの対策をしたほうがよいでしょう。

トケイソウ(時計草)を育てるときのポイント

選び方

トケイソウは一般的に苗で流通しています。
葉の緑色がきれいで、茎がしっかりしているものを選びましょう。

植え付け

植え付けは4月~6月の温かい時期におこないます。
地植えの場合は腐葉土や赤玉土などをすきこみ、水はけのよい土にしましょう。

鉢やプランターは深型のものを使用します。
30cmほどの間隔で根鉢を崩さず植え、植え付け後はたっぷり水やりをしましょう。
つる性なので支柱が必要です。

植え替え

鉢植えの場合は根詰まりを防ぐため1、2年に1回植え替えしましょう。

摘心・切り戻し

花をたくさんつけたい場合やグリーンカーテンで広く枝を広げたい場合は摘心をおこないましょう。

6月~9月ごろには伸びすぎや混みあいすぎた枝を適宜切り戻ししましょう。
2月には休眠期に入るので、太く元気なつるを残して切り戻し次のシーズンに備えます。

ふやし方

トケイソウは挿し芽で増やせます。
適期は5月~7月ごろで、2節ほど残した枝を切り取ったら根本側を清潔な用土に挿しておきます。
根が張るまでは乾燥に注意しましょう。

気を付けるべき病気・害虫

害虫はハダニ・アブラムシなどがつきます。
ハダニは水気を嫌うので、葉水をおこなうことで防げます。

枝を選定し適度にすいておくことも大切です。

殺虫剤・殺菌剤

クロチアニジン・フェンプロパトリンが有効です。