一年中葉が美しい!ツルニチニチソウの育て方【栽培のコツ・剪定方法】

春から初夏にかけて、爽やかな紫の花を咲かせるツルニチニチソウ(蔓日々草)。
葉は常緑性で一年中美しく、寄せ植えなどでも活躍します。

今回は、とても丈夫な性質をもっていて育てやすい植物、ツルニチニチソウについて紹介します。

ツルニチニチソウの基本情報

学名Vinca major
英名periwinkle
その他別名蔓桔梗・ビンカマジョール
科名キョウチクトウ科
属名ツルニチニチソウ属(ビンカ属)
原産地南ヨーロッパ

ツルニチニチソウの特徴

ツルニチニチソウ(蔓日々草)は名前の通り、「ツル」性で、「ニチニチソウ」に似た花を咲かせる植物です。
地面を這うように軽やかにつるを伸ばしては、その節から根を出し、生え広がります。

生育旺盛で、少し立ち上がりながら地面を覆うように増えるので、雑草防止を目的としたグラウンドカバーに利用されることもあります。
常緑性ゆえに、一年中美しい葉が楽しめるのが特徴で、鉢植えはもちろん、ハンギングや寄せ植えなどにも重宝されます。

ツルニチニチソウはとても丈夫な性質をもっていて、あまり手をかけなくてもよく育ちます。
放っておいてもぐんぐん育つので、逆に増えすぎないよう、注意しながら育てましょう。

ツルニチニチソウの葉・つるの特徴

ツルニチニチソウのつるが鉢から枝垂れた姿はリズミカルで、全体に活き活きとした雰囲気になります。
とりわけ、葉に斑が入った品種は明るい印象を生むので人気があります。

ツルニチニチソウの花の特徴

ツルニチニチソウの花は、春から初夏に咲きます。
基本は薄紫色で、筒状の花の先が五枚に裂けたプロペラのような形をしています。

新緑の季節にふさわしい、爽やかな印象で、この花が好きで育てている人も多いでしょう。
花は長い期間、次々と咲き続けます。

日当たりの良い場所では、特に同時に沢山の花がつき、見ごたえが出ます。

ツルニチニチソウの種類

ヒメツルニチニチソウ(ビンカ・ミノール)

基本のツルニチニチソウよりも葉や花が小さい品種です。
花径2.5㎝ほど。耐寒性がツルニチニチソウよりもやや強いです。

葉は斑入りのものもあり、花色は白、薄紫、濃い紫など、ツルニチニチソウよりも豊富です。
小ぶりなので、寄せ植えに向いています。

斑入りのツルニチニチソウ

葉の中央に黄色の斑が入っているツルニチニチソウ。
明るい印象です。

緑の葉を白で縁取る種類の斑入りもある。

ツルニチニチソウの栽培・育て方

日当たりの良い場所から半日陰までよく育ちます。
とても丈夫な性質で、目立った病害虫もありません。

生育旺盛で、あまり手をかけなくても生え広がります。
必要のない場所にまで広がったら、適宜切り戻して育てます。

ツルニチニチソウの育て方情報

分類・形態庭木・多年草(または亜低木)
草丈・樹高10~60㎝(つるの長さは1m以上)
開花の時期3月下旬~6月上旬
花色紫・白・淡青
耐寒性普通
耐暑性強い
特性・用途常緑性・つる性・カラーリーフ・グラウンドカバー
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け3月下旬~5月上旬・9月下旬~10月
植え替え3月下旬~5月上旬・9月下旬~10月
剪定適宜
肥料6月上旬(鉢植え)
開花3月下旬~6月上旬

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりが良い場所はもちろん、半日陰でも育ちます。
花を沢山咲かせたい場合は日当たりの良い場所がいいでしょう。

斑入りの葉は日差しが強すぎると痛みます。
葉を美しく楽しみたい場合は、半日陰に植えましょう。

いずれにしても、水はけの良い場所に植えます。

水やり

鉢植えの場合は、表面の土が乾いたら、鉢底からあふれるほどたっぷり水やりします。
過湿を嫌うので、水のやり過ぎには注意します。

庭植えの場合、植え付け直後を除き、基本的に水やりは必要ありません。
自然に降る雨だけで大丈夫です。

肥料

植えつける際に、緩効性の化成肥料を元肥として施します。

鉢植えの場合、花が咲いた後の時期に緩効性化成肥料や有機質肥料を追肥として与えます。

庭植えの場合は、追肥は必要ありません。

用土

水はけが良く、通気性の良い土が向いています。

鉢植えの場合、市販の培養土で問題なく育ちます。
土を配合する場合は、赤玉土小粒5:腐葉土4:砂1の割合で混ぜ合わせるといいでしょう。

庭植えの場合、土をよく耕し、水はけが悪いようなら腐葉土などをすき込んでおきます。

温度

ある程度寒さには耐えますが、寒さで葉が傷みやすいのです。
葉を長く観賞したい場合は、冬に簡単な防寒を行います。

夏越しの対策も特に必要ありません。

ツルニチニチソウを育てるときのポイント

選び方

葉にツヤがあり、元気なもの、葉と葉の間隔が狭いもの、病害虫の跡がないものを選びます。
株元からつるが沢山出ている苗が良いでしょう。

植え付け・植え替え

春(3月下旬~5月上旬)と秋(9月下旬~10月下旬)が適しています。
株元の節を埋めるように深く植え付けます。株と株の間は30㎝とりましょう。

鉢植えの場合、繁殖力旺盛のため、根詰まりを起こします。
数年ごとに植え替えを行いましょう。
一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けして植え替えます。

剪定・切り戻し

繁殖力旺盛で、ぐんぐんつるが伸びます。
広がり過ぎるときは、必要のないつるを適宜切り戻したり間引いたりします。
つるの途中で切ると枝分かれして増えてしまうので、間引くときは根元から切ります。

斑入りのツルニチニチソウから緑色の葉がつく枝が出たときは、早めに切り取ってしまいます。

鉢植えのツルニチニチソウは、新しいつるが出てきたときに、古いつるを根元から切って株を更新しましょう。
美しい姿を保つことができます。

庭植えの場合も、春になって新芽が出てきたら、古いつるを切って美しい姿に整えることができます。
冬の間に傷んだ葉や、伸びすぎたつるを根元から整理し、新芽にしっかり日を当ててあげましょう。

増やし方

株分けか挿し芽で増やすことができます。

株分けは、つるから根が出て、地面に根付いている部分を切り取り、他の土に植え替えます。

挿し芽は、初夏(花の後、5~6月頃)に行います。
つるが勢いよく伸びるのをやめ、堅くなったころに、つるの先を2~3節分の長さで切り取り、水をしっかり吸わせてから、用土に挿します。

明るい日陰で乾燥させないようにして管理し、発根させます。

気を付けるべき病気・害虫

病気

特に目立った病気はありません。

害虫

特に目立った害虫はありません。

殺虫剤・殺菌剤

特にありません。