
オモトの楽しみ方は、まるで盆栽や洋蘭のように姿や葉の形、色、葉の模様、花を楽しむ日本伝統の園芸でしょう。
オモトを伝統的に観葉植物として楽しむようになったのは、1000年以上の前のことなのです。
種類も現在では多くのものあり、それは日本独自で改良され、盆栽のように世界に誇れる園芸となります。
今回はオモトの種類を交えながら育て方を解説します。
おもとの基本情報
学名 | Rohdea Japonica |
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英名 | Rohdea Japonica Roth |
その他別名 | 万年青・辛抱草・縁起草 |
科名 | キジカクシ科(ユリ科) |
属名 | オモト属 |
原産地 | 日本・中国 |
おもとの特徴
独自で改良されたオモトは、盆栽のように園芸を楽しむ植物とされており、植木鉢にもこだわりを持たせて育てます。
葉の変化(葉芸)、斑(模様)、大きさを楽しむことが一般的とされています。
花は梅雨ごろに黄色の総状花序の花を咲かせ、秋に赤い実をつけます。
また、葉が常緑性であり、葉を落とすこともないことから「長寿」と花言葉が付けられました。
昔から、縁起のよい植物とされ、武家屋敷や皇族などでも贈り物として献上されていたとされています。
おもとの種類
オモトの種類は1000〜2000種以上とされ、現在でも新しく品種改良が行われ、名前の登録も行われてます。
オモトは「大葉」「中葉」「小葉」の3つに大きく分類され、その中でも葉の模様や形、肉厚さなどで系統が別れます。
今回はオモトの大まかな品種別とその代表的な品種を紹介します。
大葉系統:葉の長さが30cm以上の大型のものを指し、地植えでも問題なく育つち、比較的原種に近い。
残雪
葉に白のモザイク柄の斑は入っており、オモトの代表的な品種となります。
外輪山
葉の根元から中間部までは黄色でその先が緑色をしているが、グラデーションが強く効いた美しい品種です。
大勲
大葉の羅紗系統となっており、大葉の中で特に肉厚の葉を持っていることが特徴です。
中葉系統(薄葉系統):葉の長さが15〜20cmのものを指し、葉肉が薄く、葉芸や模様に優れた物が多い。
日月星
一文字斑という斑が入っている一文字系です。葉が非常に細く、白い線状の斑が無数に入る品種で代表的な品書となります。
千代田の松
千代田斑という斑が入っている千代田斑系です。白く霞んだような斑が入っている品種で、力強い姿をしていることが特徴でしょう
四君子
葉にカールがかかっている獅子系で、全体的に丸い形をしています。巻いた葉には黄色い斑が入っていのが特徴です。
小葉系統(羅紗系統):葉の長さが15cm以下の小型のものを指し、葉が厚いなど葉芸に富んだものが多い。
新生殿
黄色の粗々しい斑が入り、葉芸がとても迫力ある姿をしている品種です。
天光冠
オモトの中では一番葉肉が厚く、小さくても存在感の大きい品種となります。
おもとの栽培・育て方
日本に自生していることから、非常に順応性があり、初心者でも始められる植物です。
植木鉢にも拘って、日本の古い歴史を楽しむこともよいですが、もちろん管理には十分気をつけましょう。
葉の斑の色落ちや葉焼けの原因も起こりかねないのでしっかりとしてケアが必要です。
おもとの育て方情報
分類・形態 | 多年草/観葉植物/常緑多年草 |
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草丈・樹高 | 3cm〜50m |
開花の時期 | 5月〜6月 |
花色 | 黄、乳白色 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 常緑性、観葉植物 |
栽培難易度 | 易しい |
栽培スケジュール
植え付け | 5月〜6月、9月〜11月 |
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植え替え | 5月〜6月、9月〜11月 |
肥料 | 5月〜6月、9月〜11月 |
開花 | 5月〜6月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
直射日光に当たらないように管理することがポイントです。
自生している場所も森林の中の木漏れ日がある場所で育っているため、半日陰で育てるとよいでしょう。
直射日光の当てすぎは、葉焼けや葉色を悪くさせる原因となります。
水やり
鉢の表面の土が乾いた後に、下から水が流れるくらいたっぷりと水を与えましょう。
用土
浸透性と通気性に優れた土がよく、無機質の赤玉土や鹿沼土を使うとよいです。
肥料
肥料はあまり必要なく、基準の量よりも少なく与えます。時期は生長期の春と秋に油かすなどの置き肥を行い、2ヶ月後に取り除くようにしましょう。
おもとを育てるときのポイント
植え付け・植え替え
3年に1度の目安で植え替えを行います。
根が地上に見えてきた場合も、植え替えの合図となりますので、植え替えを行い、新根などはミズゴケなどで表面を覆うと乾燥防止ができます。
剪定・切り戻し・収穫
葉色が悪くなったものは切り取りましょう。
1年間のうちに葉は2〜6枚ほどしか入れ替わりません。
ふやし方
株分けによる増やし方がよく、植え替え時に株をほぐして土に入れます。
直射日光に当たらないように、遮光しながら管理しましょう。
気を付けるべき病気・害虫
病気
特になし
害虫
風通しが悪く乾燥が続いた状態が続くと、ハダニやカイガラムシが発生しやすくなります。
また屋外ですと、ダンゴムシやナメクジなどの害虫が新芽や発芽直後に食害なども発生する恐れがあるので注意しましょう。
殺虫剤・殺菌剤
できるだけ殺虫剤は使わず、葉水をこまめに行い、外で管理する際は防虫対策を取りながら管理することです。