オジギソウは、夏から秋にピンク色のボンボンのようなかわいい花を咲かせます。
葉に少しでも触れると、まるで御辞儀をしているかのようにみるみる葉を閉じ、茎も垂れ下げるとてもおもしろい植物です。
今回はそんな謙虚で繊細なオジギソウの育て方と、葉を閉じる仕組みについて解説します。
オジギソウの基本情報
学名 | Mimosa pudica |
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英名 | sensitive plant |
その他別名 | ネムリグサ・ミモザ |
科名 | マメ科 |
属名 | オジギソウ属 |
原産地 | 南米 |
オジギソウの特徴
オジギソウは、触れたり振動を与えると葉を先端から閉じて、茎も下へ垂れ下がった状態になります。
また、夜になると葉や茎を閉じて就眠活動に入ることから、別名ネムリグサとして呼ばれています。
温暖な環境下では1年を通して見られる植物ですが、寒い地域では冬越しが難しいため1年草として扱われています。
育てる際は、冬の時期は特に注意を払ってケアしてあげましょう。
オジギソウの花言葉
オジギソウの花言葉には、繊細な感情・敏感・謙虚などがあります。
少し触れただけでも閉じて小さくなることからこのような花言葉がついています。
花言葉の通り非常に繊細な植物ですが、南米が原産で沖縄にも自生しており、暑さには強い植物です。
オジギソウは触りすぎると枯れる?
オジギソウを触りすぎると枯れるという話を聞いたことはありますか?
その理由は、オジギソウが葉を閉じる仕組みにあります。
オジギソウが葉を閉じる仕組み
オジギソウは葉の根本に水をためています。
オジギソウの葉に触れると、刺激を受けて中のタンパク質が反応し電気信号を送ります。
すると、葉の付け根にある主葉枕の水分が一気に上部に移動します。
下部は水が抜けてしまうため縮んで上部が膨張し、葉が閉じて茎が垂れ下がります。
この反応がお辞儀をしているようにみえるのです。
何度も何度もさわってしまうと、その反応が薄くなってきて、枯れてしまうことがあります。
かわいいけれども、触りすぎには注意ですね!
オジギソウの種類
オジギソウ本来の名前はミモザといい、海外ではミモザと呼ばれています。
しかしややこしいことに、生物学上ではミモザという植物は正式にはありません。
そして、オジギソウの種類は存在しませんが、ミモザ(オジギソウ)と分類される属種は400種類の生態が確認されています。
また、日本でミモザと言うと、主にアカシアの木を一般的に指すようです。
オジギソウの栽培・育て方
オジギソウは日当たりがよい場所を好みます。
また南米が原産地ということもあり、日本の冬の寒さを越すのが難しいとされています。
室内で育てる場合は越冬も可能なので、置く場所に気をつけて枯らさないように育ててみましょう。
オジギソウの育て方情報
分類・形態 | 多年草・庭木・1年草(東京以上では冬を越すのが難しいため1年草扱い) |
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草丈・樹高 | 30㎝〜50㎝ |
開花の時期 | 6月〜10月 |
花色 | ピンク |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 寒さに非常に弱い・室内育成でも気をつける必要あり |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 6月 |
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植え替え | 5月〜6月 |
剪定 | 6月〜8月 |
開花 | 5月〜9月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
オジギソウは寒さに弱いため、日当たりのよい暖かい場所で育てましょう。
オジギソウの冬超し
オジギソウは寒い冬を越すのが難しいため、地植えよりも鉢植えがおすすめです
鉢植えは、冬になったら屋内に入れ、ライトを設置して育てていきましょう。
室内でも気をつけないと枯れてしまうので、エアコンが直接当たらず日の当たる場所を選んでください。
地植えをする場合は越冬は難しいため、一年草として育てて、翌年また種をまくか苗から育てましょう。
水やり
土の表面が乾き白っぽくなってきたら、水をたっぷりと与えます。
地植えの場合は雨水だけでも育ちますが、土の表面が乾燥していたら水やりをしましょう。
肥料
肥料は基本的に必要ありません。
苗が育つ生育初期のみ、液体肥料を1~2回程度与えます。
肥料を与えすぎてしまうと、葉が繁りすぎて花が付かなくなる場合があります。
気になるようでしたら、オジギソウが活動的になる夏を目安に年に1度の頻度で与えましょう。
用土
水はけのよい用土を選びます。
市販の草花用の培養土を使用するか、腐葉土を多めして水はけをよくしましょう。
鉢で育てる場合は、水はけがよくなるように底石を敷いて、赤玉土を混ぜながら用土を作るとよいです。
オジギソウを育てるときのポイント
選び方
苗を購入する場合は、葉が濃い緑色のものを選びます。
葉と葉の間隔が空いているものは避け、全体的に葉が生い茂っているものを購入しましょう。
また、害虫がついていないか葉の裏まで確認しておくのがおすすめです。
種まき
種まきは5月〜6月中旬頃が適しています。
発芽の適温は、25℃~30℃です。
種は非常に硬いので、種をまく下準備として水に一晩〜二晩おいてふやかすか、種まきの30分前にお湯をかけます。
鉢で育てる場合は、1鉢に3〜4粒ほど種をまきます。
種をまいた後は日陰で管理し、水を切らさないようにしましょう。
発芽し始めたら適度に間引きをし、葉が4枚ほどついたらそのまま土に定着させます。
間引きする際は、引き抜くと他の株の根を痛めてしまう可能性があるため、地面に出ている部分をハサミで切ります。
鉢の場合は、元気のいい苗を1本だけ選んで残しましょう。
植え替え
オジギソウは根にダメージを受けると弱ってしまうため、なるべく植え替えをしないのがおすすめです。
苗を育苗ポットで育てている場合は、苗が小さいうちに植え替えましょう。
鉢が小さくなって植え替えが必要になった場合は、根を傷つけないように注意しながら移し替えます。
植え替えの時期は、5月~6月が適期です。
剪定
地植えの場合は冬越しが難しいため剪定は必要ありませんが、室内で育てる場合は、翌年も花が咲くように剪定しておきましょう。
冬が近づく前に剪定をし、余分なエネルギーを減らして冬を越せるように準備します。
また、葉が増えすぎてバランスが悪くなってしまってる場合も剪定したほうがよいです。
剪定する際は、新芽が出ている箇所に気をつけて行いましょう。
増やし方
オジギソウは、秋に種を採取して保管しておき、5月頃に種をまきます。
種は冷蔵庫で2〜3年保管できます。
オジギソウの種の採取
オジギソウは花が咲いた後に種ができます。
種はサヤに入っているので、サヤが茶色くなったら採取して陰干しをします。
サヤが完全に乾いたら、種を取り出して冷暗所で保管しましょう。
オジギソウの花
オジギソウの開花時期は7月〜10月頃です。
ふわふわしたピンク色のかわいらしい花を咲かせます。
気を付けるべき病気・害虫
オジギソウは丈夫な植物なので、病気や害虫はあまり心配しなくて大丈夫です。
ただし、乾燥した状態が続くと稀にハダニが葉の裏面に寄生することがあります。
ハダニに汁液を吸われると葉緑素が抜けてしまうため、白い点のようになります。
白い点になると光合成ができずに発育しにくくなってしまうので、早めに園芸葉の殺虫剤などで駆除するようにしましょう。
殺虫剤・殺菌剤
フェンプロパトリン・ミクロブタニル液剤が有効です。