美容・虫除けの効果も期待?月桃(ゲットウ)の育て方のポイントと使い道

月桃という植物をご存知でしょうか。

ふっくらとした形の花とツンツンと伸びた笹のような葉が目立つ月桃は、沖縄の伝統的な植物です。

月桃には色々な利用方法があり、そのさわやかな香りも美容や健康に良いとされてきました。
日本や中国の熱帯地方に自生していて沖縄では農園まである月桃。

とても背が高く目立つ植物です。
今回はこの月桃について詳しくご紹介します。

月桃(ゲットウ)の基本情報

学名Alpinia zerumbet
英名Shell ginger
その他別名サンニン・サニン・ソウカ
科名ショウガ科
属名ハナミョウガ属
原産地日本・中国・インド・東南アジア

月桃(ゲットウ)の特徴

月桃(ゲットウ)の使い道

月桃が自生している沖縄では、笹のような大きな葉を香辛料や健康茶として利用してきました。

月桃はショウガのようなすっきりとした香りがするので、料理の臭い消しにピッタリな植物なのです。
沖縄の伝統料理を包む葉にも、殺菌として月桃が使われてきました。

月桃茶という名前で流通しているお茶には、体を温めるような効果が期待されていて美容やアンチエイジングにも良いと言われています。
また食用だけではなく、月桃のさわやかな香りが消臭や抗菌、防虫、防カビの効果に期待できるということで、タンスに葉を細かくして入れることもあります。

月桃は花からだけではなく、葉にもさわやかな香りがあり余すところなく使える有用な植物です。

最近では月桃のアイスクリームなども開発されています。
沖縄以外の地域ではあまりなじみのない月桃ですが、どんな香りや味がするのか試してみたいですね。

月桃(ゲットウ)の花や葉の特徴

地下茎で増えていくので、とても育てやすい月桃。
草丈も葉もとても大きく目立つ植物です。

葉や草丈の大きさに比べて、花は小さく鈴なりにたくさんついています。
ふっくらとした花は桃のように膨らんでいて先端は少し濃いピンク色に色づいています。

つぼみが開くと中からランやカトレアに似た黄色の模様がある花を咲かせます。
月桃は春に花を咲かせ、秋には赤い実を楽しむことができます。

月桃(ゲットウ)の花言葉・別名

月桃の花言葉である「爽やかな愛」は、クリーム色のふっくらした花とサラサラとした見た目の葉、月桃の爽やかな香りからイメージされました。
別名のサンニン、サニンという名前は沖縄ならではの方言です。
ソウカは小笠原諸島などでよく耳にする名前です。

月桃(ゲットウ)の種類

沖縄に分布しているのは一般的な月桃と、大輪月桃の二種類です。
中国や台湾には多くの品種が分布しています。

黄斑月桃(キフゲットウ)

緑色の葉に、黄色っぽい斑が入ったとても目立つ品種です。
花だけでなく、葉も楽しむことができるので観葉植物としても愛されています。

耐寒性があり、初心者にも育てやすい品種です。

大輪月桃(タイリンゲットウ)

沖縄の離島などに自生している月桃の品種で、少し大きめの花をつけます。
小笠原諸島でも自生していて、ソウカと呼ばれています。

烏来月桃(ウライゲットウ)

台湾に分布している月桃の品種で、茎から花のふさが持ち上がるようにして咲くのが特徴です。
タイリンゲットウとも呼ばれていて、前述した大輪月桃と混同されていることもあります。

月桃(ゲットウ)の栽培・育て方

月桃は自生している沖縄では庭先に生えているほど、身近な植物です。

日当たりの良い場所を好みますが、あまり強い直射日光だと葉が傷んでしまうことがあるので注意が必要です。
熱帯、亜熱帯が原産の植物なので、沖縄や九州以外の地域では冬は室内に入れられるように鉢植えでの栽培をおすすめします。

月桃(ゲットウ)の育て方情報

分類・形態草花・多年草
草丈・樹高2m~3m
開花の時期4月~8月
花色白・ピンク・黄色
耐寒性弱い
耐暑性強い
特性・用途常緑性・お茶・ハーブ・化粧品・アロマ・防虫剤・防カビ剤
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け4月~7月
植え替え4月~7月
肥料4月~10月
開花4月~8月
収穫4月~10月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりと風通しの良い場所を好みますが、直射日光で葉が傷むことがあるので木陰や東向きの場所が適しています。

夏場に日差しが強く当たるようでしたら、遮光ネットなどを使いましょう。
冬場は室内に入れて、カーテン越しの光を当ててあげましょう。

水やり

鉢植えの場合は土の表面が乾いたら与えましょう。
冬場は乾いていても、2日~3日に1回くらいの水やりで大丈夫です。

庭植えの場合は水やりの必要はありません。
夏場は葉水も必要で、乾いたりしわが出てしまった場合は霧吹きで葉に水をかけてあげましょう。

冬場でも、エアコンなどで乾燥する場合は霧吹きの水を吹き付けてあげましょう。

肥料

4月から10月に与えましょう。
緩効性の化学肥料を置き肥して、2か月ごとに取り替えます。

用土

月桃は水はけと水もちが両方とも必要な植物です。
赤玉土や腐葉土を混ぜ込んだ用土を使うか、市販の観賞植物用の土を用いましょう。

月桃(ゲットウ)を育てるときのポイント

選び方

葉がしっかり茂っていてたくさんついているものを選びましょう。

植え付け・植え替え

月桃は亜熱帯や熱帯地方では庭植えできますが、それ以外の地域では鉢植えのほうが管理しやすいのでおすすめです。
植え替える場合は、春から夏の間にひとまわり大きい鉢に赤玉土や腐葉土を混ぜ込んで植え替えましょう。

収穫

月桃は葉を小さく刻んで、防虫剤や防カビ剤に使うことができます。
4月から10月に収穫した葉を、風通しの良い日陰で乾燥させてからネットやサシェに入れて使いましょう。

ふやし方

9月から10月に成熟する実を乾燥させて種子を取り増やすことができます。

春まで保存させてから、赤玉土や種まき用土に種まきしましょう。
発芽するまでは、半日蔭の場所で管理し、水を与えます。

場所によっては発芽まで数か月かかることがあるので、注意しましょう。
また、株分けでも増やすことができます。

鉢から出した月桃をナイフやスコップでざっくりと切り分けて鉢に植えましょう。
その際に、軽く土を払い落とし、根の先も少しカットします。

気を付けるべき病気・害虫

病気も害虫も特に心配ありません。

殺虫剤・殺菌剤

特にありません。