【日本五大家紋・子孫繁栄の象徴】カタバミ(片喰)の特徴と育て方・花言葉

クローバーに似たハート型の葉をたくさん茂らせるカタバミ。
日本の全域に分布し春から秋にかけて、黄色く小さい花を咲かせるのが魅力の植物です。
カタバミは繁殖力がとても強く、お庭の雑草として増えてしまうこともありますが昔から子孫繁栄の象徴として愛されてきました。
日本の各地で様々な名前をもつのも特徴です。
そんなカタバミの特徴や育て方についてご紹介します。

カタバミの基本情報

学名Oxalis corniculata
英名Sorrel・Oxalis
その他別名鏡草・黄金草・スイモグサ・酸葉・ねこあし・スズメの袴
科名カタバミ科
属名カタバミ属
原産地南アメリカ・アフリカ・日本

カタバミの特徴

カタバミはハート形のクローバーに似た葉を三枚つけるのが特徴です。
パッと見るとクローバーと見分けがつきにくいように感じますが、カタバミの方が葉が小さく咲かせる花も黄色と簡単に見分けることができます。
また、クローバーには葉の一枚一枚に白い模様がついています。

カタバミを漢字では片喰と変わった字があてられています。
片喰という漢名は、カタバミの葉が夜になると半分閉じてまるで片方が食べられてしまったように見えることが由来となっているんです。
ちなみにクローバーの葉は内側に閉じるので、カタバミのように半分になることはありません。

カタバミの繁殖力の強さとして、種が熟すると飛び散りあちこちに広がっていくことがあげられます。
はじけ飛んだ種は動物や人間にくっついて分布を広げていくのです。
この繁殖力の強さが戦国武将などに好まれ、カタバミをかたどった様々な家紋が生み出されてきました。
丸に片喰紋に代表されるこれらの家紋は日本五大家紋に数えられています。
シンメトリーな葉や花の形も図面化しやすかったのでしょう。

カタバミをあえてチョイスして庭に取り入れるなら、グランドカバーとして樹木の下や家の周りに植えるのがおすすめです。
他の植物なら枯れてしまうような固い地面でもカタバミが根付く可能性は大きいのです。
増えすぎて他の草花を圧倒しないように、適度に間引いて管理しましょう。

カタバミの種類

カタバミは日本だけでなく、世界のあちこちに広く分布していてたくさんの品種があります。
その中でも、園芸植物として特徴的な品種をいくつかご紹介します。

ムラサキカタバミ

淡い紫色や白の花を咲かせるカタバミの品種です。
江戸時代に日本に入ってきましたが、今では外来種に分類されている品種でもあります。

イモカタバミ

濃いピンク色の花を咲かせるのが特徴です。
中心に向かってピンクが濃くなり、線が入っているのが魅力的です。

オオキバナカタバミ

普通のカタバミよりも一回り大きい、黄色い花を咲かせるのが特徴の品種です。
こちらも外来種に指定されています。

オキザリス

オキザリスはカタバミ科オキザリス属に分類されるカタバミの親戚です。
カタバミよりも一回り大きい葉をもち、早春から花を咲かせるのが特徴です。
球根で増えていくので、カタバミほど繁殖力が強くありませんが園芸植物として様々な品種が販売されています。

カタバミの栽培・育て方

カタバミはグランドカバーとして可愛らしい葉を茂らせることができますが、繁殖力が強く増えすぎてしまうこともあります。
庭の他の植物が育ちにくくなってしまうので、上記で紹介した園芸品種のカタバミやオキザリスなどを鉢植えで育てることをおすすめします。
それでも種を飛ばして増えてしまうので、適度に間引いて管理することが育て方の注意点といえるでしょう。

カタバミの育て方情報

分類・形態草花・雑草・多年草
草丈・樹高10cm~30cm
開花の時期5月~10月
花色黄色
耐寒性強い
耐暑性強い
特性・用途グランドカバー・雑草
栽培難易度優しい

栽培スケジュール

植え付け4月~10月
肥料4月・9月~10月
開花5月~10月

栽培に必要な準備・環境

日本に自生している黄色く小さな花を咲かせるカタバミは、特に場所を好まずに生育します。
雑草としての区分が強く、お庭の他の花を圧倒してしまうことがあるほどで、特に手入れの必要はありません。
園芸品種としてのカタバミやオキザリスの仲間を育てる場合のポイントをご紹介します。

日当たり、置き場所

日当たりと水はけが良い場所を好みます。

水やり

水切れにも強い植物なので、土の表面が乾いたら水を与えましょう。

肥料

カタバミはほとんど肥料を必要としません。
鉢植えの場合は月に一度くらいの頻度で液体肥料を与えましょう。

用土

カタバミを鉢植えする場合は、市販の園芸用土を利用しましょう。

カタバミを育てるときのポイント

植え替え

園芸品種のカタバミの仲間、オキザリスなどには多年草の品種もあります。
毎年花を咲かせるように、鉢植えの場合は数年に一度、植え替えをしましょう。
一回り大きい鉢を選び、緩効性の化学肥料を元肥として用土に混ぜ込んでから植え替えをします。

増やし方

カタバミはとても繁殖力が強いので、何もしなくても勢力を広げていきます。
離れた場所に育てたい場合は、はじけ飛ぶ前に房ごと採取したり、種がつく前の株をそのまま移植しておきましょう。

カタバミを駆除する方法

グランドカバーとして用途があるカタバミですが、芝生など他の植物の間に入り込んで枯らしてしまうガーデニングの大敵でもあります。
手で抜いてカタバミを根絶するのはなかなか大変なので、芝生用の除草剤などを使って対処しましょう。
また、種がつくまえにこまめに駆除することも必要です。
植木鉢でカタバミを育てる場合も、種がはじけ飛んでも増えにくいような場所に置きましょう。

気を付けるべき病気・害虫

病気

さび病に気を付けましょう。

カタバミの葉の裏に白や黄色のさびのような病気が発生します。
病気になったカタバミを抜いて処分するのが効果的です。
また、他の園芸植物にも感染が広がってしまうことがあるので注意しましょう。

害虫

特にありません。

殺虫剤・殺菌剤

サビ病の対策にはベニカ系のスプレー剤やフロアブル殺菌剤が効果的です。