ハナニラの育て方!食用の花ニラとの混同に注意

ハナニラは春に小さな星型の花を咲かせます。

球根性のため非常に丈夫で、一度根付いたら放っておいても元気に育ちます。
草丈が低く、地面を覆うように広がるのでグランドカバーとしても使えます。

中華料理に使用される花ニラと同じ呼び方をするので混同されることが多いですが別の植物で、食用には向きません。

ハナニラの基本情報

学名Ipheion uniflorum
英名Spring Star Flower
その他別名セイヨウアマナ・アイフェイオン・ベツレヘムの星
科名ネギ亜科
属名ハナニラ属
原産地南米

ハナニラの特徴

ハナニラはネギ亜科に属する植物で、葉や球根を傷つけるとニラのようなにおいがすることが名前の由来です。

同じく「はなにら」と呼ばれ、中華料理などに用いられる花ニラは食用のニラの花芽の部分です。
ハナニラには少々の毒性があり、食べると中毒症状を起こすこともあるので間違えないよう注意が必要です。

花色は薄い青が主流で、薄幸さを思わせるのか「別れの悲しみ」や「耐える愛」といったせつない花言葉がつけられています。
一方で星のような形の花から「星に願いを」というかわいらしい花言葉もあります。

光によく反応する植物で、夜間や曇りなどで光が当たらないときは花を閉じます。
朝は東、昼は上といった風に太陽を追いかけて花の向きを変える面白い花です。

生命力が旺盛で放っておいてもどんどん育ちます。
地面を覆うように低く広がるので花壇のふちや沿道、グランドカバーに向いています。

ハナニラの種類

ユニフロルム・ウィズレーブルー

もっとも一般的に流通しているユニフロルムの、青い花が美しい品種です。
花は薄い青~青紫で、6枚の花弁のう3枚の花弁の中央に鮮やかな青紫のラインが一本走ります。

イフェイオン・ピンクスター

薄いピンク色がかわいらしい印象の品種です。
ウィズレーブルー同様、3枚の花弁の中央に濃いピンク色のラインが走ります。

イフェイオン・ロルフフィードラー

比較的花が大きく、花弁に丸みがあるのが特徴です。

イフェイオン・パルビフローラ

花色は白で、花弁の中央に黄緑色のラインが走ります。
開花期が他のハナニラと違い、12月~3月と長めになっています。

イフェイオン・セロウィアナム

黄花ハナニラとも呼ばれ、黄色い花を咲かせます。
ユニフロルムと比べて葉が細くとがっています。
開花期が少し早く、2月ごろから咲き始めます。

ハナニラの栽培・育て方

非常に育てやすい植物です。

植え付けたあとは特に世話をしなくても元気に成長します。
どんどん繁殖しますが球根のため、地下茎で増える植物のように広がりすぎる心配はありません。

控えめな花なので他の植物の根元に寄せ植えするのにも向きます。

ハナニラの育て方情報

分類・形態草花・多年草
草丈・樹高15~25cm
開花の時期2月~5月
花色青・白・ピンク・黄
耐寒性普通
耐暑性強い
特性・用途初心者でも育てやすい・球根性・開花期が長い
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け9月~11月
肥料9月~11月
開花2月~5月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日なたを好みますが、半日陰や明るい日陰でも育てられます。
ただし明るさが足りないと花つきが悪くなります。
日当たりによって開花時期が変化し、日なたのほうが早く開花します。

水やり

植え付け後、根が定着するまではしっかり水やりします。
その後は地植えは水やりはほとんど必要なく、雨水で十分です。

鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷり水やりしましょう。

肥料

植え付け時に緩効性の化成肥料を原肥にします。
基本的に追肥は必要ありません。

勢いが弱いと感じたときのみ、化成肥料を土の上から撒くようにしましょう。

用土

弱アルカリ性の土を好むので、酸性の強い土壌には植え付け前に苦土石灰を混ぜ込んでおくことをおすすめします。
それ以外は土を選ばないので、寄せ植えをする場合は一緒に植る植物に合わせた土で大丈夫です。

温度

生育に適した温度は5℃~15℃です。
花後から夏にかけて葉はほとんど枯れ落ち休眠しているので、暑さ・寒さへの対策は特に必要ありません。

ハナニラを育てるときのポイント

種まき

5月~6月ごろに種ができるので、そのまま取り蒔きします。
果実が茶色くなったら種が取れます。

発芽までは土が乾かないように水やりしましょう。
秋ごろに発芽します。

花が咲くまでは3年ほどかかります。

植え付け

地植え・鉢植えどちらでも植えられます。
9月~10月ごろが適期です。

5cm程度の間隔で、球根の頭が隠れるくらいの深さに植えます。
2週間ほどで芽が出るまでは水を切らさないようにしましょう。

剪定・切り戻し

落葉するので剪定の必要はありませんが、しおれてきた花は根元から摘んでしまいましょう。

植え替え

地植えの場合は必要ありませんが、数年たつと球根が混みあって小株ばかりになり、花つきが悪くなります。
休眠期に掘り返して小さな球根は処分し、植え直しましょう。

鉢植えは根が混みあって水はけが悪くなったら植え替えをします。

ふやし方

種まきか球根で増えます。
放っておいてもどんどん増えるので、特に手を加える必要はありません。
育てる範囲を広げたいときは、休眠期に球根を掘り返し分割して植え直します。

気を付けるべき病気・害虫

病気

特にありません。

害虫

アブラムシがつきます。
あっという間に増えてハナニラの育成を阻むので、早めに薬剤で処置しましょう。

殺虫剤・殺菌剤

ペルメトリン・ミクロブタニル等が有効です。