コウモリラン(ビカクシダ)の育て方とコツ!お洒落インテリアにも!

コウモリラン(ビカクシダ)はウラボシ科、ビカクシダ属のシダ植物です。

ランという名前はついていますが、ランではなく花は咲きません。垂れ下がるような大きな葉は、コウモリのようで独特の雰囲気があります。

葉の形が鹿の角に似ている事から、ビカクシダとも呼ばれています。

今回は、そんなコウモリランの育て方とコツを分かりやすくご紹介します。素敵なインテリアのアイテムにもなるので、是非参考にしてください!

コウモリラン(ビカクシダ)の基本情報

学名Platycerium
英名Staghorn Fern
その他別名麋角羊歯(ビカクシダ)
科名ウラボシ科
属名ビカクシダ属
原産地インドネシア・東南アジア・オーストラリア・南アメリカ・太平洋諸島の亜熱帯地域

コウモリラン(ビカクシダ)の特徴

コウモリラン(ビカクシダ)の生態

コウモリラン(ビカクシダ)は、その生態も独特です。自生地では木に着生して生きています。

コウモリランは、水を貯めておく貯水葉(外套葉/がいとうよう)と胞子をつくる胞子葉という二つの葉の種類をもっています。

コウモリラン(ビカクシダ)はインテリアにもぴったり

また、コウモリランはインテリアにもぴったりです。ひとつあるだけでお部屋がぐっとかっこ良く、ワイルドな雰囲気になります。

インテリアとして飾るには、いくつかの方法があります。どれもお洒落に仕上がります。

複数のコウモリランを飾ると、室内が森のような雰囲気になりますよ!

板付けにして壁掛けにする

一番多い飾り方が、壁掛けです。壁から長い葉が生えているような雰囲気になります。

苔玉や流木を使いハンギング

ハンギングは風通しもよく、おすすめです。流木や苔玉にくくりつけ、レールや天井から吊るします。

鉢植えにして

鉢植えにすると、鉢カバー次第でインテリアに合わせる事ができます。

クリーンな雰囲気にしたい場合は白い陶器の鉢を、男前に飾りたい場合はブリキのバケツなどを使ってもカッコ良くなります。

白い陶製の鉢

屋外で育てる

屋外で育てる場合は玄関の入口横に壁掛けしたり、庭のウッドパネルに掛けて飾る事もできます。

コウモリラン(ビカクシダ)の種類

プラティケリウム・ビフルカツム(Platycerium bifurcatum)

コウモリランの中でも、1番一般的な品種です。暑さ・寒さにも強くとても丈夫な為、初心者にもおすすです。

プラティケリウム・リドレイ

貯水葉が丸っこく、キャベツの様なシワが入る品種です。小さ目のコウモリランで、インテリアにもお洒落になじみ、人気がある品種です。

プラティケリウム・グランデ

貯水葉は上に向かって大きく長くのび、胞子葉は下に長く伸びるタイプです。大型のコウモリランなので迫力があります。

プラティケリウム・ウィリンキー

胞子葉が細長く垂れ下がるように伸びます。比較的強い品種で、大きくなります。

プラティケリウム・マダガスカリエンセ(Platycerium )

独特のシワとくぼみ模様が貯水葉に入る、人気の品種です。湿気を非常に好むため、水やりの頻度を多めにする必要があります。

プラティケリウム・スペルブム(Platycerium Superbum)

森の王冠とも呼ばれるスペルブムは大型のコウモリランです。1.5m以上にもなります。

コウモリラン(ビカクシダ)の栽培・育て方

コウモリラン(ビカクシダ)を育てるときは、水やりと日当たり、肥料に注意をしてお世話をしてください。

他の観葉植物とは異なる水やり、肥料のあげ方なので注意が必要です。またコウモリランの種類によって、水やり頻度も異なります。

慣れるまでは頻繁に水苔の湿り具合を手で触って確認しましょう。

コウモリラン(ビカクシダ)の育て方情報

分類・形態観葉植物・シダ・多年草
草丈・樹高5cm~1.5m
耐寒性弱い
耐暑性強い
特性・用途観葉植物・常緑性・初心者でも育てやすい
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け5月から8月
植え替え5月から8月
肥料4月から10月

コウモリラン(ビカクシダ)の栽培に必要な準備・環境

ではコウモリランの生育に必要な物や環境をみてみましょう。

必要な物

  • ヘゴ板、流木、鉢のいずれか
  • 水苔
  • コウモリランの苗
  • 麻ひもやワイヤー

日当たり・置き場所

コウモリランは日当たりの良い場所を好みます。室内でも屋外でも育てる事ができます。

原産地の自然で生長している姿は、森の木などに着生しています。

森の中の木漏れ日を浴びながら育っているので、育てる場合も明るい日陰か半日だけ日光が当たる場所に置いて下さい。

室内で育てる場合も、なるべく日光が当たる場所に置いてください。

水やり

水苔が乾いたら水やりをします。置き場所にもよりますが1週間に1・2回、スプレーで水をあげてください。

葉と水苔をしっかり濡らしましょう。

もしくは1週間~2週間に1回、シャワーや蛇口の水を流しながら、植え込みと葉全体に5分~10分をしっかり濡らす方法も有効です。

冬場は乾かし気味にします。1ヶ月に1・2回程度の水やりで十分です。

まだ小さめのコウモリランは水を貯めておく力も弱いのでスプレーで葉水をしてあげましょう。

特に暖房が効いている部屋は乾燥しています。

コウモリランの葉がシワシワになっていたり、元気がなかったらスプレーで水やりの量を調節しましょう。

肥料

春から秋にかけて肥料を与えると生育がよくなります植え付けの際に水苔に緩効性肥料をごく少量混ぜ込むとゆっくりと効きます。

または、ハイポネックスのような液体肥料を薄めて2か月に1回、漬けるようにして染み込ませます。

冬はあまり生長しないので、肥料も与える必要はありません。

用土

コウモリランは水苔を使い、ヘゴ板、焼いた杉板、流木、古い木材、コルク樫などに着生させます。

鉢植えの場合も水苔を用土として使います。

温度

屋外でも室内でも育てる事ができますが、10度以上を保ってください。

コウモリラン(ビカクシダ)を育てるときのポイント

次にコウモリランを育てるポイントをご紹介します。

選び方

葉の色がキレイな緑で、ピンと張りのあるものを選びましょう。また、虫がついていないか確認してください。

植え付け・植え替え

コウモリランは、鉢植え、へご板、ハンギングなどで育てる事ができます。

5月~9月が作業に適した時期です。それぞれの植え付け方法をご紹介します。インテリアに合わせて飾り方を選んでみてください。

買ってきた時に水苔が根についていたら、可能であればやさしくとりのぞいてください。

ただし、取りにくい場合はそのままで構いません。

鉢植えへの植え付け

  1. 苗をヘゴ板などから取り外します。
    ワイヤーや紐で止まっている場合は、これらを取り外してください。
    根の周りをやさしくもみながら、古い土や水苔なども取り除きます。
  2. 鉢の底に大き目の軽石を底石としてひきます。
  3. 水でふやかした水苔を鉢の1/3程度いれます。
  4. コウモリランを入れたら、さらに水苔を周りに入れ込みます。
  5. 割りばしなどで水苔を押し込むように埋めてください。

板や流木に着生

  1. ヘゴ板、焼いた杉板、流木、古い木材、コルク樫など使いたい板を用意します。
  2. 水苔を板にのせてギュウっと二つの手のひらでお椀型にします。
  3. コウモリランを水苔の上にのせ、ワイヤーや麻ひもで固定します。縦、横どちらからも固定して落ちないようにしましょう。
  4. 水を張ったバケツに10分程度浸して、日陰で数日から1週間落ち着くのを待ちます。

苔玉でハンギング

  1. 水苔をしぼって根の周りにつけていきます。
    まるくなるように、手のひらでつけていきます。
  2. 苔玉ができたら、麻ひもで苔玉の周りをぐるぐると巻きます。
  3. 苔玉にワイヤーを通したら、ハンギングができます。

ふやし方

胞子をスプーンで取り、増やすこともできますが簡単ではありません。

葉の裏側にある、胞子をスプーンなどで取ります。蓋付きの容器に土を入れて水で湿らせたら、胞子を撒き蓋をします。

20度くらいを保ち、日陰に置き、常に土を湿った状態にします。霧吹きなどでやさしく水を与えてください。

上手くいけば、小さな芽がたくさん発芽します。

気を付けるべき病気・害虫

コウモリランは、ハダニやカイガラムシの被害にあうことがあります。

また、炭疽病にかかる場合があります。蟻が植え込みに住みつく場合もありますので気を付けましょう。

ハダニやカイガラムシの予防の為にも、葉水をしてあげましょう。

殺虫剤・殺菌剤

害虫がついてしまった場合、まずは水を張ったバケツにコウモリランを漬けて虫を出してしまいます。

1時間くらい漬けておいても大丈夫です。それで被害が収まらなければ、ベニカXファインスプレーを使ってみましょう。

カイガラムシの成虫は手で取り除いてください。