寄せ植えとしても人気!ペンタスの育て方・冬越しの方法を総ざらい

ペンタスは花茎の先に小さな星型の花をたくさんつける非耐寒性多年草です。
熱帯が原産なので暑さに強く、日本の猛暑でも負けずに元気に花を咲かせます。

扱いやすく花期が長いので、花壇や寄せ植えの素材として人気です。
ペンタスのみでの寄せ植えも人気です。
ここではペンタスについて、代表的な品種や育て方をご紹介します。

ペンタスの基本情報

学名Pentas lanceolata
英名Star cluster
その他別名草山丹花(クササンタンカ)
科名アカネ科
属名ペンタス属(クササンタンカ属)
原産地熱帯アフリカ・アラビア半島

ペンタスの特徴

本来は多年草ですが熱帯植物のため寒さに弱く、日本では一年草として扱われることもあります。
冬越しをしたい場合は鉢植えにし、冬場は室内管理します。

ペンタスによく似た三丹花(サンタンカ)というアカネ科の低木があり、沖縄と九州の一部に帰化しています。
和名のクササンタンカはこの三丹花と区別する意味で「草」を冠しています。

ペンタスの名前の由来

ペンタスの英名は「Star cluster」で直訳すると「星団」という意味です。
小さな星型の花が半球状に集まって咲くようすがまるで星団のようであることが由来です。

ペンタスの花言葉

花言葉の「希望が叶う」「願い事」も星に由来しています。
ポジティブな花言葉なので、お祝いや激励のプレゼントにしても喜ばれるでしょう。

ペンタスの種類

グラフィシリーズ

耐暑性が強く、鉢物に向く矮性の品種です。
花色は赤、ピンク、白、紫です。

ライカシリーズ

八重咲きの矮性品種です。
ペンタスにはあまりない青色品種があり、ライカブルーの名前で流通しています。

パニックタワー

ペンタスにはめずらしい高性(草丈50cm~60cm)の品種で、切り花としても利用できます。
鮮やかな花色が特徴です。

ギャラクシー

覆輪(花びらのふちに色が入ること)が特徴的な品種です。

ペンタスの栽培・育て方

暑さには強いですが過湿に弱いため、水やりのしすぎには注意が必要です。
耐寒性が低く戸外での越冬が難しいので、一年草として扱うか冬越しの対策をとるか考えておいたほうがよいでしょう。
それ以外は丈夫で育てやすい植物です。
花つきも良いので、花壇や寄せ植えなど幅広い用途があります。

ペンタスの育て方情報

分類・形態多年草・熱帯植物
草丈・樹高30cm~50cm
開花の時期5月~10月
花色白・赤・ピンク・紫
耐寒性弱い
耐暑性強い
特性・用途常緑性・開花期が長い
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け5月~6月
植え替え5月~6月
剪定4月~10月
肥料5月~9月
開花5月~10月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりと風通しのよい場所を好みます。
暑さには強いですが蒸れに弱く、過湿によって病気になることがあります。

地植え、鉢植えどちらでも育てられますが、寒さに弱く外での越冬はほぼ不可能です。
地植えの場合は1年草として育てるか、秋に掘り上げ室内で冬越しします。

水やり

過湿に弱いので水のやりすぎには注意が必要です。
夏場は土の表面が乾いたら早朝か夕方にたっぷり水やりしましょう。
冬場は休眠期なので乾かし気味に管理します。

肥料

開花期間が長いため肥料を必要とします。
春から秋にかけ、三要素(窒素、リン、カリウム)の肥料をやや多めに置き肥します。

元気がない、花つきが悪いようであれば液肥を足してもよいでしょう。
真夏は少し控えめにします。

用土

過湿による立ち枯れ病を防ぐため、水はけのよい用土にします。
鉢植えは市販の草花培養土で育てられます。
地植えは堆肥や腐葉土をすきこみましょう。

温度

ペンタスの生育温度は約7℃~30℃です。
5℃を下回ると枯れてしまうので、霜が降りる地域では室内で冬越しをします。

ペンタスを育てるときのポイント

ペンタスはポット苗と種が流通していますが、種から育てるのは難易度が少々高めです。
初心者の方は苗から育てるのがよいでしょう。

選び方

葉の緑色が鮮やかで、株がしっかり根付いているものを選びましょう。
よく枝分かれし、花芽がたくさん付いているかも重要です。

種まき

ペンタスの発芽温度は20℃以上なので、4月~5月ごろが適期です。
好光性種子なので覆土はせず、乾燥に気を付けて管理します。
水やりによって種が流れてしまうことと乾燥を防ぐため、底面吸水できる容器がおすすめです。

植え付け

5月~8月が適期です。
生長が旺盛なので鉢植えの場合は苗よりも一回り大きい鉢に植えます。
地植えの場合は日当たりと水はけのよい場所に植えましょう。

植え替え

よく育つので、鉢植えは根詰まりを防ぐため毎年植え替えます。
5月~6月が適期です。長すぎる枝を切り落とし、ひと回り大きい鉢に植え替えましょう。
地植えのものを冬越ししたい場合は、10月に掘り上げて鉢に移し替え、室内管理します。

ふやし方

挿し芽でふやせます。
5月~9月に枝を5cm~7cmほどに切り、挿し木用土に挿して育てます。

剪定

混みあった枝は風通しを良くするため切ってしまいましょう。
また、病気を防ぐため花がらのこまめな処理も必要です。

寄せ植え

花つきがよく、小花のわりに存在感があるため寄せ植えに適しています。
ニチニチソウやアンゲロニアは開花期や管理方法が似ているのでおすすめの素材です。
ペンタスのみで色違いの寄せ植えもかわいらしいです。

気を付けるべき病気・害虫

病気

病気は灰色かび病、立枯病に注意が必要です。
どちらも過湿により発生しやすいので水やりのしすぎに注意し、風通しのよいところで管理しましょう。

害虫

害虫はカイガラムシです。
見つけ次第ブラシなどでこすり落とす等の対処が必要です。

殺虫剤・殺菌剤

灰色かび病や立枯病にはテトラクロロインソフタロニトリル等が有効です。