ユキノシタの育て方と種類-増やし方は増えすぎないように注意が必要

日本や中国を原産とするユキノシタは、雪の下でも枯れずに生息し5月になると小さく特徴的な形をした花びらを咲かせます。
日陰を好みさほど管理を必要としないため、昔から庭などグラウンドカバーとしても植えられる馴染みのある植物です。

ただし、管理しやすい反面増えすぎるということもあるため、適度な手入れが必要でもあります。
今回はユキノシタの種類や花言葉から育て方まで紹介します。

ユキノシタの基本情報

学名Saxifraga stolonifera
英名Strawberry saxifrage・Strawberry geranium
その他別名虎耳花(コジゾウ)
科名ユキノシタ科
属名ユキノシタ属
原産地日本・中国・韓国

ユキノシタの特徴

ユキノシタは日本や中国などを原産とする常緑性の多年草です。
草丈は20~60㎝ほどあり、寒さには強いですが暑さには弱く主に日陰の湿った岩場や渓谷などに生息し地面を這うように根を伸ばして成長します。
花びらは5枚あり下2枚の花びらは白く長くのび、上3枚の花びらは短く模様が入っている特徴のある形をしています。

ユキノシタの名前の由来

ユキノシタという名前の由来としては雪の下でも緑の葉が枯れることなく育つ様子からつけられたという説や、白い花びらが二枚下に伸びる様子から「雪の舌」という言葉が転訛したとする説など諸説あります。
またユキノシタの花言葉の「深い愛情」は、ユキノシタの葉のしぼり汁が子どもの中耳炎やひきつけの治療のために用いられていたことからつけられたとされています。

ユキノシタの食べ方

観賞用や薬草として親しまれているユキノシタですが、実は葉の部分は食用としても知られていることをご存じですか?
ユキノシタの葉の裏にうすく衣をつけて油であげたものを「白雪揚げ」と呼ばれ、その他にも茹でて水にさらしたものを和えものとして食べることができます。

ユキノシタの種類

ジンジソウ

下2枚の花びらがあまり開かず、花の形が「人」の文字のような形をしています。
9月~11月頃に開花します。

ハルユキノシタ

同じ品種でも開花が早く4月~5月に開花します。
葉に白い班がなく、上3枚の花びはには黄色の模様が入っています。

ダイモンジソウ

花びらに模様がなく白い色をしていることが特徴の花で、7月~10月に花を咲かせます。

センダイソウ

葉の形が他の品種と異なり卵形のように長楕円形であり先がとがっています。
9月~10月に開花します。

ユキノシタの栽培・育て方

ユキノシタは適応性が高くさほど手入れをしなくても育てることができます。
ただし暑さに弱いためうまく夏越しをするためにも半日陰など涼しい場所で育てましょう。
また、環境が整えばランナーが根を張りどんどん繁殖していくため、庭植えで増やし過ぎたくない場合は注意が必要です。

ユキノシタの育て方情報

分類・形態多年草・観葉植物
草丈・樹高~50㎝程度
開花の時期4月~5月
花色ピンク・白
耐寒性強い
耐暑性弱い
特性・用途耐寒性が強い
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け3月~6月
植え替え4月~5月
肥料9月
開花4月~5月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

成長期にあたる春頃は比較的日当たりのいい場所で育当てましょう。
夏は暑さに弱いため風通しのいい半日陰に置きます。
直射日光が当たり過ぎると葉焼けをおこすので注意しましょう。

水やり

基本的にあまり手入れは必要ありませんが、鉢植えか庭植えかで水やりが異なります。庭
植えの場合は半日陰などの環境であれば夏の暑い時期や乾燥が続く時期以外は水やりはさほど必要ありません。
鉢植えの場合は、湿度のある環境を好むため、土が乾く前に適時水やりを行いましょう。
特に夏場は水を切らすことがないように注意が必要です。

肥料

基本的に肥料は必要ありません。
もし肥料を与える場合は初秋に一度緩効性化成肥料を株元にまきましょう。
肥料が多すぎるとランナーが徒長しすぎる場合があるので注意してください。

用土

草花園芸用の用土を購入するか、自然に自生しているユキノシタを植え替える場合はもともと生えていた土も一緒に植え替えるといいでしょう。
ユキノシタは湿度を好みますが、水はけが悪いと根腐れの原因になります。
土を自分で配合する場合は、赤玉土と軽石、鹿沼土を等分に混ぜ合わせヤシ柄チップを少し加えたものがいいでしょう。

ユキノシタを育てるときのポイント

選び方

株元がしっかりしており、葉の数が多く変色していない株を選びましょう。

種まき

ユキノシタは種はほとんど市販されていません。
種から育てる場合は収穫した種を冷蔵庫で保存し、9月~11月頃に苗ポットに種まきをし乾燥しないよう日陰で管理しましょう。
本葉が3~4枚ほど出たら鉢に植え替えます。

植え付け

3月頃の植え付けが適していますが、特に真夏や真冬を除けばいつ植えても問題ありません。
ユキノシタは浅く根を張る性質があるので、深く植え付けないように、茎を横向きにして1~2㎝くらい浅く植えましょう。

剪定

花が枯れたら花茎を根元から切り落としましょう。
そのままにしておくと、茎が伸びすぎ間延びしてしまいます。
切り落とした茎は新しい株として新たに植え付けることもできます。

植え替え・鉢替え

庭植えの場合は特に必要ありませんが、鉢植えの場合は根詰まりを予防するために2~3年に1回、春か秋に一回り大きい鉢に植え替えましょう。

増やし方

ユキノシタはランナーを伸ばしそこから根を張ることでどんどん繁殖していきますが、その他に種まきや根伏せ、株分けなどで増やすことができます。

根伏せは切り戻した茎を3~4㎝どの長さに整え、土の上に横に伏せて置きます。
その上から1㎝ほどやさしく土を被せたら水やりを行います。
そのまま適時水やりを行うと新しい芽が出てきます。

植え替えの際に株分けをすることができます。
手やナイフを使い株を半分に分け植え替えましょう。

増えすぎには注意しよう

ユキノシタは繁殖力が強く、お手入れも難しくないので初心者さんにも育てやすい植物です。
ただし、庭植えでも鉢植えでもどんどん育っていくので、増えすぎには注意しましょう。

もし増えすぎて困ってしまったら、天ぷらや和えものなどユキノシタでお料理を楽しんでみるのもおすすめです。

気を付けるべき病気・害虫

特にありません。

殺虫剤・殺菌剤

特にありません。