大きな花を咲かせる「極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)」の育て方のコツと花言葉

極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)は南アフリカやマダガスカル原産の観葉植物です。

オレンジの色鮮やかな花弁をまとい、どこかエキゾチックな雰囲気を感じさせる珍しいお花です。

原産地で自生している極楽鳥花は大きく伸びて扇型に広がり、その高さは何と10m、ビルの3階までにもなります。

日本で鉢植えで出回っているものは、小さいものだと30cmくらい大きくても180cm位です。

暑さに強く室内でも育てやすい極楽鳥花は室内の観葉植物としても人気のある種類です。

エキゾチックな雰囲気の極楽鳥花はインテリアアイテムとしてお部屋に飾ると、迫力と存在感が生まれます。

今回は極楽鳥花の名前の由来や花言葉、育て方についても紹介いたします。

極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)の基本情報

学名Strelitzia
英名Strelitzia
その他別名極楽鳥花
科名ゴクラクチョウカ科
属名ゴクラクチョウカ属(ストレチア属)
原産地南アフリカ

極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)の特徴

極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)は、生長すると紫色の尖った形の苞(ほう)に包まれた白い花を咲かせます。

また、極楽鳥花は風水のアイテムとしても人気があります。西の方位に置くと「子供運上昇」、北西の方位に置くと「後援運上昇」に向いているとされています。

極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)の由来

花の姿がニューギニアに生息する風鳥(ふうちょう。別名は極楽鳥)の雄が持つ華やかな飾り羽を広げる様子に似ていることからつけられたとされています。

またストレリチアという名前は、植物愛好家であったイギリスの王ジョージ3世の王妃シャーロットの出身家の名前にちなんで付けられたと言われています。

瑠璃極楽鳥花(ルリゴクラクチョウカ)とも呼ばれます。

花が白い鳥のようにも見えるので、英語では「天国の白い鳥」とも呼ばれています。

極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)の花言葉

極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)の花言葉は「気取った恋」や「恋する伊達者」という少し珍しいもの。

美しい極楽鳥花を見て、気分が上がり浮かれている様子や花の姿からつけられたと言われています。

また「輝かしい未来」という花言葉は、色鮮やかな極楽鳥花の姿から明るい未来をイメージしてつけられたものです。

オーガスタのおすすめの飾り方

  • 人があつまるリビングやオフィスにもぴったりです。
  • お出迎えのシンボルとしてエントランスに置くのも素敵です。
  • ソファやテレビの横、お部屋の角に置くと南国の雰囲気が漂います。
  • お店やレストランの中心に置くと大きいのでちょっとした目隠しやパーテンション代わりにもなります。

極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)の種類

オーガスタ(ストレチア・ニコライ)

原産地では10mにもなるストレチア属の中で1番大きい品種です。ロシアのニコラス皇帝にちなんで名前が付けられました。

瑠璃極楽鳥花とも呼ばれ、紫色の苞を持った白い花を咲かせます。花弁の付け根から多くの密を分泌しますが、花に香りはありません。

根元から脇芽が多く出て、株がある程度大きくなると太くて短い花芽を伸ばし、のちに大きな花を咲かせます。

価格も安く手に入れやすい種類です。また葉には蒸散作用があり、天然の加湿器としても役にたちます。

ストレチア・レギネ

ストレリチア属の中で最も良く知られ多く栽培されている代表的な種類です。

オーガスタ(ストレチア・ニコライ)と非常に似ていますが、オーガスタに比べて葉が細長いのが特徴です。

オレンジ色の花を咲かせます。花だけでも切り花としても人気があります。ひとつのつぼみから何度も花を咲かせるのが特徴です。

草丈は40㎝から大きい物で3mまで及ぶものもあり、夏から秋にかけて開花します。

ストレチア・ノンリーフ

ストレチア・レギネよりも小さな葉を茎の先に付けます。貴重価値の高い品種です。

ジャンセア種

葉身のない極楽鳥花で、一見槍を何本も地面に挿したように余計な物が一切ないシンプルな姿をしています。

草丈は1から2m程度で色は灰緑色をしており、地植えに向いています。

アルバ種

土壌の水分が多く、日当たりの悪い場所で多く自生しています。花びらの色は白色であり、丸みをおびた耳状の形をしていることが特徴です。

極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)の栽培・育て方

南アフリカを原産とする極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)は、日当たりの良い環境を好みます。乾燥にも強いです。

その一方で耐陰性があり、観葉植物として一年中室内においても育ちます。

ただし春から秋にかけては屋外でしっかり日光にあてることが必要です。日当たりが少ないと、成長が遅く花が咲きづらくなります。

極楽鳥花の新芽はピンと尖ったものが出てきますが、新芽が開かないということもよくあります。

無理に手で開こうとすると切れてしまうのでやめましょう。

湿ったタオルで包み、湿度を与えお日様にもあててあげると、新芽が開きやすくなります。

また極楽鳥花は風が吹いた時に、自分の葉を切って風を通し、倒れないようにしています。そのため、ちょっとした衝撃で葉が切れてしまいます。

少しぶつかっただけでも葉が切れてしまう事があるので、人が頻繁に通るような場所に置くことは避けた方が良いでしょう。

極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)の育て方情報

分類・形態熱帯植物・多年草
草丈・樹高1~10m
開花の時期5月~10月
花色オレンジ・黄
耐寒性やや弱い
耐暑性強い
特性・用途常緑性・開花期が長い
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け5月~10月
植え替え5月~9月
肥料5月~9月
開花5月~10月
収穫5月~10月

極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)の栽培に必要な準備・環境

それでは、極楽鳥花を育てるのに最適な環境について説明します。

日当たり・置き場所

基本室内でも育ちます。

春から秋にかけては屋外でしっかり日光にあて、寒くなる秋から冬にかけては屋内の明るく暖かい場所においてあげましょう。

冬に室内で育てる場合、真冬の窓際からは離しておいてください。耐陰性はありますが、半日陰では成長が遅く花が咲きづらくなります。

風通しの良い場所で育ててあげましょう。

また、お店から買ってきたばっかりのオーガスタは、少しずつ日当たりの良いところから直射日光にあたるところへ移動してください。

水やり

乾燥気味に育てることが大切です。土の表面がしっかり乾いたら、鉢底から水があふれるまでたくさん水をあげましょう。

水のあげ過ぎは根腐れを起こします。特に極楽鳥花の根は太く、根腐れをしてしまうと回復も難しくなります。

受け更にたまった水もこまめに捨てるとよいでしょう。乾燥しすぎると、葉の先が茶色く変色してきます。

肥料

5月から10月の生育が盛んな時期に肥料を与えることで大きく成長します。

窒素・リン酸・カリウムの3要素が入ったものか、リン酸がやや多めに入っている肥料を置き肥しましょう。

もしくは液体タイプの肥料を水やりの代わりに与えてもよいでしょう。

置き肥の場合は2ヵ月に1回、液体肥料の場合は2週間に1度のペースで与えるのがおすすめです。

有機肥料を使うと、虫が発生しやすくなるので、ご注意ください。化成肥料をつかう事をおすすめします。

用土

乾燥には強いので、水はけの良い土を好みます。

観葉植物の土

市販の観葉植物用の培養土を使用するか、赤玉土5、パーライト3、腐葉土2もしくは赤玉土7、腐葉土3の割合で混ぜた用土を準備しましょう。

温度

南アフリカ原産の為暑さに強いことが特徴です。

そのうえで、耐寒性もある程度持ち合わせています。

冬の管理は2℃~3℃、低くても0℃以上で管理しましょう。冬場や気温が10度以下になるようなときは屋内で育てるのがおすすめです。

冬場の窓際は室内でも寒い場所ですので、窓から離して置いてください。

霜にあたると枯れてしまう恐れがあるので、屋外で越冬させる場合は暖かい地域であることが望ましいです。

耐暑性についても40℃を超えるような屋外では枯れてしまうので、真夏の場合は日が当たり過ぎない様に注意しましょう。

極楽鳥花(ストレリチア・オーガスタ)を育てるときのポイント

次に極楽鳥花を育てるときのポイントについてお話しします。

選び方

種からではなく、苗を購入して育てる方法が一般的です。以下の特徴の苗を選ぶようにしてください。

  • 茎が徒長していない
  • 葉柄が伸びていない
  • 葉が肉厚でしっかりしている
  • 葉に傷がない
  • 葉先があまり茶色くない

ただし極楽鳥花は葉が切れやすく、特に大型のものになると輸送中や軽くぶつかっただけでも葉が切れてしまう事があります。

ある程度は仕方のない事と理解しましょう。

植え付け

5月から10月の温かい時期に行いましょう。7月以上に植え付けを行う場合は猛暑日は避けてください。

植え替え

極楽鳥花は1年から2年に1度は植え替える必要があります。大型のものでも3年から5年に1度は植え替えをするのがおすすめです。

大型のもので、これ以上大きくしたくないときには、根や枝を整理し、同じサイズの鉢に植え替えをしてください。

根が鉢いっぱいに広がると、鉢を壊したり根詰まりをおこし生育不良となります。根詰まりを起こすと植え替えの際に根をほぐすのにとても苦労します。

定期的な植え替えをするのがおすすめです。植え替え時期は5月から9月が適しています。

地植えのものを掘って植え替える場合は10月中までには終えてしまいましょう。

植え替えの前は、水やりを出来るだけ控えて土を乾燥させ、土をほぐれやすくすることが大切です。

引き抜いた極楽鳥花は土を取り除いた後、古くなった黒い根は切り落としておきましょう。

新しく植え替える鉢は一回り大きいものに、土を3分の1ほど入れて植え替え土を被せます。植え替えた後は水をたっぷりあたえましょう。

増やし方

極楽鳥花は一度葉を切り落とすと、そこから新しい葉は生えてきません。増やすためには株分けでおこないます。

株分け後は根が傷んでしまうので、明るめの日陰で1ヶ月ほど様子をみましょう。

種から増やす方法もありますが、難しいため株分けで増やした方がよいでしょう。

剪定・切り戻し

剪定に適した時期は、5月~7月です。

室内で育てている極楽鳥花でも、生育環境がよければぐんぐんと大きくなり、天井についてしまう事もあります。

そんな時は、剪定をしてバランスと高さを整えましょう。

剪定鋏

外側の茶色くなった古い葉は清潔なハサミやナイフで、茎の根本から切ってください。中心に生えている新しい葉を残すことで、また新しい葉が出てきます。

気を付けるべき病気・害虫

病気

病気には比較的かかりにくいと言われています。

害虫

害虫としてはカイガラムシが上げられます。定期的に観察し、数が少ない場合はブラシでこすり虫を落としましょう。

気温が高くなったり乾燥すると虫がつきやすくなります。

予防として週に1回湿らせたタオルで葉っぱの両面を拭きましょう。また、葉の両面に葉水も忘れずにしてください。

またナメクジなども付きやすいため、定期的に観察しましょう。

殺虫剤・殺菌剤

カイガラムシがついたら、白い綿のようなものがつきます。早期発見ができれば、手かティッシュで取り除くことができます。

成虫になってしまったら、カイガラムシ用のスプレーで駆除しましょう。オルトラン水和剤・カイガラムシエアゾールがおすすめです。