ホワイトセージの育て方・栽培方法のコツ【種類についても紹介】

茎や葉が白っぽいことからホワイトセージと呼ばれるハーブですが、正式名称は「セルビア・アピアナ」と言います。

「聖なるハーブ」としても知られており、人気の高いハーブですが、高温多湿が苦手なため栽培するにはある程度コツが必要となります。
今回は初心者の方でも分かりやすくホワイトセージの育て方から栽培方法まで紹介いたします。

ホワイトセージの基本情報

学名Salvia apiana
英名White sage・Bee sage
その他別名サルビア・アピアナ
科名シソ科
属名サルビア属
原産地北国南米からメキシコ

ホワイトセージの特徴

ホワイトセージはアメリカのカルフォルニア州南西部に自生している常緑の低木です。
全体が細かい毛でおおわれており、春ごろになると白やラベンダー色の花を咲かせます。

ホワイトセージは昔のネイティブアメリカンにとって「聖なるハーブ」として、儀式などで煙や食用として使用されていました。
現在でも空間を浄化するためにお香やアロマとして使用されています。

花言葉の「家族愛」についてはホワイトセージを薬として家族の健康のために栽培されていたことから生まれたとされています。

そんなホワイトセージですが、実はガーデニングでも栽培可能であり、特徴としては葉に油分を多く含み、葉をこするとセージ特有の独特の強い香りがあることです。

ホワイトセージの種類

セージはハーブの中でも代表的な植物で多くの種類のセージがハーブや観賞用として親しまれています。

コモンセージ

スパイシーな香りが強く料理に良く使われる品種であり、和名ではヤクヨウセルビアと呼ばれます。

クラリーセージ

甘い香りがすることが特徴で、花と葉より精油が作られます。
オイルとしてアロマテラピーで使用され、葉は食用としても使用することができます。

アメジストセージ(サルビア・レウカンサ)

コモンセージより草丈が高く、鮮やかな紫や白、ピンクの花を咲かせます。
育てやすく丈夫であることから庭植えや鉢植えなどガーデニングで使用されます。葉からよい香りがします。

メドーセージ(サルビア・ガラニチカ)

深い青色の花が特徴の花で、育てやすいことからアメジストセージ同様にガーデニングとしてもよく使用されます。
多年草のため一度植えると毎年花を楽しむことができます。

サルビア

花壇などによく植えられている赤や白などの花を咲かせる良く知られた品種です。

主に観賞用として使用されます。

チェリーセージ

花の形が特徴的で、白に花びらの下の方が鮮やかなピンク色の可愛い花を咲かせます。
草丈も低く小柄の品種ですが、こちらも葉を軽く揉むとさくらんぼのような甘い香りがします。

パイナップルセージ

フルーツセージの一つであり、葉からはパイナップルのような甘い香りがすることが特徴です。
また葉はチェリーセージよりも大きくトロピカルのような香りがします。

ホワイトセージの栽培・育て方

ホワイトセージは風当りと日当たりのいい場所を好みます。

また湿度の高い環境が苦手なため適度に剪定するなどある程度手入れが必要な品種です。
種は発芽が難しいため、初心者の方は苗から育てることがおすすめです。

ホワイトセージの育て方情報

分類・形態ハーブ・多年草
草丈・樹高~1m程度
開花の時期6月~8月
花色白・紫
耐寒性強い
耐暑性弱い
特性・用途耐寒性が強い
栽培難易度やや難しい

栽培スケジュール

植え付け3月~5月・10月~11月
植え替え5月~6月
剪定5月~6月
肥料5月~9月
開花6月~8月
収穫6月~8月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりが良く風通しのいい場所に置きましょう。
寒さには強いですが秋頃には室内で管理しましょう。

水やり

多湿を嫌いますので、基本は乾燥気味に育てましょう。
鉢植えの場合は、土の表面が完全に乾いてから水をたっぷりあげましょう。

また庭植えの場合は特に水やりは必要ありません。

肥料

植え付けの際に、堆肥とともに緩効性化成肥料を土に混ぜ込んでおきましょう。

4月~6月に月に一回固形肥料を施すか、液体肥料の場合は規定よりも倍以上薄めたものを2~3週間に一度のペースで与えましょう。
9月頃にまた同様の肥料を与えることで生育が良くなります。

用土

中性~弱アルカリ性の水はけのよい土を好みます。

市販のハーブ用の培養土を準備するか、自分で配合する場合は鉢植えの場合は赤玉土5、腐葉土3、バーミキュライト2の割合で混ぜ込んだものを使用しましょう。
また庭植えの場合は、植え付けの前に良く耕しに苦土石灰を混ぜ込んで一定期間寝かせておきましょう。

ホワイトセージを育てるときのポイント

選び方

葉が黒く変色しておらず、茎が太く株元がぐらついたりしない元気な苗を選びましょう。

種まき

3月~4月か9月~10月が適した時期です。
ただし発芽率が低く種からの栽培は難しいとされています。

種から栽培する場合は種をまく一か月前より冷蔵庫保存しておき、種まき前には1日水に浸してしておきましょう。
苗ポットにバーミキュライトなどを入れて種をまき、あとは発芽するまで日陰で乾燥しない様に水やりを適時おこないましょう。

2週間程度で発芽したら適度に間引きながら本葉が3~6枚程度になったら植え替えます。

植え付け

苗の植え付けは3月~5月、10月~11月頃が適しています。
寒さには強いですが、夏の高温多湿の環境には弱いので初めは鉢植えの方が管理しやすく育てやすいでしょう。

鉢植えは1株に対して5号以上の大きさの鉢に植えましょう。
地植えの場合は株間を20~30㎝以上空けるようにしましょう。

剪定

株元が蒸れないように梅雨前に収穫をかねて枝を2分の1ほどの長さに切り戻しましょう。

また傷んで変色している葉は病害や害虫の原因になるため見つけ次第取り除きましょう。
花が咲くと花に栄養が奪われるので、花芽はすべて摘み取っておくと株の成長がよくなります。

植え替え・鉢替え

地植えの場合は株間のスペースが十分あいていれば特に植え替えは必要ありません。

鉢植えの場合は、1~2年に1回、4~5月頃に植え替えをしましょう。
植え替え後は苗がダメージを受けているので、3日間ほど日陰で管理しましょう。

挿し木

種まきや挿し木で増やすことができます。

難易度は高いですが、ホワイトセージの栽培に慣れてきたらチャレンジしてみましょう。
種は花が咲き終わった後に種を収穫することがでいます。

挿し木は茎の先端を10~15㎝切取ります。
先端の葉っぱを2、3枚残して他を切り落としましょう。

茎の切り口を斜めに切り直し2時間程度水に浸してから湿らせたバーミキュライトに挿します。
挿し木後は発芽するまで日陰で管理し水やりをおこないましょう。

2~3週間程度で根付きます。

気を付けるべき病気・害虫

害虫

ネグサレセンチュウ

根の内部に寄生し株を腐らせてしまいます。

アカダニ

温かい時期に発生しやすく葉に寄生することで葉に白い斑点やカスリ状の傷がつきます。

少数の場合はテープなどで張り付けて除去しましょう。
また牛乳と水を5:5で割ったものを吹き付けて窒息させて、次の日に洗い流すことも有効です。

殺虫剤・殺菌剤

専用のスプレー式薬剤が有効です。